現役歯科衛生士が教える!すぐに口臭を消す食べ物と飲み物!

ニンニクやニラなど、においの強いものを食べた後、また、タバコを吸った後など、口臭が気になるものですよね。人によっては、そのような臭いを嗅がされることで、気を害することがあるかも知れません。そのような事態にならないよう、なにか飲み物で口臭を消す方法はないものでしょうか。今回は、すぐに実践できる飲み物で口臭を消す方法について解説したいと思います。

柴田はるひ
この記事の監修者
歯科衛生士
歯科医師として、30年近く審美治療にかかわってきて、治療後に患者様の笑顔がより輝いてくることに大きな喜びを感じています。 ホワイトニングや矯正治療後に、「これまでコンプレックスだった箇所が自慢の個所に変わった!」「よく笑うようになった!」など「患者さまの人生を変えることに貢献できた!」と思える瞬間が歯科医師としての一番の喜びだと思っています。最近心に残った言葉は「幸せ」には「人から与えられる幸せ」「自分の力で何かを得る幸せ」「他人に与える幸せ」の3種類あり、「他人に与える幸せ」を知っている人が最高の幸せ者である、という言葉です。 私も人生の折り返し地点を過ぎてきましたので、これからは「他人に与える幸せ」を日々実 践していきたいと考えています。 座右の銘は全ての人を尊重する、日々感謝です。 趣味は格闘技観戦、読書です。
コメント全文を表示

口臭を消す食べ物と飲み物!原因の口臭とは?

鼻をつまんでいる女性

口臭を消すのに有効な飲み物(食べ物)について紹介する前に、まずは口臭について知っておきましょう。口臭にはどのような原因があるのでしょうか。

口の中の細菌による口臭

口臭の原因としては、口内の細菌があげられます。大人の口の中には、常時300から700種類もの細菌が存在しているとされます。

細菌の数を見てみると、歯磨きをよくする人でも1000億から2000億個、歯磨きをあまりしない人の場合、4000億から6000億個、ほとんど歯を磨かない人になると、1兆以上の細菌が存在するということです。

そして、口内にも腸内と同様、善玉菌と悪玉菌の2種類が存在しています。善玉菌の代表としてはビフィズス菌が、悪玉菌の代表としては、歯周病の原因菌でもある、ポルフィロモナス・ジンジバリス(pg菌ともいいます)があげられます。

歯周病になる原因は細菌だけではないのですが、もっとも主要なリスクファクター(危険因子)がポルフィロモナス・ジンジバリスだと考えられているのです。

ポルフィロモナス・ジンジバリスは嫌気性グラム陰性桿菌に属する最近です。嫌気性とは空気を嫌う性質があるということを意味しており、空気に触れないように歯と歯茎の間に潜り込む性質を持っています。

そのため、歯磨きをしても取り除くのが難しく、いつの間にか歯周病となってしまうという訳なのです。歯周病はかつて歯槽膿漏と呼ばれたことからも分かるように、進行すると歯茎が腐って膿がでてきます。

このときに出る膿は強烈な臭いを発することで知られています。また、ポルフィロモナス・ジンジバリスが増殖すると、免疫機能が低下して歯茎に炎症を起こしやすくなることも分かっています。

また、免疫機能が低下すれば、虫歯も発生しやすくなります。虫歯がある場所には細菌が住みついており、それが食べカスを分解することで異臭を放つようになるのです。

唾液の減少による口臭

一口に口臭と言っても、実はいろんな種類があります。たとえば、先にあげた歯周病や虫歯などは口腔内が原因の「病的口臭」に分類されています。その他にも、口腔外が原因の病的口臭もあります。

食べ物や飲み物による口臭のことは「外因的口臭」と呼んでおり、また「生理的口臭」と呼ばれるものもあります。口腔外が原因の口臭と外因的口臭の説明は後に譲るとして、まずは生理的口臭について説明しておきたいと思います。

生理的口臭はその字を見ても分かるように、誰にでもあたり前のように起こりうる口臭のことを意味しています。たとえば、朝起きたときに口の中がねばついて臭うようなことがありますが、このような口臭のことを「起床時口臭」と呼んでいます。

また、緊張によって口の中がカラカラに乾いたときに現れる口臭のことを「緊張時口臭」と呼んでいます。その他にも、おなかが空いたときに現れる「飢餓時口臭」と呼ばれるものもあります。

これら生理的口臭に共通しているのが、唾液の分泌量が低下したときに、口臭が現れるという点です。唾液の分泌量が低下すると、口内の細菌が繁殖し、それによって口臭の原因である揮発性硫黄化合物が産生されるのです。

ただ、生理的口臭は歯を磨いたり食事をしたり、水分をたくさん摂ったりすることで解消することが可能ですし、半径30cm以内に近づいたりしなければ、それほど臭いが気になることもありません。

あと、生理的口臭は加齢によって現れることもあれば、ホルモンバランスの乱れによって現れることもあります。民族によっても口臭が異なるということです。

食べ物による口臭

今回のテーマは、食べ物や飲み物によって現れる口臭への対処法となっていますが、食べ物や飲み物が原因となる口臭のことを「外因的口臭」と呼んでいます。一般的には時間の経過とともに薄れていくものなので、特に治療をする必要はありません。

あと、食べ物のカスが舌の表面に付着することでできる「舌苔(ぜったい)」が原因となって、口臭が現れることもあります。舌の表面は細かい襞状となっているため、食品に含まれるたんぱく質が固着することで臭いの元となってしまうのです。

内臓の病気による口臭

口臭の中には病的口臭と呼ばれるものがありますが、口腔内に原因がないときに見られる口臭のことを、口腔外が原因の病的口臭と呼んでいます。

たとえば、循環器系や呼吸器系に疾患がある場合、口臭が現れやすくなるとされています。また、糖尿病や肝機能障害、腎機能障害などを発症すると、特徴的な口臭の現れることが分かっています。

他にも、内臓の病気に対する治療薬を服用することによって現れる口臭もあります。ただ、病的口臭の大部分は口内に原因があるということなので、内臓疾患による口臭は少数派と言えます。

口臭を消す飲み物・食べ物

ガラスのコップに入った緑茶

口臭はいろいろな原因によって生じるので、それに応じた飲み物や食べ物によって口臭予防をすることが重要となります。それでは、口臭予防に効果のある食べ物や飲み物を紹介していきたいと思います。

レモン水・梅干し

レモンや梅干しの味を想像してみてください。口の中に唾が湧いてきませんか?生理的口臭の原因は唾液の分泌量が低下することなので、レモンや梅干しを食べることによって唾液の分泌量を増やし、それによって口臭を予防することが可能となります。

また、レモンや梅干しにはクエン酸が含まれています。クエン酸には細菌の繁殖を抑制したり、食べカスが腐敗するのを防いだりする効果もあります。レモン水で口の中に潤いを与えるのも効果的ですよ。

緑茶・烏龍茶

緑茶や烏龍茶、紅茶はもともと同じ茶葉から作られていることをご存知でしょうか。発酵させるかさせないか、どれくらい発酵させるかによって、風味に違いが生まれてきます。

ちなみに、麦茶や玄米茶、プーアル茶やゴボウ茶などは茶葉から作られていないので、厳密に言うとお茶ではないということになります。

それはともかく、茶葉から作られたお茶にはカテキンやカフェイン、アミノ酸やフラボノイドなどが含まれています。その中で、口臭を抑える効果があるのはフラボノイドとカテキンだということです。

フラボノイドやカテキンはポリフェノールの一種です。ポリフェノールというと、赤ワインやチョコレートをイメージされるかもしれませんが、多くの植物にポリフェノールが含まれています。

フラボノイドにはそれ自体に消臭効果があります。そのことから、フラボノイドを含有した歯磨き粉やガムなどがあるわけです。

また、カテキンには口内でにおい物質が生成されるのを妨げる働きがあります。カテキンには殺菌作用もあることから、口内環境を良好に保つのにも効果的です。

フラボノイドやカテキンは緑茶にもっとも多く含まれていますが、烏龍茶には虫歯菌の繁殖を抑えてくれる効果があるということです。歯周病や虫歯を予防するには、緑茶よりも烏龍茶の方が効果的だということです。

たんぱく質分解酵素を含む食べ物

口臭を抑える方法として、たんぱく質分解酵素をふくむ食べ物を摂取するという手があります。口臭の原因として舌苔(ぜったい)と呼ばれるものがあるということは先述したとおりです。

舌苔による口臭は、舌の表面に固着したたんぱく質が原因となるため、たんぱく質分解酵素をふくむ食品を摂取することによって、舌苔を取り除いて口臭を防ぐことができるのです。

たんぱく質分解酵素をふくむ食品としては、パイナップルがよく知られています。酢豚にパイナップルを入れるのは、豚肉に含まれているタンパク質が、パイナップルのたんぱく質分解酵素によって分解され、柔らかくなるからなのです。

ただし、パイナップルなら何でもいいという訳ではありません。パイナップルに含まれているたんぱく質分解酵素は熱に弱いので、加熱処理をしている缶詰のパイナップルを食べても意味がありません。

牛乳

牛乳は口臭の中でも外因的口臭、特にニンニクやニラなど、臭いの強いものを食べたあとの口臭予防に効果を発揮してくれます。

牛乳に含まれているたんぱく質には、ニンニクやニラなどのニオイ成分を包んでくれる働きがあるのです。そのため、臭いの強いものを食べたあとは、コップ1杯の牛乳を飲むとよいでしょう。

ガム

口臭を予防するにはガムを食べるのも効果的です。先にも紹介しましたが、フラボノイドにはそれ自体に消臭作用があるので、フラボノイドを配合したガムを食べることで、口臭予防をすることが可能です。

また、ガムを噛むことによって唾液線が刺激され、唾液の分泌量が増えます。唾液には口中を清潔に保つ働きがあるため、そういった意味でもガムを噛むことは口臭予防に適しています。ポスカはフッ素が配合された虫歯予防もできて尚且つ普通のガムより硬くできているので噛み応え抜群で唾液がでてきます。

ポカス
Amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る

口臭サプリメント

口臭を予防するためには、サプリメントを利用するという手もあります。サプリメントで口臭を抑えるという手段と、サプリメントによって栄養補給をおこなって、体質を改善するという手段の2種類があります。

口臭を消すうえでの注意点

OKサインを出している女性

口臭の原因によっては、食べ物や飲み物によって臭いを取ることが可能だということでした。ただ、口臭を消すにあたってはいくつかの注意点があります。

口臭の根本原因を消すにはこまめなお掃除を

食べ物や飲み物によって口臭を予防できるのは、生理的口臭や外因的口臭など、一部の口臭に限られます。歯周病や虫歯が原因の口臭や、病気が原因の口臭には効果がありません。

口臭を根本的に予防するためには、歯を磨くだけでなく、専用の器具を用いて舌の掃除をおこなうことも重要です。また、歯周病になっている場合はまず、歯科医院で歯周病の治療をおこなう必要があります。

病気が原因の口臭は全体の1割以下ですが、そのような場合は当然のことながら、病気の治療をおこなう必要があります。

ミンティアやフリスクの摂取

口臭予防やエチケットとしてミンティアやフリスクなどを用いるケースもあります。コマーシャルでもよく見かけるのでご存知の方も多いと思います。

ただ、ミンティアやフリスクなども一時的に口臭を「隠す」ことを目的としており、口臭を根本的に改善するものではないということを忘れないようにしましょう。

コーヒーで消す方法

コーヒー豆を絞った「出がらし」には消臭効果があることから、コーヒーを飲むことで口臭予防ができると考える人もいるようです。ただ、コーヒーを飲むと独特の口臭を放つようになるので、口臭予防の手段としては不適当と言えそうです。

歯科衛生士が教える口臭豆知識

舌の上ににこちゃんマークが書いてある女性

口臭に関する難しい話はここまでにして、以下では歯科衛生士だから知っている、口臭に関する豆知識を紹介したいと思います。

舌の大きさは土俵以上!

口臭の原因として舌苔というものがあげられていました。舌の表面には細かい襞があるので、そこに食べカスなどが付着して、結果的に口臭につながってしまうのです。

舌の表面には舌乳頭と呼ばれる突起があるのですが、それらをすべて広げた場合、20平方メートルに達するとされています。

大相撲の土俵がおよそ16平方メートルということなので、いかに舌の面積が大きいかが分かると思います。そのため、舌苔が詰まりやすく、臭いの元となってしまうという訳なのです。

メチルメルカプタンは動物のフンのにおい!?

口臭の原因として、口内の細菌が発生させる揮発性硫黄化合物の存在があげられていました。揮発性硫黄化合物の中にはメチルメルカプタンと呼ばれるものがあり、これが強烈な口臭の元となっています。

メチルメルカプタンはメタンチオールともいわれますが、メタンチオールは動物のフンからも検出されるということです。動物にフンににおいのほかにも玉ねぎの腐ったようなにおいだと言われることもあります。

自他ともに気になるにおい№1

口臭は体臭とは異なり、離れた場所にいても分かってしまうものです。そのため、自他ともに気になる臭いとして、ナンバー1にあげられることも多いようです。

飲食での口臭を消す方法は一時的

口臭を消す食べ物や飲み物について見てきましたが、いかがだったでしょうか。緑茶でうがいをしたり、ニンニクを食べた後に牛乳を飲んだりするのはよく知られていますが、あくまでも食事による臭いや乾燥によって現れる口臭を一時的に消す方法に過ぎません。

口臭口腔内に問題がある場合がほとんどになりますので、一度歯科医院でで診てもらうことが重要と言えます。