肥満度の計算が肥満の予防につながる!肥満度とベストサイズ5選

自分の肥満度を測ったことはありますか?今の自分の数字を知ることで、肥満かどうか確認できます。肥満はあらゆる病気のきっかけとなり、健康な身体でいるためには体重のコントロールも重要となってきます。

今回は、自分が肥満なのか確認したい人や肥満の基準を知りたい方に向けて、肥満度の計算方法・身体の各部分のベストサイズなどをご紹介いたします。

肥満とは

太っている人

BMI25以上

太っている状態を肥満といいますが、日本肥満学会がBMI(ボディマスインデックス=肥満指数)という数字で肥満の度合いを定義しています。

BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

で算出されます。肥満度の判定方法は、

  • 18.5未満:低体重
  • 18.5以上25.0未満:標準
  • 25.0以上30.0未満:肥満(1度)
  • 30.0以上35.0未満:肥満(2度)
  • 35.0以上40.0未満:肥満(3度)
  • 40.0以上:肥満(4度)

とされています。BMIは世界共通の計算式ですが、肥満の判断基準は各国でばらつきがあります。上記の通り、BMIが25.0以上になると肥満と判断されます。

高度肥満は35以上

BMIの数字が35を超えると高度肥満となります。成人した日本人全体でBMI35以上の人は0.2~0.3%と欧米に比べると少ないです。世界179か国の女性BMIランキングでいうと、日本人女性は162位とかなり低い方です。やはり世界的にやせ型が多い国であると言えるでしょう。ちなみに肥満の方が多いと言われるアメリカは32位となっています。

BMIが35以上で健康障害があれば肥満症と判断されます。医師や栄養士たち指導のもと運動療法や食事療法を行いますが、それでも減量の効果が見られなければ外科的手術の対象にもなります。

胃を切除して小さくするというもので、肥満の方が多い欧米ではよく行われています。手術するかどうかはいくつかの項目があるので、その項目を満たしており医師が必要と判断されると手術となります。

BMIが35以上で関連する健康障害があれば肥満症という病気として診断されますが、他に発症している症状がなければ高度肥満というだけで治療は不要となります。ただ、食生活や生活習慣には気を付けたほうがいいでしょう。

肥満度

低体重

BMIが18.5未満の場合は低体重つまり痩せすぎと判断されます。肥満はもちろん健康によくありませんが、低体重も健康を害するリスクがあります。若い女性の間ではモデル体重・シンデレラ体重と言ってBMI19程度の体重を理想として、過度な減量に挑戦している方もいらっしゃいます。

20代の日本人女性で、BMIが18.5未満の方は22.5%ほどいると言われています。過度な減量は摂食障害や低体重児を出産するリスクが高まりますので、体重を落としすぎないように管理しましょう。

普通体重

BMIが18.5~25未満の人は普通体重と判断されます。標準体重であり、もっとも病気にかかるリスクが少ない体重です。今の体重をキープするようにしましょう。

肥満1度

BMIが25.0以上30.0未満になると、WHO(世界保健機関)では肥満1度と判断されます。ですが肥満1度は太り気味程度ですので、減量を急がなければいけないほどではありません。

ある大学の研究では、肥満1度の人が最も長生きするとも言われています。お酒の飲みすぎや食べ過ぎに注意する程度でいいでしょう。

肥満2度

BMIが30.0以上35.0未満になると、肥満2度と判断されます。肥満2度は3番目に長生きすると言われていますが、油断せずに生活習慣に気を付けて太りすぎないように気を付けましょう。

肥満3度

BMIが35.0以上40.0未満になると、肥満3度と判断されます。肥満3度からは高肥満となり、高血圧などの疾患を併発している場合は肥満症と判断されて病気扱いになります。

肥満4度

BMIが40.0以上になると、肥満4度と判断されます。肥満4度はBMIの中で最も肥満度が高く、健康を害するリスクも高くなります。

日本には肥満2度と肥満3度の方が最も多く、肥満4度の方は少数派と言えます。自分で減量が難しいと感じる場合は、肥満外来という肥満の方を対象とした外来もありますので相談してみましょう。

様々な病気の原因になる

肥満がなぜいけないかというと、合併症のリスクが上がるからです。特に肥満3度と肥満4度の人は内臓脂肪が多くなりがちですが、内臓脂肪は動脈硬化や脳卒中などの合併症のリスクが高まります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。(関連記事差し込み)

肥満度を計測

大きいお腹

BMIで算出

冒頭でもご紹介した通り、肥満度の測定にはBMIを使うことが多いです。BMIはボディマスインデックスや体格指数とも呼ばれ、身長と体重を元に太っているか痩せているかの度合いを計算できます。

BMIは世界共通の計算方式となっており、1800年代にベルギーの専門家が開発しました。その後1900年代に肥満度を測る式としての有効性が検証されて、広く使われるようになりました。

腹囲で見る

腹囲で肥満度を計算することもあります。女性は、腹囲が90センチ以上(男性は85センチ以下)でメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と判断されます。腹囲とはウエストのくびれた部分ではなく、おへその周りで計算します。

ですが、この腹囲による肥満度の計算は数センチの誤差が出てしまったり、身長が全く考慮されていない点などで一時期問題視されました。ですが、腹囲で計算することは心筋梗塞を発症しやすい人を特定するために有効とされています。

ちなみに女性の方が男性より5センチ大きい理由は、女性の方が皮下脂肪が多く腹囲も大きくなりやすいからです。

標準体重

もっとも病気にかかりにくいため理想体重とも呼ばれます。日本では日本肥満学会によって、BMIの数字が22の場合が標準体重とされています。

ただ、標準体重であっても脂肪の割合が多い隠れ肥満と呼ばれるケースや、筋肉が多いために体重が重くなるケースもあります。あくまでも目安として考えておきましょう。

肥満にまつわるQ&A

叫んでいる女性

肥満だとわかったらどうしたらいいの?

計算した結果肥満だとわかったら、ダイエットによる減量に取り組みましょう。具体的な手段としては、食生活の見直し・継続できる運動を行う・生活習慣を見直すなどが挙げられます。

まずは食生活の見直しです。揚げ物やスナック菓子・菓子パンを食べる習慣があればやめるか、徐々に量を減らすように意識します。高カロリーな食品は避けて、低カロリーで栄養がある野菜中心の食事に変えていきましょう。

ダイエットによる減量の基本は、摂取カロリーより消費カロリーを大きくすることです。そうすることで、溜まった脂肪がエネルギーとして使われて痩せていきます。だからといって1食抜くことは避けて、栄養バランスを考えて1日3食食べるようにします。

1日30分程度の有酸素運動もダイエットに有効です。ウォーキングや水泳など、息が激しく上がらない程度の運動を毎日継続して行いましょう。飲酒やたばこも肥満の原因になりますので、控えるようにします。

肥満度を測ることはなぜ重要なの?

なぜ、わざわざ肥満の度合いを測る必要があるのでしょうか。それは、見た目の問題ではなく健康に影響するからです。肥満になると、病気になるリスクが上がります。

重い体をずっと支えているため関節に負担がかかり、膝や腰に関節障害が起きる可能性もあります。激しく転倒した場合、骨折することだってあります。首の脂肪が気道を圧迫して睡眠時無呼吸症候群になると、突然死のリスクも上がります。

もちろん内臓にも負担をかけます。糖尿病や高血圧・脂質異常症という生活習慣病は肥満と関係があるとされており、複数の症状を発症することでメタボリックシンドロームになるリスクもあります。

肥満はがんなどさまざまな病気を引きおこすリスクが高まります。そのため、健康診断などでは必ず身長や体重・BMIを測り、万病の元である肥満にならないよう指導されるのです。

脂肪吸引で肥満は治る?

脂肪吸引による肥満治療効果は、残念ながらあまり高いとは言えません。専用の機材で脂肪を吸引するため、見た目は細くなります。ですが体重や体脂肪が減ったり、肥満による病気のリスクが解消するわけではありません。

脂肪吸引で除去できるのは皮下脂肪です。内臓についている内臓脂肪は、生活習慣や食生活の見直しを行って地道に努力しなければ、落とすことはできません。

脂肪吸引は手軽な脂肪除去方法として、特に欧米で人気があります。日本でも行う人が増えていますが、BMIが35以下の人は基本的に保険適用外となります。ただ、一度に脂肪を吸引しすぎると皮膚がたるんだり、担当する医師の手腕によって効果にばらつきがあったりといいことばかりではありません。

あくまでも、皮下脂肪を除去して体のラインをきれいにする補助的なダイエットととらえるほうがいいでしょう。

日本にはどのくらい肥満に人がいるの?

厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」によると女性20.6%、男性31.3%となっています。この10年間で、割合に大きな変動は見られていません。骨格も海外の方に比べると小さいので、世界的に見てもやせ型の人が多いです。

様々なベスト美容サイズ

野菜と果物

太もものサイズ

太ももは、脚の付け根の一番太い個所を測ります。メジャーはきつく巻かずに、ぴったりフィットさせるように測りましょう。

太ももの美容ベストサイズは、身長×0.3です。身長が160センチだった場合、

160(センチ)×0.3=48センチ

ちなみに、日本人の平均的な太もものサイズは45センチ~50センチです。

ふくらはぎのサイズ

ふくらはぎは、真ん中より少し上の一番太い個所を測ります。ふくらはぎの美容ベストサイズは、身長×0.2です。身長が160センチだった場合、

160(センチ)×0.2=32センチ

ちなみに、日本人の平均的なふくらはぎのサイズは28センチ~33センチです。

足首のサイズ

足首は、足首の最も細い個所を測ります。足首の美容ベストサイズは、身長×0.12です。身長が160センチだった場合、

160(センチ)×0.12=19.2センチ

ちなみに、日本人の平均的な足首のサイズは18センチ~20センチです。

ウエストのサイズ

気にしている方も多いウエストですが、一番くびれている個所を測りましょう。測るときに深呼吸して、腹筋をリラックスさせます。服の上から測ると正しいサイズがわかりませんので、お肌の上から直接計測します。

ウエストの美容ベストサイズは、身長×0.37~0.39です。身長が160センチだった場合、

160(センチ)×0.37=59.2センチ

0.39で計算すると、160(センチ)×0.39=62.4センチ

サイズ以外にも気を付けてほしいこと

理想のサイズに気を取られ、筋肉をおろそかにしないように気を付けましょう。筋肉は基礎代謝を上げて太りにくい身体を作ったり、体温を保ったりと健康的な身体に大切なものです。

腹筋が衰えると、ウエストサイズは細くても下腹がぽっこりと出てしまいます。お尻の位置も下がってしまうので、適度に運動して筋肉を維持するようにしましょう。

肥満度の計算は現状把握のため必要

いかがでしたでしょうか。肥満度の計算は憂鬱かもしれませんが、自分の現状を把握するために必要です。肥満はあらゆる病気の引き金となるため、注意が必要です。飲酒やたばこなどの生活習慣、食生活、適度な運動など総合的に減量に向けて取り組む必要があります。

BMIやサイズなどの数字はとらわれすぎもいけませんが、ある程度の目安として知っておくことをおすすめします。BMIの値が高く、一人で運動や食事の改善を行うことが難しい場合は肥満外来に相談してみましょう。