「歯のブリーチング」をご存知でしょうか。歯を漂白して白くすることを「ブリーチング」といって、「ホワイトニング」と似た意味を持ちます。歯の汚れを除去して本来の白さを手に入れる「クリーニング」とは異なります。
せっかく歯を白くするなら、「自然に白い歯」ではなく「輝く白い歯」(ブリーチ色)を手に入れませんか?今回は、「歯を輝くような白さにしたい!」という方のために、必要な予算、施術してくれる場所などをご紹介いたします。」(自然な白さの歯を求められる方は、ご覧にならないでください。)
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あなたの歯はどんな白さ?歯の色が測れる「VITA社のシェードガイド」とは
あなたの歯は何色ですか?みなさん「白色」ですが、どんな白さかは表現しにくいですよね。
実は、あなたのその歯の白さを測れるように、歯医者さんには「シェードガイド」という、歯の色を測るカラーガイド(色見本)があります。これは、歯のホワイトニングやブリーチングを行う時以外にも使われます。
虫歯の治療をしたとき、歯に詰め物をしたことはありませんか?その時も、この「シェードガイド」であなたの歯の色を測り、詰め物の色があなたの歯になじむように調整してくれるのです。
最も使われているのが、ドイツ「VITA社」のシェードガイドです。白さは以下の16段階で表現されます。
B1、A1、B2、D2、A2、C1、C2、D4、A3、D3、B3、A3.5、B4、C3、A4、C4
右に行くほど、明度が低く黄色くなります。
数字のほかに、「A,B,C,D」の4つのアルファベットがついています。これは、白さの「色調」の違いを表現しているのです。
A:赤みを帯びた茶色
B:赤みを帯びた黄色
C:グレーがかった色。
D:赤みを帯びたグレー
となっています。
実は黄色い日本人の歯!白さの平均は「A3」
歯のブリーチングをする前に、「今の自分の歯はどんなだろう」と気になりますよね。実際にはシェードガイドを当ててみないとわかりませんが、日本人の平均は「A3~A3.5」と言われています。
実際のシェードガイドを見てみると、かなり黄色いことがわかります。ちなみにアメリカ人の平均の白さは「A2~2.5」となっており、日本人の歯より白いと言われています。
歯磨きのせいじゃない!?私たち日本人の歯が黄色い理由
では、なぜアメリカ人に比べてなぜ私たち日本人の歯は黄色いのでしょうか。
アメリカは日本に比べてデンタルケアの意識が高いということもありますが、主な理由は以下の2つによる「歯の特徴の違い」が大きく影響しています。
日本人の歯は「エナメル質」が薄い
歯は、外側から「エナメル質」「象牙質」「歯の神経」の主に3つで構成されていますが、この「象牙質」がもともと黄色をしています。
日本人の歯は「エナメル質」が元々薄いため、この黄色い「象牙質」の色が透けて見えてしまっています。
アメリカ人の歯は「象牙質」の色が元々薄い
「象牙質が元々黄色い」とお伝えしましたが、実はアメリカ人などの白人の方たちの歯は、この象牙質の黄色も元々薄い傾向にあります。そのため、エナメル質が薄くなって象牙質が透けてきたとしても、日本人ほど黄色みが強くならないのです。
そのほかにも、ワインやカレーなど色の濃いものを食べたことによる歯の表面の着色汚れ(=ステイン)も影響しています。
歯の白さについて
自分で白さを実感するには何番を目指せばいいの?
シェードガイドによる歯の白さの違いはわかりましたが、実際に歯のブリーチングをするならどの白さを目指せばいいのでしょうか。
一般的には、「A1」「B1」が「私の歯は白くなったな」と実感できる白さと言われていますので、まずは「A1」や「B1」を目指しましょう。日本人の歯の色の平均が「A3」~「A3.5」ですので、2トーン明るくなったことになります。
輝く白さが欲しい!周りから白いと褒められるブリーチ色とは
では次に、「輝くような白い歯」(ブリーチ色)にするには何番を目指せばいいのでしょうか。実は、先ほどご紹介した「VITA社」のシェードガイドには、さらに明度の高い白色が存在します。
「B1」「A1」より明るい、「MO0」「MO1」「MO2」「MO3」という段階がその明度の高い白色に当たります。
この「B1」より白い色は「ブリーチ色」又は「ホワイトニングシェード」と呼ばれることもありますが、歯を掃除するクリーニングやセルフホワイトニングでここまで白くすることは非常に困難です。
このブリーチ色まで白くしたい場合は、「ホワイトニング」や「ブリーチング」を行い、「歯を漂白して白くする」方法にしなければ手に入れることはできません。
ここまで白くすれば、周りからも「とても歯が白い人」「歯を手入れしてる人」という印象を与えられるでしょう。
歯が白いだけでたくさんのメリットがある
そもそも、なぜこんなに歯の白さにこだわる人が増えているのでしょうか。それは、歯を白くすることで以下のようなメリットがあるからです。
歯をブリーチングすると「若見え効果」が絶大!
海外の調査では、歯が白いと「実年齢より5歳ほど若く見られた」という結果もあります。歯が黄色いとそれだけで老けて見られてしまうのですね。
歯をブリーチングすると「清潔感」が出る!
「歯の白さ」とは、歯磨きやケアを怠っていては手に入りません。こまめに歯を磨くだけではなく、歯石や歯の表面の着色汚れも定期的に行い手間をかけることで白さを保つことができます。
「歯が白い」という事は、それだけ「歯のケアに力を入れている」=「清潔に保っている」という印象を与えられます。パッと見た瞬間にそのような印象を与えることができるので第一印象も良好です。
歯をブリーチングすると「自信をもって」笑顔になれる!
歯の白さだけではなく、歯並びやほかの理由で口元にコンプレックスを持っていると「自然に歯を見せて笑う」ことが難しくなりますよね?「私の歯って、人より黄色いな」というコンプレックスで自信をなくしてしまうと、人と話すことも嫌になってしまいます。
歯をブリーチ色にするには?
デュアルブリーチングで徹底的に白くする
歯のブリーチングには、「オフィスブリーチング」という歯医者さんで行ってもらう方法と、「ホームブリーチング」といって歯医者さん指導のもと、自宅で行う方法があります。この両方を行うことを「デュアルブリーチング」といって、最も漂白効果が高い方法です。
ブリーチ色まで白くしたいなら、「デュアルブリーチング」を行いましょう。一般の歯科医院でも行っているところはありますしより専門性の高いホワイトニング専門歯科医院であれば必ず行っています。
最初の2~3ヶ月はホームブリーチングを継続すべし
ホームブリーチングは歯医者さん指導のもとで行いますが、最初の1か月~2か月は必ず継続して行うようにしましょう。
ホームブリーチングはオフィスブリーチングよりも漂白効果が低い薬剤を使用するため、継続しなければブリーチング効果を得られません。そのため、可能な限り毎日行うことをおすすめします。
効果がないのは絶対いや!ブリーチ色を保証しているサロンなら安心
ブリーチングを行ってくれる歯医者さんなどを探していると、「結果は個人差があります」という言葉をよくみかけますよね?せっかく費用を掛けてブリーチングをしたのに「私の歯はあまり白くならなかった」という結果になってしまうとショックです。
そんな方のために、今は「白さを保証してくれる」という歯医者さんやサロンが増えています。シェードガイドで言う「B1」以上に白くならなければ、かかった費用から材料費を差し引いた金額を返金してくれる制度で、確実に白くしたい方にはおすすめです。
気になる費用は?
歯のブリーチングは自由診療といって、歯医者さんが自由に金額を決めていいためばらつきがあります。気になる歯医者さんがあれば、必ず費用を見比べてみましょう。
オフィスブリーチング
1万5千円~7万円程度(薬を塗る回数や時間などでばらつきあり)
基本料金(1万円~3万5千円)
ホームブリーチング
3万円~5万円程度
(ブリーチング剤を追加購入することもある。価格はおよそ3000円~4000円)
デュアルブリーチング
7万円~10万円程度
どこでしてもらえるの?
基本的には歯医者さんで行います。一般の歯医者さんでもブリーチングをしているところであれば行えますしより専門性の高いホワイトニングを専門に行っているところがあります。くれぐれもセルフホワイトニングとはお間違えのないようにご注意下さい。
ブリーチングは「過酸化水素」「過酸化尿素」などの薬剤を使用して漂白しますが、この薬剤は医師免許を持った人もしくは、医師の指導を受けている歯科衛生士の方しか行うことしかできず、医師免許を持った人がいないサロンなどで行うことは禁止されています。
余談ですが、治療目的であなたの口の中に触っていいのも医師免許を持った人か、医師の指導を受けている歯科衛生士だけなのです。
歯をブリーチ色にするコツ
ホームホワイトニングの前の歯磨きは必須
「ホームブリーチング」を行う場合、必ず行う直前に歯磨きをしましょう。「薬剤が表面の汚れも分解するから磨かなくていいだろう」なんて思っていては十分なブリーチング効果が得られません。主な理由は以下の2点です。
薬剤が歯に浸透しない
歯を磨かないと、歯の表面に汚れが付着しています。その汚れが邪魔してしまい、せっかくのブリーチング剤が歯に浸透しないのです。
歯に色ムラが出る
歯の表面の汚れによって、均等にブリーチング剤が歯に浸透せずまれに色ムラを起こすことがあります。
期間を開けすぎない
前述したとおり、ホームブリーチングはオフィスブリーチングに比べて漂白効果の低い薬剤を使用します。そのため、毎日ブリーチングすることで「ゆっくりと確実に」ブリーチング効果を得ていく必要があります。
毎日行ってもゆっくりとしか効果が表れないため、期間を開けすぎてしまうとさらに時間がかかってしまいます。オフィスブリーチングに比べて毎日数時間マウスピースを装着しなければなりませんし、忙しいときには大変かもしれません。ですが、早くブリーチングの効果を感じるためにも、せめてブリーチングを始めた最初の1か月~2か月だけは毎日行うことを意識して行うようにしましょう。
クリーニングも一緒に行い着色汚れも落とす!
ブリーチ色まで歯を白くしたいなら、歯のクリーニングも一緒に行うことをおすすめします。歯が黄色くなる理由は前述したとおり様々な理由があり、歯の表面についている着色汚れ(ステイン)も影響しています。
たばこを吸ったりワインを飲んだりしなくても、お醤油、カレー、コーヒーなど歯の着色汚れになる食品はたくさんあります。日ごろの食事により、私たちの歯は知らず知らずの間にこのような着色汚れをため込んでいるのです。
自分の歯は毎日見ているため変化に気づきにくいですが、クリーニングをして歯の表面の色素汚れを落とすだけでも「歯が白くなった!」と実感する方も多くいらっしゃいます。
さらに歯に歯石やステインが元々ついているとブリーチングに影響しますので歯のブリーチングによる漂白効果と、歯の表面のクリーニングによる歯石・色素汚れの除去によってより一層「輝く白い歯」が手に入ります。
あなたは大丈夫?白くなりにくい歯も存在する
抗生物質の影響を受けた「テトラサイクリン歯」
「テトラサイクリン歯」とは「テトラサイクリン系抗生物質」の名前からその名がつけられています。昭和40年代に、マイコプラズマ肺炎や百日咳の特効薬として使用されてきたのですが、この「テトラサイクリン系抗生物質」を、お母さんのお腹にいる時か、幼少期にたくさん体内に取り入れられることによって歯のカルシウムと結びつき、象牙質の色が濃くなってしまった歯の事を言います。
この場合も色の濃さに個人差はありますが、非常に黄色みが濃い人の場合は歯に縞模様がつくこともあります。軽度の場合ブリーチング効果は通常の歯と同様に感じられますが、この縞模様がつくくらい濃くなった歯の場合は、ほかの歯に比べて白くなりにくいと言われています。
ただ、「白くなりにくい」というだけで全く効果が出ないわけではありません。今回ご紹介した「デュアルブリーチング」はブリーチング効果が非常に高いので、ブリーチ色まで白くなっている例もたくさんあります。
年齢を重ねて黄ばみが濃くなっている歯
加齢によって黄色くなった歯も、白くなりにくいと言われています。そのため、ブリーチングを行うことで若く見える効果があるのですね。年を取るごとに歯の内部にある「象牙質」の黄色が濃くなっていくため、だんだんと黄色くなります。
加えて、歯の表面にある「エナメル質」も薄くなってきますので、余計に象牙質の濃い黄色が透けやすくなってしまうのです。この場合もテトラサイクリン歯同様デュアルブリーチングを行うことで、白くなる効果は期待できます。
神経を抜いた歯の黒ずみは「ウォーキングブリーチ」で白くなる!
あなたの歯の中に、神経を抜いてしまった歯はありませんか?けがや重度の虫歯で神経が死んでしまうことによる「黒ずみ」が発生する場合があります。
これは歯の内部の黒ずみが原因なので、残念ながら通常のホワイトニングで白くすることはできません。このように神経が死んでしまった歯を白くできるのが、「ウォーキングブリーチ」という方法です。
ウォーキングブリーチは、神経を抜いてしまった「歯髄」という歯の内部の黒ずみをブリーチングしていく必要があるため、まずは歯の内部にブリーチング剤を入れてふたをします。数週間後、歯が白くなったらふたを取って歯の中に入れたブリーチング剤を取り除き、穴をふさいで終了です。
ホワイトニングしながら歩ける方法なので、「ウォーキングブリーチ」と呼ばれます。昔は保険が適用されていましたが、現在では保険は適用されません。
ブリーチングで輝く歯を手に入れましょう!
いかがでしたか?今回は、自然な白さではなく「輝く白い歯」を手に入れる方法をご紹介いたしました。加齢や着色汚れなどで、私たちの歯は年々黄色くなってしまいます。
日本は他の先進国に比べてデンタルケアに疎いと言われつづけてきましたが、近年ホワイトニングやブリーチング専門店も新たにできており年々意識が高まってきています。歯もお肌と同じようにケアをしてあげると、見違えるほど白くなっていきます。
輝く白い歯を手に入れて、自信を持って笑顔で人とお話ししたいものですね。この記事が参考になれば幸いです。