一緒に寝ている相手の寝息が臭かったら大切な睡眠の時間が辛い時間に変わってしまいますよね。実は寝ている時の口臭には原因があります。それを改善できれば必ず寝息も改善するはずです。寝室に充満してしまう悪臭とサヨナラしたいアナタ、これで快眠が得られるはずです。
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寝ている時の口の中の状態
朝、目を覚ますと、何となく口がネバネバしていたり、臭いを感じたりすることってありますよね。実はこれには、さまざまな原因があるんです。
まず、睡眠中には唾液の量が減少します。そのため、口内の細菌が繁殖してしまうのです。そのうえ、口呼吸をしている方は、唾液の量がさらに減少してしまうため、口内環境がさらに悪化してしまいます。それぞれ細かく見てみましょう。
唾液の分泌の低下
眠っている間になぜ唾液が減ってしまうのでしょうか。唾液は、食べ物を飲み込んだり、おしゃべりをしたりする際、口内が乾かないように分泌されます。したがって、睡眠中、食べたりしゃべったりすることのない間は分泌が減るということになります。
また、いびきなどで寝ている間に口で呼吸してしまう方も口の中が乾燥してしまう大きな要因になります。唾液の分泌が減る睡眠中はひとつ問題があります。それは細菌が繁殖するということです。
細菌の増殖
口内には1000~2000億個の細菌が生息していると言われています。その中には、口内のバランスを保つ常在菌である善玉菌もいますが、歯周病や虫歯を引き起こす悪玉菌も潜んでいます。寝起きに口内がネバネバしているのは、菌の繁殖によるもの。唾液が減り、善玉菌が減って口内環境のバランスが崩れているためです。
この状態は自然なことですが、悪玉菌が増えて免疫力が低下すると、歯周病や虫歯などになる可能性があります。悪化させないようにするためには、口呼吸などで口の乾燥を促さないようにすることです。
口呼吸をしているとさらに悪化
唾液は天然の殺菌成分で、口内の細菌の働きを抑える働きがあります。このため、唾液の分泌が減る睡眠中は細菌が増殖します。ここまでは自然なことですが、さらに、口呼吸で睡眠していると、口内の唾液は蒸発され、さらに口内が乾燥します。
このため、口内はより口臭になりやすい環境となり、その結果、寝起きの口臭へとつながるのです。
寝息が臭い口の中以外の原因
これまで見てきましたように、寝息が臭い原因は、唾液の減少、それによる細菌の増殖、さらに口呼吸で口内環境を悪化していることにあります。でも、実はそれだけではありません。寝る前に食べたり飲んだりしたものが原因の場合のほか、何らかの病気の可能性も否定できないわけではありません。どのようなことなのか、詳細を見てみたいと思います。
お酒やにんにくを飲食した後
口臭の原因となる食べ物があります。飲み物ではアルコール、食べ物ではニンニク、ニラ、キムチ、納豆、チーズなど。
納豆やチーズは、それ自体に強い臭いがあるため、食後、口臭が起こりますが、唾液の浄化作用などによって通常、口臭は消えてしまいます。
ところが、ニンニク、ニラ、キムチなどは、体内で臭いのある成分に変化するため、消化された後も臭いが残ることがあります。翌日にも臭いが残ることがあるため、こうした食べ物を食べた日の翌朝、口臭が強くなっていることがあります。夜、口臭の原因となる飲食物を取らないようにすることで、口臭が起こらなくなります。
なお、ニンニクの臭い消しとして、牛乳がよく知られています。また、レモンや梅干しは、唾液分泌を促す働きがあるため、口臭予防にも効果が見られます。口臭の原因となる食べ物を食べた後、意識して摂るようにすると口臭が起こらなくなりますよ。
内臓系の疾患
さほど多いわけではありませんが、内臓が原因で口臭が起こることがあります。この場合、病気のサインですので、すぐに医療機関に相談するべきです。内臓系の疾患には、胃腸の疾患、肝臓疾患、糖尿病、ガンなどがあります。
腸の調子が悪くなると、口臭のほか、舌が白くなることもあります。また、肝臓の機能が衰えると、口内がカビ臭くなるほか、アンモニア臭が起こることがあります。糖尿病の場合、独特の酸っぱい臭いが発生するのが特徴です。また、ガンの場合、とくに胃ガンでは卵の腐った臭いがすると言われています。
いままで感じたことのない臭いが起こったら要注意。悩んでいないで、すぐに医療機関に相談するようにしましょう。これらの場合は口臭以外にも何かサインがある場合が多いです。
寝息の臭いがひどい場合は
一緒に寝ている相手の寝息の臭いがひどい場合、病気の可能性があります。もしかしたら歯周病かもしれません。あるいは、口内の清掃が十分ではないからかもしれません。
歯周病とは口内の病気のひとつです。よく耳にしますが、実はよくわからないという方も多いのではないでしょうか。また、口内の清掃が不十分と言われても、何のことだかピンと来ないという方もいらっしゃるかもしれません。それぞれ具体的にはどのようなことなのか見てみたいと思います。
歯周病に罹患しているかも
歯周病とは、細菌による感染で起こる炎症性疾患のこと。主な症状として、歯茎が赤く腫れあがるほか、ひどい口臭を放ちます。歯磨きをすると出血することもあります。初期には痛みはありませんが、進行すると痛みも出てきます。
歯周病の原因はいろいろありますが、歯垢に細菌が感染したことがきっかけとなることが多いようです。放っておくと歯が抜け落ちてくることもありますので、すぐに歯科医院で相談するようにしましょう。
口腔清掃不良
オーラルケアは、虫歯や歯周病などの予防目的として、歯の表面などに堆積している歯垢、歯石などを除去すること。一般的には、市販されている歯ブラシで歯を磨くことですが、歯科医院などで歯垢や歯石を除去してもらうこともオーラルケアの一環です。
こうした日常的な歯の清掃をしっかりと行っていないと、口臭が起こるだけではなく、虫歯や歯周病などの歯のトラブルを引き起こすことになります。食後の歯磨きを忘れずに行うと同時に、歯垢や歯石も定期的に取ってもらうことで、歯のトラブルを予防することにもつながります。
根本的に改善するには?
口臭の原因は複雑。ですから、何が原因なのかを見つけることは非常に難しく、場合によっては原因がわからないということもあります。でも、日頃から丁寧に口内をケアし、気になる方は専門家に相談することで、多くの場合、改善されます。善は急げ!です。お近くの歯科医や、口臭を専門とした口臭外来の門をたたいてみましょう。
歯医者を受診する
歯周病や虫歯があれば口臭が起こります。この場合、歯科医院で治療を受けるべきです。治療されると口臭も収まります。
忘れてはならないことは、歯周病や虫歯にならないように予防すること。日頃から歯磨きをおろそかにしないようにして、こうした歯のトラブルによる口臭が起こらないように心がけたいですね。
より明確にするには口臭外来
一般的な歯科医院の中で、特定の日時に開いていることの多い口臭外来。口臭の治療を行う専門の窓口です。問診をはじめ、さまざまな検査を行い、治療方法が決定されます。
ただし、歯の治療以外では保険が適用されません。念のため、治療方法とともに、予算も相談しておくようにしましょう。
普段からケアをしましょう
そうですね、日頃から口内のケアをするように心がけることは大切です。ただし、正しい歯の磨き方をしないと、せっかく歯をキレイにしていても効果がありません。食後は30分ぐらい経ってから歯を磨くようにしたほうがベター。食事中、唾液の分泌量が増えるため、唾液によって口内の洗浄が行われているからです。
歯磨きのポイントは、毛先を歯の表面に当て、力を入れず、小刻みに磨くこと。歯と歯の間や歯と歯茎の境目などは、歯垢がつきやすい箇所なので、十分に磨くようにしましょう。
口臭を指摘できない時は
いますぐに口臭による悪臭を何とかしたいアナタ!さっそく口臭対策をはじめましょう。口腔保湿ジェルで唾液を補うほか、舌苔を清掃する、フロスや歯間ブラシを使うなどの方法をご紹介します。夫やパートナーに勧めてみましょう。
場合によっては、夫やパートナーの口臭を指摘できない場合もあります。実際、口臭が気になっても、たとえ家族でもそのことを本人に指摘できないことってありますよね。そういう場合、空気清浄機で室内環境を改善するのもひとつです。
口腔保湿ジェルの使用
口腔保湿ジェルとは、減少した唾液を補い、口内の乾燥を和らげ、口臭を予防するジェルのこと。キレイに洗った指などに適量を取り、口内に塗ってから軽く吐き出すジェルタイプと、スプレータイプがあります。口臭が気になったときに使用できるため使い勝手がよく、ドラッグストアなどでかんたんに手に入ります。
舌苔の清掃
歯ブラシはしっかりと行っているのに、つい忘れがちになるのが舌の清掃。実は、細菌や食べかすなどが舌に付着したまま放っておくと、白い苔状になります。これが舌苔で、口臭の原因となることがあります。
舌の清掃方法は、専用の舌ブラシや舌ベラを使います。アッカンべーをするように舌を外に出し、喉の近くの舌にブラシを当て、前方に向かってブラッシングします。2~3回ほど行ったら、舌ブラシを洗浄します。これを数回繰り返し、舌苔を取り除きます。
舌を清掃した後、歯ブラシをしましょう。舌の清掃も日頃の習慣にするといいですね。
フロスや歯間ブラシを使う
歯と歯の間を歯ブラシで磨くのは至難の業です。そんなときは、デンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。歯と歯の間や歯と歯茎の間をキレイに磨くことで、歯周病や虫歯、口臭も予防することができます。
デンタルフロスは、歯と歯の間がしっかりと歯茎で埋められている場合に有効。はじめは使いにくいかもしれませんが、慣れてくると糸だけでも上手に使うことができます。
一方、歯と歯の間に隙間がある場合などは歯間ブラシが使いやすいですね。さまざまなサイズがありますので、ご自身の歯に合ったものを見つけるようにしましょう。
最悪、空気清浄機に頼る
夫やパートナーの口臭を指摘できない場合、空気清浄機で室内環境を改善するのもひとつです。ただし、これは口臭を改善する方法ではありません。本来であれば、当人が自覚して、歯科医や口臭外来に相談するか、口臭の対策をはじめるなどの対応をするべきです。
口臭の有無についてを当人に言うのはなかなか難しく、言われた方も傷ついてしまうことでもあります。「ちょっと体調が悪いみたいだけどダイジョウブ? 少し口臭が気になるよ」など、パートナーを傷つけないように言うタイミングを見計らって伝えてみましょう。
誰かに上手に口臭を伝える方法を詳しくまとめた記事があるので一度読んで見ることをおすすめします。
口臭の原因を知り寝息を改善しましょう
睡眠中、口内は唾液の分泌が低下することで細菌が繁殖し、口内環境が悪化しています。このため、寝息が臭い、口臭が強いなどの問題が起こります。口腔保湿ジェル、フロスや歯間ブラシを使って細かくケアするなどの方法もありますが、根本的に改善するためには歯科医や口臭外来で相談するようにしましょう。