肥満をもたらす食生活とは?ダイエットに必要な3つのこと!

食べたら太るのはあたり前で、何かを食べて痩せるなどということはあり得ません。とは言うものの、同じくらいのカロリーしかとっていないのに、ある人は太らなくて、ある人は太るなどということもよくあります。なぜそのようなことが起こるのでしょうか。そこには、カロリー以外の原因がありました。

人間の身体は食べたものによってつくられているので、食生活が肥満かどうかを分けているということも可能です。では、どのような食生活をしていると、肥満のリスクが高くなってしまうのでしょう。また、世の中にはさまざまなダイエット法がありますが、根本的に必要なことはなんなのでしょうか。今回はその辺りの事情に迫ってみたいと思います。

肥満ってなに?

はかり

どのような食生活をしていると肥満のリスクが上昇するのかについて解説する前に、まずは肥満とはなんなのかについて説明しておきたいと思います。

太っていること

肥満とは、単に太っている状態や、体重が思い状態のことを言います。特に、なんらかの疾患をともなうことが要件となっている訳ではありません。

肥満度が高いこと

肥満のレベルを表すときに「肥満度」という言葉が用いられています。肥満度は、BMI(ボディ・マス・インデックス)によって算出されます。

BMIの数値は、身長(m)を体重(kg)で割ることによって求められます。たとえば、身長が160cmで体重が52kgの場合、[52÷(1.6×1.6)]=「20.3(小数点2位以下を四捨五入)」がその人にとってのBMIとなります。

BMIの数値が25をこえると、肥満に分類されることとなります。BMIの数値が18.5未満の場合は痩せ型、BMIの数値が18.5以上25未満であれば、標準体重に分類されることとなります。

また、肥満の中でもBMIが25以上30未満の肥満を軽度肥満(1度の肥満)、BMIが30以上35未満の肥満を中等度の肥満(2度の肥満)、BMIが35以上40未満の肥満、およびBMIが40以上の肥満を重度の肥満(それぞれ3度と4度の肥満)として分類しています。

BMI測定

身長


cm
体重


kg

あなたのBMI値は…

肥満と肥満症の違い

肥満と肥満症との違いは、肥満が単なる状態面を説明しているのに過ぎないのに対し、肥満症の場合は、肥満にともなってなんらかの健康上のトラブルを抱えているか、もしくは健康上のトラブルを抱えるリスクがあり、医学的に治療が必要とされるタイプの肥満であるということです。

とは言うものの、日本人の場合、BMIが25を超えたあたりから、さまざまな生活習慣病を発症するリスクが高くなるとされており、両者を厳密に分けることにそれほどの意味は感じられません。

肥満症には脂肪細胞の質的異常によって起こる肥満症と、脂肪細胞の量的異常によって起こる肥満症の2タイプがあります。前者のことを「内臓脂肪型の肥満」、後者のことを「皮下脂肪型の肥満」と呼ぶこともあります。

脂肪細胞の質的異常によって起こる肥満症の場合、高血圧や脂質異常症、高尿酸血症や痛風、耐糖能障害(2型の糖尿病など)といった、いわゆる生活習慣病になるリスクが高くなります。

また、狭心症や心筋梗塞といった心疾患や脳梗塞、肥満に由来する腎臓病や脂肪肝になるリスクも上昇するとされています。女性の場合、月経異常や妊娠中の合併症のリスクが高くなるとされています。

脂肪細胞の量的異常によって起こる肥満の場合、呼吸器系の疾患である睡眠時無呼吸症候群や、肥満低換気症候群の起こる可能性が高くなるということです。

また、皮下脂肪の増大にともなう体重増加によって関節に負担がかかり、膝痛や腰痛といった整形外科的な疾患を発症するリスクも高くなるということです。

肥満をもたらす食生活

汚い部屋で寝ている男

肥満になると、さまざまな健康上のトラブルを引き起こす可能性が高くなるということでした。では、どのような食生活を送っていると、肥満になるリスクが高くなってしまうのでしょうか。

食べ過ぎ

肥満をもたらす食生活としてもっとも分かりやすいのは、単に食べ過ぎてしまっているということです。人間の身体は食べものからできているので、食べすぎれば太るのはあたり前のことです。

カロリーに関してはいろいろな説のあるところですが、一般的には消費カロリーを摂取カロリーが上回ることによって、肥満になるされています。

お相撲さんは言うまでもなく、最近は高校球児も体重を増加させるため、どんぶり飯を3杯も食べることがあるようです。たくさん食べれば体重が増えますし、運動をしていなければ肥満になる訳です。

過度のダイエット

「ダイエットをして肥満になるってどういうこと?」と思われる方もいらっしゃることと思います。なぜ過度のダイエットによって、肥満になるリスクが上昇してしまうのでしょうか。

ダイエットをおこなうときには、食事制限をするのが一般的だと思います。食べる量を減らすことによって摂取カロリーを減らせば、効率よく体重を落とすことができるからです。

ただ、体重だけに注目していると、思わぬ落とし穴にはまってしまいます。というのは、食事制限「だけ」で体重を落とした場合、筋肉量も減少してしまうからです。

筋肉量は基礎代謝と密接な関係にあります。筋肉量が減少することによって基礎代謝が低下すると、ダイエット前よりも却って太りやすい体質になってしまうのです。

減量の結果得られた体重を維持している間はいいですが、減量前と同じ体重に戻った場合、身体の中身は同じではないのです。筋肉量が減少している分基礎代謝が低下し、減量前よりも太るリスクが高くなるのです。これがリバウンドの仕組みという訳なんですね。

遅い時間の食事

遅い時間に食事をとるのも、肥満になる原因の1つとされています。なぜなら、寝ている間というのは身体を休ませるための時間であり、夜遅い時間にとった食事のエネルギーは、使われることなく体脂肪として蓄積されやすいからです。

また、「BMAL1」という遺伝子に、日中は脂肪を分解してエネルギーを作り出す働きがあるのに対し、夜間には脂肪をため込む働きのあることが分かっています。そのため、夜遅くに食事をとった場合、脂肪をため込むリスクが高くなり、結果として肥満になりやすくなってしまうのです。

糖質の過剰摂取

昔は、太ってしまうのは単純に食べ過ぎるからだと考えられていました。ところが、近年の研究によって、私たちが太ってしまう最大のリスクファクターが、糖質であることが分かってきているのです。

糖質は私たちにとってエネルギー源であるといわれます。なぜなら、糖質が体内でインスリンに分解されることで、私たちの脳や身体のエネルギーへと変換されるからです。

ところが、糖質の摂取量が過剰であったり、食後の血糖値が急激に上がったりすることによって、インスリンの糖質分解能力を超えてしまうこととなるのです。

インスリンによって分解しきれなかった糖質は、緊急時に使うための予備のバッテリーとして、細胞内に蓄えられることとなります。その正体こそが脂肪であり、この一連の流れこそが肥満になるメカニズムということなのです。

間食の習慣

肥満になる食生活としては、間食の習慣もあげられます。もともと間食は、食事では賄いきれない栄養を補うためのものでした。日本でも近代までは1日2食であったことから、いわゆる「おやつ」を食べる習慣が生まれたのです。

現代人の多くは1日に3食をとるようになっており、それに加えて間食までとった場合、やはり食べ過ぎによって肥満のリスクが高くなるということが言えるのです。

肥満を改善するための食生活

食材

ここまで見てきましたように、さまざまな食生活によって、肥満になるリスクの高くなるということが分かって頂けたことと思います。では、肥満を改善するためには、食生活をどのように変えればよいのでしょう。

バランスよく食べる

肥満を改善するためには、いろいろなものをバランスよく食べるということが重要です。栄養素というのは、それ単体で摂取して効果のあるものではありません。

栄養素について説明するときに、木でできた桶が例として出されます。木でできた桶は、円形の底板の周りに長方形の板を複数枚並べ、箍で閉めることによって水漏れを防ぎます。

そして、栄養素はこの長方形の板1枚1枚のようなものだというのです。どれか1枚が欠けても、中野水は溢れ出してしまいます。つまり、バランスよく栄養素を摂取しないと、ほかの栄養素の効果もなくなってしまうということなのです。

糖質を制限する

先ほどもふれたように、私たちが肥満になる最大のリスクファクターが糖質だということでした。それでなくても現代人は、糖質を過剰摂取する傾向にあるとされています。

糖質制限をおこなう際には、まず1週間自分が何を食べたか、すべて書き出してみましょう。そして、1日当たりの糖質摂取量の平均値を求めます。

肥満の人の場合、現代人の糖質摂取量の平均である、1日に300gをオーバーしていることでしょう。そこで、まずは1日当たりの糖質摂取量を300g以内に収めましょう。

その食生活に慣れてきたら、今度は半分量の150gを目指します。それにもなれたら、さらに70gから130g程度にまで減らしていきます。

その頃にはかなり体重が落ちていると思いますが、糖質制限ダイエットは単に糖質の摂取量を減らして痩せることが目的ではなく、自分にとっての適正な糖質摂取量を知ることが目的です。

ある程度、体重を落とすことに成功したら、今度は体重が増えない糖質摂取量のボーダーラインを探しましょう。糖質は脳や身体のエネルギー源でもあるので、糖質制限を続けることにはデメリットもあるのです。

21時以降は食べない

夜遅い時間に食べると、肥満になるリスクが高くなるということでした。そこで、なるべく21時以降は食事をとらないように心がけましょう。どうしても食事しなければならないときは、野菜や消化によい食べ物を中心にしましょう。

肥満とカロリーとの関係

ハンバーガーと携帯

一般的に、ダイエットというと「摂取カロリーを減らす」ことが重要だとされています。ところで、このカロリーという考え方、いつ頃になって始められたかご存知でしょうか。

カロリー神話の崩壊

食品に含まれているカロリーを算出する方法は、ドイツの医師でもあり衛生学者でもあるマックス・ルブナーという人によって、1883年に考え出されました。

ある食品のカロリーは、その食品を大気中で燃やすときに必要な熱量から、その食品の排泄物を燃やすのに必要な熱量を引いたものだとされています。

よく分からないという方、よく分からなくて大丈夫です。この計算法にはいろいろ突っ込みどころがあるからです。まず、なぜカロリーを計算するのに、実際に食品を燃やす必要があるのでしょう。

大気中で起こる燃焼と、私たちの体内で起こる燃焼には、文字通り温度差があります。人間の体温は上がったところでせいぜい40度です。40度ではいわゆる「燃焼」は起こりませんよね。

また、人間の排泄物(大便)の大半は、腸内細菌によって構成されています。これでは正確なカロリーを算出することなど不可能というよりほかありません。

栄養学がここ10年でも劇的な進化を遂げる中、カロリーの算出法に関しては、100年以上もの間、対して変化がみられないのです。そのため、今頃になって糖質が肥満の原因だということが発見されたという訳なのです。

目安にはなる

カロリーの計算法にはいろいろ問題がありますが、ある程度の目安になることは間違いありません。肥満を改善するには、総摂取カロリーを気にしながら、糖質を制限するとよいでしょう。

肥満の改善に必要なたった3つのこと

白いシャツを着ている女性

世の中にはたくさんのダイエット法があり、実際に効果のあるダイエット法もあれば、全くでたらめな「トンデモ」ダイエット法もあります。では、肥満を改善させるためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。

肥満の改善に必要がたった3つのことは、「食習慣の改善」と「有酸素運動」、そして「筋力の維持」だけです。このことだけ心がけていればそもそも肥満にはなりませんし、肥満になったとしても、改善をすることが可能です。

ところが現実を見てみると、楽をしてダイエットしたい人が多いことから、痩身エステや骨盤矯正、耳つぼや遺伝子ダイエットなど、たいして効果のないダイエット法が幅を利かせています。

ダイエットを成功させるのに重要なことは、「食習慣の改善と運動」だけです。それ以外のものは必要ありません。糖質の摂取量を見直して適度に身体を動かし、筋力を維持すれば、結果は必ず付いてきますよ。

肥満と食生活の密接な関係

肥満と食生活とは、密接な関係にあります。食べすぎもそうですが、糖質を摂りすぎると肥満になるリスクが上昇してしまいます。肥満を改善するためには、糖質の摂取量を減らして適度に身体を動かし、筋力アップとまではいかなくても、ダイエット前の筋力を維持するようにしてくださいね。

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