肥満は筋トレで解消できる?パーツ別のおすすめの筋トレ4選

肥満という言葉はあまり愉快な言葉ではないので、「まだ自分は肥満していない」と現実から目をそむけるようなこともあると思います。ただ、肥満してくるとますます身体を動かさなくなり、悪循環となってしまいます。そこで今回は、自宅でも簡単にできる肥満解消のための筋トレを紹介します。

メタボリックシンドロームという言葉が使われるようになって久しいですが、日本人の肥満人口は、長い目で見ると徐々に増加傾向にあります。そこで今回は、肥満とはどのようなものかを知ることで、効果的に肥満から脱却する方法に迫りたいと思います。さらに上半身、下半身それぞれの肥満解消筋トレ法を紹介していきます。

肥満ってなに?

たくさんの?が浮かんでいる女性

肥満を筋トレで解消する方法や、そのための一工夫について説明する前に、まずは肥満とはどのような状態を指すのかについて見ていきたいと思います。

体重が重い状態

肥満とは、身長と比して体重が重い状態のことを言います。何らかの疾患があるかどうかは、問題ではありません。肥満にともなって何らかの疾患を有している場合は、肥満ではなく「肥満症」と呼ばれます。

体脂肪率が高い状態

肥満のもう1つの定義として、体脂肪率が高い状態ということがあげられます。体脂肪を正確に測るのはなかなか困難なため、一般的にはBMI(Body Mass Index)という指標が用いられます。

BMIの計算法は、身長(m)の2乗を体重(kg)で割ったものとなります。たとえば、身長が160cmで体重が50kgだった場合、50÷(1.6×1.6)=19.53となります。

BMIの数値によって肥満度が定められており、標準体重はBMI18.5以上、25未満とされています。18.5未満の場合、痩せすぎと判定されることとなります。

ただ、BMIの計算法自体は世界共通なのですが、国によって理想とされるBMIは異なっています。日本人の場合、理想とされるBMIは男性の場合で22、女性の場合で21となっています。

日本の場合、BMIが25を超えると肥満に分類されることとなるのですが、アメリカではBMIが30を超えると肥満とされています。これは、日本人とアメリカ人とでは体質が異なることに起因しています。

ちなみに肥満度にもレベルがあり、BMI25以上30未満を1度の肥満(軽度の肥満)、BMI30以上35未満を2度の肥満(中等度の肥満)としています。

BMIが35以上40未満になると3度の肥満となり、BMIが40を超えると4度の肥満とされています。BMIが35を超えた場合、重度の肥満となります。

なぜBMIが25を超えると肥満となり、注意が必要とされるのかというと、BMIが25を超えたあたりから、高血圧や脂質異常症などの合併症を発症するリスクが上昇するからだということです。

日本人の肥満率

高度経済成長期以降、日本人の食事も欧米化が進み、肥満率も緩やかに上昇しているそうです。では、日本人の肥満率はどの程度なのでしょう。

一般社団法人である「日本肥満症予防協会」の発表によると、平成27年9月の段階で、日本の男性のおよそ30%、女性の19%が肥満とされています。調査した年によって若干の変動はあるものの、肥満人口は緩やかな上昇傾向にあるようです。

肥満の原因とは?

フライドポテトやハンバーガーなど脂っこいものばかりを食べている女性

日本人男性のおよそ3人に1人、日本人女性のおよそ5人に1人が肥満に該当するということですが、そもそもなぜ肥満になってしまうのでしょうか。

偏った食生活

肥満になる原因の1つとして、栄養バランスの偏った食生活をおこなっているということがあげられます。特に、炭水化物(糖質)の過剰摂取によって、肥満になるリスクが上昇するとされています。

炭水化物(糖質)はエネルギー源だといわれますが、それは、糖質が体内でインスリンによって分解され、脳や身体が働く際のエネルギーとなることに由来しています。

ところが、糖質の接所量が多すぎたり、食後に血糖値が急上昇したりすることで、インスリンによる糖質の分解能力を超えてしまうことがあります。

インスリンによって分解しきれなかった糖質は、予備のバッテリーとして体内にとどめ置かれることとなりますが、その正体こそが脂肪であり、こうした一連の流れが肥満になってしまうメカニズムという訳なのです。

運動不足

肥満になる原因としては、運動不足もあげられます。毎日のように走っているのに、肥満している人というのは、そうはいないのではないかと思われます。

学生の頃には、部活動や体育の授業、遠足などで身体を動かす機会もありますが、社会人になると意識して身体を動かさない限り、運動不足に陥りがちです。

しかも、基礎代謝は20代の半ばをピークの減少の一途をたどります。基礎代謝とは、私たちが意識していなくても、1日の間に消費されるエネルギー(カロリー)のことを言います。

運動をしなくても、呼吸をしたり食べたものの消化や吸収をしたり、身体の熱を発生したりするのにも、エネルギーは使われるのです。

そして、私たちが1日に消費するカロリーのうち、基礎代謝はなんと6割から7割をも占めているのです。そのため、運動不足+基礎代謝の低下によって、肥満しやすくなってしまうという訳なのです。

便利な世の中

肥満になる原因としては、世の中が便利になりすぎていることもあげられます。たとえば、現代となっては、お風呂を沸かすのも指1本でおこなうことも可能です。

湯量や湯加減も勝手に調整してくれるので、たびたびお風呂場に行って湯量や湯加減を確認する必要がありません。追いだきも足し湯も思いのままです。

主要都市のたいていの駅にはエスカレーターやエレベーターが設置されており、歩いて階段を上る必要もなくなっています。

また、家庭を見てみても、たいていの電化製品にはリモコンが付いており、その場を動かずに操作することが可能となっています。

車の普及も肥満の人が増える要因と言えるでしょう。田舎では一家に一台どころか、一人に一台車を所有している家庭もあり、生活には欠かせないものとなっています。

車で移動する機会が多くなれば、それだけ身体を動かす機会が少なくなるということです。このように、40年前と比較した場合、現代人が生活の中で身体を動かす量は、6割程度にまで減少しているということです。そのため、肥満になるリスクが高くなっているのです。

肥満解消筋トレその1・下半身痩せ

肥満になる原因については、おおよそのところを理解して頂けたことと思います。では次に、肥満を解消するための筋トレを紹介していきます。まずは、下半身痩せをしたい方におススメの筋トレからです。

スプリットスクワット

スプリットスクワットをしている人々

スプリットスクワットは、通常のスクワットが足を横に開いた状態でおこなうのに対し、足を前後に開いた状態でおこなうタイプのスクワットです。

通常のスクワットよりも簡単にできるので、筋力の弱い女性にオススメのスクワットとなっています。簡単にできるからと言って、効果が通常のスクワットに劣るということはありません。

むしろ、通常のスクワットよりも腰や膝を怪我するリスクが低く、また、足痩せはもちろんのこと、ウエスト痩せの効果やヒップアップの効果、姿勢を美しくする効果など、さまざまなメリットが期待できます。

スプリットスクワットをおこなう際には、まず足を前後に開いた状態で立ちます。次に、膝を曲げながら上体をまっすぐ下げていきます。その際、上体が前後左右にぶれないように気をつけましょう。

前になった方の膝が90度、後ろになった方の膝が135度の位置で停止し、元の姿勢に戻しましょう。前の膝がつま先より前に出るようであれば、スタンスをもう少し広げましょう。

カーフレイズ

カーフレイズをしている女性

カーフレイズとは、簡単に言うとつま先立ちをして、かかとの上げ下げをするエクササイズです。スポーツジムなどではバーベルを肩にかついだ状態でおこなうこともありますが、自重でも十分に筋トレ効果が得られます。

ただし、カーフレイズをおこなうときには足の位置に気をつけてください。足がカタカナの「ハ」の字になってしまうと、足の外側にばかり負担がかかり、足のラインが崩れる結果ともなりかねません。

カーフレイズをおこなうときには足を平行にするよう気をつけてくださいね。かかとの上げ下げをしていると、自然と足が「ハ」の字になってくる人もいると思いますので、足の位置を確認しながらエクササイズしましょう。

カーフレイズによって鍛えられるのは、おもに下腿三頭筋というふくらはぎの筋肉です。下腿三頭筋が鍛えられることによって、足のラインがキレイになりますし、むくみの解消にもつながります。

肥満解消運動その2・上半身痩せ

腕立て伏せをしている女性

次に、上半身痩せの方法について見ていきたいと思います。下半身痩せに比べると、上半身痩せは少し努力が必要ですが、痩せてキレイになった自分をイメージして頑張ってくださいね。

腕立て伏せ

上半身痩せの方法としては、腕立て伏せがあげられます。腕立て伏せというと腕の筋肉を鍛えるようなイメージをお持ちの方もいらっしゃることと思いますが、実際には上半身の筋肉を効果的に鍛えられるエクササイズとなっています。

手の幅を開いておこなえば、大胸筋や小胸筋といった胸の筋肉を鍛えられるので、バストアップをしたい女性におすすめです。反対に、手の幅を狭めておこなえば、肩甲骨周りの筋肉を鍛えることが可能となります。

筋力が弱くて腕立て伏せができないというような方は、両膝をついた状態でおこなうとよいでしょう。慣れてくると膝を床から離してもできるようになると思いますよ。

懸垂

上半身痩せの方法としては、懸垂をおこなうという手もあります。懸垂運動ができないような場合、筋力が不足している可能性と体重が増えすぎている可能性が考えられます。

まずは1回でよいので、自分の身体を持ち上げられるようにしましょう。1回できれば、何度も繰り返すことによって、必ず複数回できるようになります。

懸垂も腕立て伏せと同様、腕だけでなく腹筋や背筋といった上半身全体の筋肉を鍛えることが可能です。続けていくうちに、ウエストのくびれていくのが分かると思いますよ。

肥満を解消するための一工夫

階段を登っている女性

肥満を解消するための筋トレについて紹介しましたが、せっかくなら効果的にダイエットしたいものですよね。そこで、肥満を解消するための一工夫について紹介しておきたいと思います。

テレビを控える

肥満を解消する工夫としては、テレビの視聴時間を減らすということがあげられます。テレビを見ていると、ついつい動かない時間が長くなってしまいます。手持無沙汰だからと、なにかを食べながら見るなどすれば、余計に肥満のリスクが高まってしまいます。

テレビが大好きで運動をする時間がないという人は、せめてテレビを見ながら筋トレをおこないましょう。かかとの上げ下げくらいなら、テレビを見ながらでもできますよね。

日常生活に筋トレを取り入れる

効果的に痩せるためには、日常のルーティンに筋トレを組み込むとよいでしょう。たとえば、エスカレーターやエレベーターを使わずに、階段を使うという手があります。

また、鞄やリュックサックに重たいものを入れて持ったり、自転車を土踏まずではなくつま先で漕いだりすることで、運動効率を上げることが可能となります。

体脂肪を減らす

肥満を解消するためには、まず体脂肪を減らすということも重要です。そのためには、糖質の摂取量を減らすとよいでしょう。

太っているということは、その体重を支えるだけの筋力があるということでもあります。そのため、脂肪を減らすことによって、効果的に筋トレができるようになります。

また、体脂肪率が下がるとテストステロンが分泌されやすくなり、効果的に筋肉をつけられることも分かってきています。最初は体脂肪を減らすことに重点を置き、ある程度体脂肪を減らせたら、筋肉をつけることに重点を置くとよいでしょう。

まずは体脂肪を減らすと効率的

今回は肥満の原因や、筋トレで肥満を解消する方法について見てきました。肥満というといかにも聞こえが悪いですが、太っているということは、逆に言うと体重を支えられるだけの筋力があるということです。まずは体脂肪を減らして、そこから筋トレを始めるようにすると効率的ですよ。