アメリカではあたり前のようにおこなわれているホワイトニングですが、日本でも芸能人やモデルさんなど、ホワイトニングをする人が増えてきています。
ホワイトニングに興味がある人にとって、知りたいことの1つが料金についてではないでしょうか。今回の記事では、ホワイトニングの種類や効果および、その料金相場について紹介していきたいと思います。
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ホワイトニングの料金について
ホワイトニングの種類や効果について説明する前に、まずはホワイトニングの料金設定の仕方について知っておきましょう。なぜ病院やクリニックによって値段がまちまちなのでしょうか。
自由診療のため自由に決められる
ホワイトニングのように歯をキレイにすることを「審美目的の施術」などと言います。虫歯や歯周病の治療とは異なり、歯を「美しく見せる」ための治療だからです。
日本では国民皆保険制となっているため、病気やけがなどに対しては保険が適用されます。そのため、治療費の大部分が保険によって負担されることとなっています。また、交通事故などが原因で怪我をした場合、医療保険が適用されることもあります。
ところが、歯をキレイにするというのは、身体にとって絶対に必要なことではありません。これに関しては、美容整形や男性型脱毛症の治療についても同じことが言えます。
美容整形の現場では、顔をキレイに見せるためにまぶたを二重にしたり、あごの骨や頬の骨を削って顔を小さくしたりしますが、これも審美目的でおこなうものであることから、保険が適用されることはありません。
男性にとっては深刻な悩みである男性型脱毛症も、病気やけがという訳ではないため、やはり保険が適用されません。薬代も病院やクリニックの言い値ということになります。
ホワイトニングも同様で、病気やけがの治療という訳ではないので、自由診療ということになります。自由診療というのは、簡単にいうと治療費が全額自己負担ということです。
一般的に病院にいった場合、初診料や検査料、処方箋料や手数料などがかかりますが、病気やけがなどの場合は、そのうちの1割から3割程度を負担するだけで済みます。
ところが、審美目的の歯のホワイトニングの場合、初診料や検査料、処方箋料や手数料などがすべて、全額自己負担ということになります。
自由診療である美容整形や男性型脱毛症の治療、歯のホワイトニングなどが、一般的な病気やけがの治療に比べて高額であるのはそのためです。
ホワイトニングの種類により変わってくる
ホワイトニングの料金が病院やクリニックによって異なるのは、先に述べたように、言い方は悪いですが施術代が病院やクリニック側の言い値だからです。
ただ、もう1つの理由として、ホワイトニングの種類によって料金が異なるということがあげられます。一口にホワイトニングと言っても、病院やクリニックでおこなうホワイトングや自宅でおこなうホワイトニングなど、たくさんの種類があります。
病院やクリニックでホワイトニングをおこなう場合は、自分でおこなう場合よりも料金が高くなるのが一般的です。あたり前ですが病院やクリニック側も、薬や機械代に加え家賃や人件費を払わなければならないので、その分だけ料金が上乗せされるわけです。
後で詳しく説明しますが、セルフホワイトニング専門のサロンに行って、自分でホワイトニングをするという方法もあります。その場合、病院やクリニックと比べて、施術代を安く上げることが可能となっています。
2ホワイトニングの種類と相場
ホワイトニングの料金が、なぜ病院やクリニックによってまちまちなのかについては理解して頂けたことと思います。それでは次に、ホワイトニングにはどのような種類があるのか、また、料金相場はどうなっているのかについて見ていきましょう。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは「デンタルオフィス=歯科医院」でおこなうホワイトニングのことを言います。
歯科医院でホワイトニングをおこなう場合、一般的に過酸化水素の配合されたホワイトニング剤を用いて歯を白くしていくこととなります。
その他のホワイトニングにも共通している点が多いので(セルフホワイトニングを除く)、簡単にオフィスホワイトニングの流れについて説明しておきたいと思います。
オフィスホワイトニングをおこなう場合、原則として最初に問診、および歯の診察を受けることとなります。まずは、ホワイトニングが可能な歯であるかどうかを調べる訳です。
その際、ひどい虫歯や歯周病が発見されれば、そちらの治療を優先的におこなうこととなります。虫歯や歯周病の治療は、保険が適用されるため、通常の歯科医院と同じく1割から3割負担となります。
虫歯や歯周病がない場合や、治療を終えた場合、ホワイトニングが可能となります。ただし、無カタラーゼ症などの疾患を持っている人はホワイトニングができませんし、妊婦さんや授乳中の女性もホワイトニングが推奨されていません。
実際にホワイトニングをおこなう際には、過酸化水素を配合したホワイトニング剤を歯に塗布し、特殊なライトを照射することとなります。
歯の表面のエナメル質はほぼ無機質ですが少量の有機質の中に着色物(色素)があります。
過酸化水素(H2O2)は施術の過程で水素(H)とヒドロペルオキシド(HO2)とに分解されます。ヒドロペルオキシドは化学的に不安定な構造となっているため、歯の表面にある着色物質にくっつこうとします。
そうすることで、歯の表面にある着色物質が無色透明化されるという訳なのです。簡単言うと、選択のときに漂白剤を用いて、洗濯物を白くするのと同じことです。
ただ、これだけの説明だとホワイトニングとは歯を漂泊することだと誤解されるかもしれません。実は、歯のホワイトニングは歯を漂泊するだけでなく、歯の表面の構造を変化させることを目的としているのです。
これについて理解するためには、歯の構造について知っておく必要があります。私たちがよくいうところの「歯」はごく簡単に説明すると、エナメル質と象牙質、そして歯髄(いわゆる歯の神経)から成っています。
一般的にエナメル質は透明感のある白色をしており、象牙質は黄色がかった色をしています。そして、過酸化水素がアプローチするのは、歯のもっとも表面にあるエナメル質なのです。
ただ、過酸化水素の働きによって歯の表面を無色透明にするだけでは、中にある象牙質の黄色が目立ってしまうこととなります。そこで、歯の表面の構造を変化させることが必要となるのです。
過酸化水素には歯の表面の着色物質を取り除くだけでなく、エナメル質の構造を変化させる働きがあります。簡単に説明すると、歯の表面を曇りガラスのようにして光を乱反射させることによって、歯を白く見せることが可能となるのです。
理科の授業で習ったことがあるかも知れませんが、すべての色を吸収するものは黒く見え、すべての色を反射するものは白く見えるという訳です。これが、ホワイトニングによって歯が白くなるメカニズムという訳なのです。
オフィスホワイトニングの料金は病院やクリニックによってまちまちなのですが、1回あたりの施術料金が15,000円から50,000円程度となっています。
どの程度まで歯を白くするのか、また何本の歯を白くするのかなどによって料金が異なってくるため、このように料金の上下幅が大きくなっているのです。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングはその名の通り、自宅でおこなうホワイトニングのことを意味していますが、ただ、自分で勝手にホワイトニングをおこなうという訳ではありません。
やはり最初に歯科医院やクリニックでホワイトニングが可能かどうかの診察をおこないます。その後、ホームホワイトニング専用のマウスピースを作ることとなります。
なぜなら、ホームホワイトニングをおこなう際には、専用のマウスピースにホワイトニング剤を塗布して、歯に装着することで歯を白くしていくからです。
そのため、その人その人に合った形のマウスピースを作成する必要があるのです。歯の形や大きさ、歯並びは人それぞれなので、ピッタリと合うマウスピースでないと、ホワイトニング剤が漏れてしまうからです。
実際のホームホワイトニングの流れは、先にも述べたようにホワイトニング剤を専用のマウスピースに塗布し、それを歯に装着するということになります。マウスピースを装着する時間はホワイトニング剤の濃度によって異なりますが、一般的には1時間程度だということです。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングとの違いは、ホワイトニングの仕方の違いもありますが、その効果や持続期間の違いもあります。
オフィスホワイトニングの特徴は、1度の施術である程度の白さを実現できるという点にあります。また、医師や歯科衛生士の人がおこなってくれるので、安全に施術をおこなうことができるというメリットもあります。
ただ、オフィスホワイトニングはある程度の回数の施術を受けないと、効果が持続しないというデメリットもあります。ちゃんと施術を受ければ、半年から1年ほど効果が持続するということです。
ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングと異なり、即効性がないというデメリットがあります。ただ、着実に歯を白くすることが可能であるため、いったん歯が白くなった場合、その効果は長持ちするというメリットがあります。
あと、ホームホワイトニングをおこなう場合、いったん専用のマウスピースを作りさえすれば、あとはホワイトニング剤を追加購入するだけで済みます。その分、オフィスホワイトニングよりも安価に済ませることが可能となっています。
ホームホワイトニングの相場は、15,000円から25,000円ほどとなっていますが、追加購入するホワイトニング剤は1,500円から2,500円程度となっているため、長い目で見るとオフィスホワイトニングよりもかなり安く済ませることが可能です。
デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングは、簡単に言うとオフィスホワイトニングとホームホワイトニングとをあわせておこなうホワイトニング法のことです。
オフィスホワイトニングの弱点である持続期間の短さをホームホワイトニングの長所で補完し、ホームホワイトニングの弱点である即効性のなさを、オフィスホワイトニングの長所で保管するというメリットがあります。
ただ、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングとを合わせた料金が必要となるため、ホワイトニングの中ではもっとも高額となります。
ただ、歯をしっかりと白くする初期投資と割り切って、あとは自分でケアをちゃんとすれば、その他のホワイトニングの料金と大差ないと言えるかもしれません。
セルフホワイトニング
セルフホワイトニングは自分でおこなうホワイトニングなのですが、ホームホワイトニングと異なる点は、ホワイトニング専門のサロンに出向いて、自分でホワイトニングをするという点です。
また、セルフホワイトニングは医師や歯科衛生士がおこなうホワイトニングではないため、医薬品である過酸化水素を配合したホワイトニング剤を用いることができません。
一般的には食品添加物や化粧品として使われるポリリン酸を配合したホワイトニング剤を用いることとなりますが、ポリリン酸には歯の表面の汚れをとる効果しかありません。
そのため、歯の表面が汚れている人には効果的な方法ですが、歯そのものが変色してしまっている場合にはあまり効果がありません。
セルフホワイトニングの料金相場もまちまちで、1回あたり2,000円から4,000円、中には7,000円ほどするお店もあります。
ホワイトニングを選ぶポイント
ホワイトニングと言ってもいろいろな方法がありますが、その中からどのホワイトニングを選べばよいのでしょうか。
キャンペーンを探す
ホワイトニングを選ぶ方法の1つとして、キャンペーンに乗じて施術を受けるという方法があります。なぜ歯科医院でホワイトニングをおこなうようになったかというと、虫歯や歯周病の治療だけでは儲からなくなってきているからです。
そのため、歯科医院の密集している場所では、ホワイトニングに関して価格競争が起こっています。ホワイトニングに興味がある場合複数の歯科医院のホームページをチェックし、キャンペーン価格で安く施術が受けられないか確認してみるとよいでしょう。
どのくらい白くなりたいか?
ホワイトニングを選ぶポイントとしては、どれくらい歯を白くしたいかという点もあげられます。歯の汚れをとる程度であればセルフホワイトニングでも十分ですし、芸能人のように歯を白くしたいというのであれば、最初からデュアルホワイトニングを選択するという手もあります。
ホワイトニングは料金で決めない!
ホワイトニングの種類と料金相場について見てきましたが、いかがだったでしょうか。効果が高ければ料金も高く、効果がそれほどでもなければ料金もそれなりという感じですね。
歯そのものをしっかりと白くしたいな場合は、「安物買いの銭失い」とならないよう、はじめから歯科医院でちゃんとした施術を受けるのが賢明だといえそうです。