日々の生活の中で、ストレスに感じることって数え上げたらキリがありませんよね。仕事、学校、試験、人間関係、恋愛……社会生活を送っている中で、こうしたストレスを避けて通ることはほとんど不可能です。
そんなストレス社会と口臭に関係があるってこと、ご存知でしたか。ストレスには、講習を強くする要因があるんです。今回はストレスと口臭の深い関係についてご説明したいと思います。
CONTENTS
ストレスと口臭の関係とは?
ストレスという言葉を聞かない日がないぐらい、あらゆるストレスに囲まれて生きていますよね。学生であったら、学校生活、友人関係、先生との確執、進路や試験など、さまざまなストレスが考えられます。
社会人であっても、業績、仕事上の人間関係、上司や部下との確執、日々の生活、家族や友人関係など、あらゆるストレスにがんじがらめになっています。
そんな日々の生活の中で、具体的な何らかのストレスを感じたとき、口の中がネバネバしたように感じたという経験、ありませんか。口元が乾燥し、違和感を覚え、何となく口臭も気になってしまいます。実は、こうした症状には理由があります。というのも、ストレスと口臭には関係があるからです。
自律神経に作用
緊張したりストレスと感じたりすると、循環器や呼吸器などの活動を調整するために働く自律神経に影響を与えます。この自律神経には、体が活発に動いているときや日中に働く交感神経と、安静時や夜に働く副交感神経があり、通常、このふたつがうまくバランスを取っていますが、緊張やストレスによって、このふたつの神経のうち、交感神経が優位になるのです。
交感神経が優位になるときに分泌される唾液はネバネバした粘質性の唾液です。一説によると、交感神経が優位な状態が続く場合とは、緊張や興奮状態が続くことであるため、そうした状態から自らを守るための生体防御が働き、細菌感染などから身を守るリゾチームなどの酵素が含まれる粘着性の唾液が出ると言われています。
唾液の状態がベタベタしていると、口臭が起こりやすい状態になります。さらに呼吸が乱れ、口内が乾燥すると、さらに口臭が起こりやすくなります。
ストレスで唾液が減ると口臭になる
唾液は口の中で多くの働きをしています。そのため、唾液が減ってくると、さまざまなトラブルが起こることがあります。虫歯が増えたり、歯周病が進行するようになったり、口臭が起こるようになったら、それは唾液の減少が原因かもしれません。詳しく見ていきたいと思います。
唾液の抗菌作用
唾液には、熱いものや冷たいものなど温度のある食べもの、炭酸や酸味の強い刺激のある食べもの、おせんべいなど固い食べもので口内が傷つかないように保護する働きのほか、食べものがスムーズに飲み込めるように潤滑する働き、味を感じさせ、体の水分補給を知らせるなど、多くの働きがあります。
また、歯に対する働きとして、食事のたびに溶けてしまう歯のミネラル成分を歯に戻す働きや、食後、酸性となった口内を中性に戻し、歯が解けないように保護する働きなどもあります。
特筆するべきは、細菌が体内に入らないように殺菌する働きです。実は、この働きのおかげで、口臭が起こらないようになっているのです。
唾液が減少すると口臭が強くなる
ストレスにより唾液が減少すると唾液や舌の上に潜んでいた細菌が気化する時にガスを発し嫌なにおいの口臭になります。
また、唾液によって清潔に保たれていた口内では、もともと存在する細菌が増殖しはじめ、歯茎などに痛みを生じることもあります。こうして口内の環境が悪くなると、唾液によって殺菌されていた細菌の量も増え、活発化していくようになります。
口の中が洗浄されにくい
こうなってしまうと、口内の汚れは洗浄されず、口内環境はさらに悪化します。その結果、口臭が起こるようになり、人によってはひどい悪臭を放つようになるわけです。
ちなみに、厚生労働省による歯科疾患実態調査(平成28年度版)の結果をひもといてみますと、調査対象のおよそ10%が口臭を訴えていました。自覚している人だけで10%もいますが、実は無自覚に人のほうが口臭がひどい場合が多いです。
自律神経のバランスを整えることが大事
以上のように、緊張やストレスと口臭は、自律神経を通して関係があります。したがって、交感神経が高ぶり、副交感神経とのバランスが乱れる状態を改善することで、自律神経が整い、口臭が起こりにくくなるということになります。
自律神経のバランスを整えるためには、日々の生活を改善していくことが大切です。以下のことを意識しながら、毎日の生活を見直していきたいと思います。
①食物繊維の多い食事
腸の中を食べ物が進んでいくとき、副交感神経が優位になります。食物繊維は分解されにくく、吸収されないまま腸の中を進んでいくため、自律神経を整える食事として優れていると言われています。
食物繊維が多い食べ物には、玄米などの炭水化物、きのこ類、ごぼうなどの野菜類、海藻類などです。意識して日頃の食生活に摂り入れていきたいですね。
②適度な運動
運動している間は交感神経が働きますが、運動は自律神経の働きをよくする効果があります。ただし、激しい運動はストレスとなり、交感神経を高ぶらせる原因となります。
オススメはウォーキングや水泳、サイクリングやジョギングなど。たとえば通勤や通学で自転車を取り入れてみたり、ひと駅手前で降りて歩いてみることで、日々の生活の中で無理せずに取り入れることができますよ。
③禁煙
タバコには気分をリラックスさせる働きがあるように思われがちですが、元来、タバコに含まれているニコチンには自律神経を興奮させてしまう働きがあります。
仕事の後の一服や緊張から解放するための一服は、興奮状態の中で気持ちをリラックスさせること。タバコを吸わなくなると、今度は気持ちがイライラするようになってしまいます。
健康のためにもタバコを控えるようにすることは大切。でも、禁煙することがストレスにならないように気をつけないといけません。
④リラックス
日常生活において、緊張から解放する時間、つまりリラックスできる時間を増やしていくことで、自律神経のバランスを整えることができます。
気持ちが落ち着くような音楽を聴く、お風呂に浸かって体からリラックスさせる、だれかとしゃべる、好きなことをやってストレスを忘れるなど、緊張からの逃げ道を上手に作ってあげたいですね。
ストレスによる口臭で気を付けたいこと
そうはいっても、このストレス社会から逃れることはできません。社会に出たら、さまざまなストレスと緊張が待ち受けていますし、そういった中で生きていかなければなりませんよね。だからといって、いきなりストレスに負けないように強くなるなんていうことは不可能です。でも、ちょっとした日々の心がけで、ストレスを少なくすることはできるんです。では、どういうことに気をつけてストレスによる口臭に対処したらいいのでしょうか。
コーヒーなどのカフェインを摂りすぎない
ホッとした瞬間に思わず飲みたくなるコーヒーや紅茶。けっして体に悪いものではありませんが、摂り過ぎはイライラの原因になることに。カフェインはその働きによって興奮状態を作り出す効果があります。
そのため、カフェインを摂ると、目が覚めたり、集中力を高めることができるようになりますが、その効果は永続するものではありません。カフェイン効果が切れると、脱力感、疲労感が現れ、イライラしたりストレスに感じたりすることがあります。
さらに利尿作用があることから体の中の水分が減ってしまい唾液も少なくなってしまう可能性がありますので摂りすぎには注意が必要です。
規則正しい生活
一般的に、規則正しい生活を送ると、自律神経のリズムが安定していきます。このため、朝になったら起きて朝日を浴び、3食しっかりと食事を摂り、適度な運動を取り入れ、夜になったら寝るようにすると、体のリズムが整い、自律神経が安定していきます。
ただ、規則正しい生活をしなければならないということがストレスになることもありますよね。人によっては睡眠障害などで、なかなか十分な睡眠が取れないこともありますし、夜の仕事をしている、子育てで時間が取れないなど、状況によってはそうかんたんに規則正しい生活を送ることができない場合もあります。ですから、「規則正しい生活を送らなければならない」ということを無理強いすることのないようにしましょう。
リラックスを心がける
ストレスを溜めないようにするためには、日常的にリラックスを心がけるようにするしかありません。ご自身にとってどんな方法があるのか、いろいろなことをやってみるのも楽しいですよね。
お風呂に入る、音楽を聴く、カラオケで歌う、アロマテラピーで気分を落ち着かせる、動物と触れ合うなど、人によってさまざま。たとえそれが他者にとってはストレスに感じることであっても、ご自身が好きであれば、それに没頭することでストレスが解消されますよね。
ジグソーパズルやビーズなどにはまるという方もいらっしゃるかもしれません。いずれにせよ、ご自身がどんなことでリラックスできるのかを知ることが大切。ストレスで疲れたら、いつでも逃げ道を作ってあげましょう。
正しい口の中の清掃
そして忘れてはならないことは、口臭が起こらないように口内を清潔に保つこと。毎食後に歯のブラッシングにフロスや歯間ブラシなどを併用すると、口臭予防だけではなく、虫歯や歯周病などの予防にも役立ちます。
歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に当てるようにして、前歯の外側、奥歯の外側、歯のかみ合わせの部分、前歯の内側、奥歯の内側と、方向を変えて磨くようにしましょう。また、舌の上にたまる舌苔も舌の掃除により取り除いてあげることが重要です。
口臭の原因のほとんどがお口の中の細菌により発生します。その中でも舌苔や歯周病は口臭の原因の大部分を占めています。毎日の習慣が口臭予防の一番の近道なのです。
それでも口臭が気になる方は、一度、歯科医院で相談するのも大事。もしかしたらすでに虫歯や歯周病が進行しているかもしれません。
メンタルからきていることも
他人の口臭が気になるようになると、ご自身も口臭が起こっているのではないかと思ってしまうものですよね。でも、口臭があるかどうかを判断するのは非常にむずかしいもの。指で口内を触って臭いをかいでも、それが口臭なのか、食べ物の臭いなのかはよくわかりません。
身近な人に聞いてみるのがわかりやすいのですが、なかなか人に聞きにくいことでもありますよね。こうしてひとりで悩んでいくと、人前に出ることや人と接することが嫌になってしまいます。
口臭が気になったら、あれこれとひとりで悩まずに、まずは相談してみることをオススメします。歯科医院によっては、口臭外来を併設しているところもあります。専門的な検査などもありますので、気軽に訪ねてみましょう。
口臭外来へ
口臭外来へ行くと、まずは医師との面談があります。気になることはすべて話しましょう。どういうときに口臭を感じるのか、どのような臭いなのか、細かく話した方がベター。口呼吸をしているかどうか、ストレスの有無、口内の状態など、細かく話しておくと、医師による原因解明に一役買うこともあります。
それから検査に入ります。口臭の測定から、口腔内、唾液、尿の検査、舌の状態を診断します。さらに口臭外来のことを知りたい場合はこちらの記事も読んでみて下さい。
口臭チェッカーを使用する
息を吹きかけるだけで、口臭の強さを図ることができるチェッカーが市販されています。製品にもよりますが、息を吹きかけると、レベルが表示され、口臭が感じられるかどうかがわかります。
ただし、口臭外来のように正確にわかるものではありません。あくまでも参考までに使ってみるといいのではないかと思います。口臭外来は気が引けるという方は一度使ってみるといいですね。
口臭はお医者さんへ
ストレスを浴びると、自律神経が乱れ、唾液がベタベタし、乾燥していくことで、口臭が起こることがあります。なるべくストレスからご自身を解放し、リラックスを心がけることで、ストレスによる口臭が起こらなくなります。
それでも気になる方は、専門の口臭外来へ。ひとりで思い悩まずに、専門家に相談するようにしたいですね。