「お肌が乾燥しているのに、ふと鏡をみたらニキビができている!」ということはありませんか?仕事が忙しくなると、ついついスキンケアをお休みしてお肌の状態もチェックできなくなるものです。
大人になってからできたニキビは、実は乾燥肌の人ほどできやすいのです。この記事では、乾燥しているのにニキビができる原因や、具体的なスキンケアの方法についてご紹介します。
CONTENTS
乾燥肌のニキビの特徴
ニキビといえば皮脂の多い「オイリー肌」の人にできやすいと思われていますが、大人ニキビは乾燥肌の人こそできやすいのです。
さらに、オイリー肌にできるニキビと乾燥が原因によるニキビは仕組みが違うので、治し方のポイントも変わってきます。
乾燥肌のニキビは思春期のニキビと違う
中高生の時にできるニキビは思春期特有のもので、「皮脂の過剰分泌」が原因です。それに比べて大人の乾燥肌にできるニキビは「大人ニキビ」ともいわれ、「皮膚の乾燥」が原因になっているのです。
主な違いとしては、にきびができる「場所」です。思春期ニキビは皮脂腺が多く、皮脂が多く分泌されるTゾーンに頻発します。それに対して乾燥によるニキビは、ほほやあごといったUゾーンに頻発することが特徴です。
肌質でも変わります。思春期ニキビはお肌がてかりやすい「オイリー肌」を自覚している人がなりやすいですが、乾燥によるニキビは「乾燥肌・混合肌」タイプと自覚している人のほうができやすいです。
違いを簡単に表にするとこうなります。
大人ニキビ | 思春期ニキビ | |
---|---|---|
原因 |
|
|
肌質 | 乾燥肌・混合肌 | オイリー肌 |
場所 | Uゾーン | Tゾーン |
乾燥がニキビの原因になる理由
乾燥肌というのはお肌の表面にある「水分」が減少している状態のことで、水分が減少すると「お肌のバリア機能」も低下してしまいます。お肌の抵抗力が弱まっていると、ニキビの原因となるアクネ菌などの細菌が繁殖するというのが、乾燥によるニキビの原因です。
意外と認識されていないのですが、お肌は「排泄器官」です。私たちの目には見えないですが、日々「ターンオーバー(新陳代謝)」を繰り返すことで皮脂や古い角質といった老廃物をお肌から捨てています。
ですが、お肌が乾燥すると本来持っている機能がうまく動かなくなります。ターンオーバーの機能も衰えるので皮膚の生まれ変わるサイクルがどんどん長くなり、その結果お肌の表面にある「角質層」が分厚くなっていきます。
その蓄積された角質層が毛穴の中でつまることで、ニキビの原因となる細菌が繁殖してニキビができやすくなるのです。ニキビの原因となる「アクネ菌」は酸素を嫌う性質があるので、毛穴がつまるほど繁殖しやすくなります。
乾燥肌のニキビの特徴
キビには、乾燥や皮脂、さらにはお肌の「インナードライ」によるものなどさまざまな原因があります。乾燥によるニキビと見極め得られるポイントを2つご紹介します。
- 普段からお肌が乾燥している
洗顔後すぐに化粧水をつけないとお肌が乾燥してしまう人や、冬は夏のエアコンなど乾燥した場所でお肌の「つっぱり感」を感じる人は乾燥肌の傾向があり、乾燥によるニキビができやすいです。
また、乾燥がひどい人はバリア機能が低下しているので、急にお肌がむずがゆくなったりピリピリしたりすることがあります。この状態になると「乾燥敏感肌」となり、化粧水も刺激に感じてしまうことがあります。
そういう時は乾燥がさらに悪化してニキビもできやすくなっているので、「低刺激」のスキンケアに切り替えるなど注意が必要です。
- Uゾーンにばかりニキビができる
ほほやあご、口元といったUゾーンは、鼻やおでこのTゾーンに比べて皮脂腺が少ないので皮脂の分泌量も少ないです。それなのにUゾーンにニキビができてしまうということは、「皮脂」だけが原因ではないという判断ができます。
乾燥肌のニキビ対策
では、乾燥肌でニキビができやすい人はどう対策していけばいいのか具体的にご紹介していきます。
スキンケアは以下のポイントがありますが、「保湿」してお肌の働きを正常にすることでニキビができにくくする狙いがあります。
乾燥肌のニキビ対策はスキンケアから
まずは、正しいスキンケアをしてお肌に水分を与えてあげる必要があります。そうすることでお肌の「バリア機能」を回復させてニキビを治し、さらにニキビができにくいお肌に導いてあげましょう。
スキンケアアイテムの成分を確認する
お肌の保湿には、以下の成分が有効です。
人の皮膚の保湿に欠かせない成分で、角質の間でお肌の水分を保つ働きをしています。お米などの植物から作ることもできますが、特に乾燥肌におすすめなのは「ヒト型セラミド」という成分です。
ヒトや豚、馬などの「胎盤」から採取できる成分。お肌の保湿や美白に効果があり、ターンオーバーを正常化させる働きがあります。さらに炎症を抑制する効果もあるので、エイジングケアにも有効です。
水分を閉じ込める力が高く、1グラムのヒアルロン酸で6Lもの水分を抱え込むことができます。スキンケアやファンデーション、下地などのベースメイクに配合されていることが多いです。
水分を閉じ込める力がヒアルロン酸の2倍もあります。「高保湿スキンケア」と謳っているスキンケア商品に配合されたりもします。水洗いしても「保水性」は残るので、長い間お肌を保湿してくれます。
上記以外にもグリセリンやスクワラン、コラーゲンなどがお肌の保湿効果がある成分として挙げられます。
洗顔の正しい仕方
乾燥によるニキビに悩んでいる人の多くは、「洗いすぎ」の傾向があります。洗顔のし過ぎはお肌を乾燥させて、ニキビを悪化させる原因にもなります。
まずはクレンジングから見直してみましょう。乾燥ニキビに悩んでいる人の多くは、「オイルクレンジング」をしています。オイルはクレンジングの中でも一番洗浄力が強く、お肌に必要な水分や油分まで落としてしまいます。
オイルは指滑りがいいので、「こすりすぎ」にも気を付けてください。摩擦はお肌に負担をかけ、あらゆる肌トラブルの原因となります。摩擦を避けるために、「ふき取りタイプ」のクレンジングも避けるべきでしょう。
クレンジングなら、「ミルクタイプ」か「ジェルタイプ」の洗浄力の弱いものがおすすめです。私も重度の乾燥敏感肌ですが、ミルクタイプに変えるとずいぶん落ち着きましたよ。
特にクレンジング+洗顔の「W洗顔」をしているなら注意が必要です。下地やファンデーションを使ってしっかりベースメイクしているときは、クレンジングの後に洗顔をすることもあるでしょう。
その時はできる限り濃密な泡を作り、絶対に「指で顔をこする」ことがないように意識しましょう。泡のクッションでお肌を優しく洗い、ぬるま湯でしっかりすすぎます。
お風呂で洗顔する場合でも、すすぎは両手を使って優しく洗ってください。シャワーで一気に顔を洗うほうが効率的と思いがちですが、お肌への刺激が強すぎます。
保湿効果がある化粧水
保湿効果がある化粧水も、たっぷりつけなければ意味がありません。高価な化粧水もいいですが「もったいなくてたっぷり使えない」と感じるくらいなら、プチプラの化粧水をバシャバシャと使ったほうがお肌にいいです。
つけるタイミングは、朝のスキンケアと夜のクレンジング・洗顔後の2回つけます。コットンに含ませる方法や手から直接つける方法がありますが、お肌への摩擦を考えれば「手」のほうがおすすめです。手で化粧水をつける場合は、除菌石鹸で洗って雑菌がない状態で行いましょう。
化粧水の「適量」はその人のお肌や化粧水によって変わりますが、「お肌全体に化粧水が浸透して、しっとりした状態」になるのがその人の適量です。
まずは、化粧水の裏面を見てみてください。「100円玉程度」などと書いていることが多いので、まずはパッケージの指示どおりに試してみます。それから、お肌の状態をみてベストな量を調整するようにしてみてください。
乾燥肌の方におすすめの化粧水は、こちらの記事を参考になさってください。
美容液でよりしっとり
保湿効果の高い美容液を取り入れれば、さらに保湿効果はアップします。実は「美容液」に
明確な定義はなく、化粧品メーカーが「これは美容液です」と指定すれば美容液となります。
位置づけとしては、化粧水と保湿クリームの間に使うことが多いです。ただ、油分の多い美容液なら最後に使うものもあるので、順番は販売員さんやパッケージを確認しましょう。
一般的に美容液は高価であることが多いですが、それには理由があります。「特定の成分が凝縮されている」ためであり、そこには化粧品メーカーの「最新の技術」が使われていることが多いのです。
保湿成分のほかに、ビタミンA・C・Eが含まれている美容液がおすすめです。ビタミンAの1つである「レチノール」は、細胞の新陳代謝を促す働きがあり、シミやしわの治療で使われるくらい美肌づくりに欠かせない成分です。
また、ビタミンCは「美肌成分」として知られていますが、コラーゲンの生成をサポートする働きもあるので、お肌のハリづくりに必要です。ビタミンEはナッツなどの「良質な油」に含まれる成分で、老化から細胞を守る働きがあります。
保湿クリームでしっかり水分を閉じこめる
化粧水と美容液でお肌に水分と栄養を与えたら、最後はクリームで「フタ」をして水分を閉じ込めます。よくあるのが、「暑い時期はべたつくのが嫌だから、化粧水だけ」という間違ったスキンケアです。
化粧水はお肌に水分を与えてくれますが、ふたをしなければお肌の水分と一緒に毛穴から逃げてしまいます。べたつくのが嫌だという場合は、夏の間はジェルなどさっぱりタイプの保湿クリームに変えるのがおすすめです。
保湿クリーム以外でもそうなのですが、乾燥肌の人は保湿成分が配合されている以外に「低刺激」タイプのものがおすすめです。乾燥しているとバリア機能が落ちてしまのは前述しましたが、さらに乾燥がすすむとスキンケアでさえ刺激を感じることがあるからです。
アルコールや保存料、香料や着色料といった添加物がなるべく配合されていない保湿クリームを選ぶようにしましょう。塗っている間にヒリヒリしてきたら、お肌が刺激を感じている合図です。症状が落ち着く間は、お肌が痛くならないような低刺激のクリームを使ってください。
ホルモンバランスを安定させる
生理前やストレスでニキビができることってありませんか?その場合は、ホルモンバランスが乱れているのでニキビができやすいのです。
生理前は女性ホルモンのバランスが崩れやすいですし、ストレスが大きい人は「男性ホルモン」が多く分泌されることでホルモンバランスを崩してしまうのです。
乾燥によるニキビができやすいUゾーンは、実は男性ホルモンの影響を受けやすいところです。ニキビに悩んでいる人の血液検査をすると、男性ホルモンが多く分泌されていたという結果もあるほどです。女性にも男性ホルモンがあり、「ひげの生える部分」(=Uゾーン)に影響を与えています。
「ホルモンバランスの乱れ」とはよく聞く言葉ですが、具体的にどう対策したらいいかよくわからないですよね?
まず挙げられるのは、「ストレス解消法を見つける」ことです。軽い運動や半身浴で汗を流すのもおすすめです。
人はストレスを感じると対抗するために「アドレナリン」を分泌するのですが、その時に男性ホルモンも一緒に分泌する習性があります。男性ホルモンが増えると、皮脂の量も増えて角質が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなることでニキビができてしまうのです。
生理前はどうしても女性ホルモンのバランスが崩れるので、ニキビはある程度仕方がありません。ですが、皮脂量を増やす甘いものや脂っこいものを控えるなど「食事の内容」に気を付けることで、軽減することはできます。
生活習慣を見直す
ストレスを軽減してホルモンバランスを安定させるほかにも、生活習慣を全体的に見直す必要があります。具体的には、
- 睡眠をしっかりとる。夜は10時~0時までにベッドに入る
- ビタミンやミネラル、たんぱく質といった栄養をしっかり摂る
- アルコールや喫煙を控える
などがあります。つまり、ニキビを根本的に解決したいなら、体全体を健康にすることでトータルケアするほかないのです。
ニキビをつぶしてはNG
ニキビができて白っぽい膿が溜まると、鏡をのぞいては「つぶしたい!」と思いませんか?私も何度かつぶしましたが、そのほとんどが「ニキビ跡」として顔に残ってしまいました。
「つぶしていいニキビもある」などと言われますが、それを素人が判断するのは失敗のもとです。クレーターとして永遠に肌に残さないためには、「毛穴をふさがない」「清潔に保つ」ことが鉄則です。
メイクもなるべくしないほうがいいですが、仕事上すっぴんがマナー違反になる人もいます。そういう場合もなるべくコンシーラーや下地で毛穴をふさがずに、お肌に優しいミネラルパウダーなどを優しくはたいてお肌の色を均一にする程度にしておきましょう。