鼻炎だけでもつらいのに口臭まで!?鼻炎と口臭は関係がある?

鼻炎に悩まされている時にいつもより口臭を感じた経験がありませんか?実は口臭と鼻炎の間には深い関係があるのです。

口臭が気になって歯磨きをしっかりしているのに改善しないと思っている方、実はその口臭の原因は口の中ではなく鼻にあるかもしれません!鼻風邪をひきやすい方やアレルギー性鼻炎の方も口臭のリスクがあるかも…!?

この記事では鼻炎による口臭の原因と改善方法についてご紹介します。

鼻炎とは

花をかんでいる女性

その名の通り、鼻炎は鼻(粘膜)に炎症が起こっていることを指します。炎症は体内に細菌やウイルス、ゴミなどの有害なものが侵入してきたときに起こる、からだにもともと備わっている防衛反応です。

鼻炎で起きる症状

炎症はからだを守っているということでとても重要な反応ではありますが、鼻炎によってくしゃみや鼻水が止まらなくなったり、鼻が詰まったりという辛い症状がみられます。

頭痛やせき、微熱を誘発することもあり、程度によっては日常生活に支障をきたすこともありますよね。風邪を引くとこれらの症状が出るので誰しも一度は体験したことがあるのではないかと思います。

急性鼻炎

風邪を引いたときの鼻水はこの急性鼻炎によるものである可能性が高いです。先にお伝えしましたが、急性鼻炎は細菌やウイルスが侵入してきたときにからだが自分を守ろうとする反応です。

鼻水はもちろん、鼻が乾燥してヒリついたり、発熱をもたらすこともあります。風邪の他にほこり、刺激性のあるガスの吸引、PM2.5や黄砂が原因となるケースもあります。

大抵1〜3週間で完治します。これ以上長引く場合は慢性鼻炎にかかっている可能性があります。

出典:https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/shiken_2009j.pdf

慢性鼻炎

慢性鼻炎は急性鼻炎を繰り返したり、長引かせたりすることで、常に鼻の粘膜に炎症が起こっている状態のことを指します。

常に鼻呼吸をするのが難しくなるので必然的に口で呼吸をすることが多くなります。その結果常に口が外気に触れることで口が乾き、口臭の原因にもなります。

上で述べた風邪などの細菌やウイルスによる急性鼻炎が原因のこともありますが、他の原因である可能性もあります。

例えば妊娠期の女性ホルモンの働きかけによって引き起こされる「妊娠性鼻炎」、加齢による鼻粘膜の機能低下が原因で引き起こされる「老人性鼻炎」、市販の点鼻薬を過剰に使用することで逆に鼻づまりが悪化してしまう「薬剤性鼻炎」、次に詳しく説明しますが「アレルギー性鼻炎」などが挙げられます。

鼻の中の形状が成長の過程で曲がってしまったり、打撲や骨折で変形していると、当然鼻腔が狭くなるので慢性的な鼻炎を患うこともあります。

風邪もひいておらずアレルギーもないのに常に鼻炎の症状がある若い人は、この鼻中隔(びちゅうかく)湾曲症である可能性があります。

また、鼻水が普段よりも多く出るので、その鼻水がうまく排出できずのどに侵入してしまうこともあります。この状態を「後鼻漏」と呼びます。のどを鼻水が覆うのでそれを排除しようとせきやたんがひどくなります。

出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo/55/2/55_118/_pdf

アレルギー性鼻炎

花粉のせいで鼻水が止まらない女性

先ほど、鼻炎は体内に侵入した有害なものを排除してからだを守ろうとする働きによるものだということをお伝えしました。アレルギー性鼻炎は、この防衛反応が有害ではない物質にまで働いてしまい、鼻炎という形で発現してしまうものです。

とりたてて有害でもない物質なのに「からだを守らねば!」と自分自身が鼻炎を発生させてしまうのです。例えば、花粉やほこり、ペットの毛、ダニ、カビなどのハウスダストに反応することが多いです。これらは私たちの生活のなかで身近に触れ合っているものなので、有害というほどのものではないことがわかると思います。

花粉に反応して鼻水やくしゃみが多くなる花粉症もアレルギー性鼻炎のひとつですが、花粉の季節にしか鼻炎が起こらない季節性の鼻炎です。ハウスダストによる鼻炎は一年中止まらないこともあります。通年性アレルギー性鼻炎と言われます。

また、アレルギー性鼻炎があると風邪で急性鼻炎になったときに症状が長引いてしまったり、空気が乾燥したときに喘息やアトピー性皮膚炎を併発してしまう傾向があります。

アレルギー性鼻炎になる要因は先天的なものと後天的なものがありますが、一度発症してしまうと、アレルギーの原因となっている物質を特定し、それらとの関わりを絶たねば鼻炎の症状が続いてしまいます。

出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/64/7/64_911/_pdf

蓄膿症

慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎によって鼻炎が長引くと、炎症を起こした部分に膿が発生します。膿の正体は、鼻炎の原因となるものと戦った後の白血球や、細菌もしくはその死骸、菌により分解されたタンパク質です。

アレルギー性鼻炎の場合は原因は花粉やハウスダストなのでその症状自体は細菌とは関係ありません。しかし、アレルギーで鼻づまりを起こすと体内に侵入した鼻水とともに排出されるはずだったカビやからだのどこかから侵入した菌が鼻の中に留まることになるので、蓄膿症になりやすいのです。

また、口と鼻はつながっているので、歯に巣食っていた虫歯菌が弱った鼻の方に移動して悪さをすることもあります。膿をそのままにしておくとそれらの菌が鼻から全身に行き渡って最悪死に至ることもあります。

蓄膿症になると色の濃い黄色や黄緑の鼻水が大量に分泌されたり、口や鼻から不快なにおいが生じるようになります。

出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo/55/2/55_118/_pdf

鼻炎による口臭の原因

驚いた顔で口元を手で押さえている女性

さて、ここからが本題です。冒頭で口臭と鼻炎の間には深い関係があるとお伝えしましたが、どうして鼻炎と一緒に口臭が発生するのでしょうか?

鼻づまり

鼻が詰まると人間本来の自然な呼吸方法である「鼻呼吸」が難しくなります。鼻を使わずに酸素を吸うには口で呼吸をするほかありません。

唾液には強力な殺菌効果があり、常に口腔内の殺菌をしてからだを雑菌から守ってくれているのですが、口で呼吸をすると外気が直接口の中に入るので唾液が乾きがちになります。

唾液が乾くと、唾液の殺菌パワーが届かなくなった舌の上に雑菌が繁殖します。これらの雑菌は普段はおとなしく口の中に棲んでいるのですが、唾液がなくなった途端に威力を増して口の中のタンパク質を分解し始めます。そして分解されたタンパク質は腐敗して、くさいにおいのするガスを発生させます。

鼻づまりでなくとも水分不足や緊張で口が乾くとき、口臭を感じることがあると思います。それと同じ原理で鼻が詰まると口臭が発生しやすくなってしまうのです。

薬による口渇

薬局で薬を手に持って選んでる女性

①抗コリン作用を持つ抗ヒスタミン薬

花粉症の薬に、アレルギーの症状を抑えるために処方される「抗ヒスタミン薬」があります。この抗ヒスタミン薬を飲むと口が乾くと言われることが多いですが、厳密には”抗ヒスタミン薬の中でも抗コリン作用を持つ薬”が口を乾きやすくしてしまうのです。

なぜ抗コリン作用が口を乾かしてしまうのでしょうか?

副交感神経が優位な時は血管が膨張して鼻水が出やすくなるので、アレルギーの症状を一時的に抑えるには、副交感神経を抑制することで鼻水抑制の効果がみられます。

コリンは副交感神経が優位になっているときに体内で作られる物質なので、コリンを抑制することで副交感神経を抑制できるのです。

わたしたちのからだには、副交感神経が静まると、今度は交感神経が優位になるというしくみがあります。交感神経が優位になった状態というのは、興奮や緊張をしている状態です。

交感神経が優位だと血管が収縮するので、必然的に体を循環する血液の量が減ります。それとともに血管が運ぶ水分量も減少してしまうのです。

緊張した時に口が渇いた経験がある方も多いと思いますが、抗コリン作用のお薬を使用することで、それと同じことがからだの中で起こり、口(のど)を乾かして口臭の原因をつくってしまうのです。

②プソイドエフェドリンなどのエフェドリンを含む薬

エフェドリンにも血管を収縮させる作用があり、鼻炎薬によく含まれている成分です。この薬も交感神経を刺激するタイプの作用があるので、口を乾きやすくして口臭の原因となる可能性があります。

出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg1987/19/3/19_3_178/_pdf

免疫力の低下

免疫力はからだが元から持っている、病気にかからないように自分を守る力です。この免疫力が低下すると口臭の原因になるということをご存知でしょうか。

鼻炎によって鼻水が大量に分泌されると鼻が詰まるようになります。そして、鼻が詰まると口で呼吸をせざるを得なくなります。免疫力低下の根本的な原因は鼻炎なのですが、この口呼吸は直接的な原因です。

口呼吸をしているとどうしても呼吸が浅くなります。浅い呼吸は交感神経を優位にする作用があります。たとえば、交感神経が活発=緊張しているときや激しい運動をしているときは息が切れることがありますよね。

簡単にいうとそれぞれ、交感神経は「戦う」、副交感神経は「守る、蓄える」ときに優位になるので、交感神経が優位だと「守る」作用の免疫機能がうまく機能しなくなるのです。

では低下した免疫がなぜ口臭につながるのか?これは先ほどしたお話ともリンクするのですが、唾液には体を守る機能があるとお伝えしましたが、これも免疫機能の一つなんです。

交感神経が優位になって免疫機能が落ちると、当然ながら唾液の免疫機能も落ちます。そしていつも通りのパワーで雑菌を止めることができなくなり、口の中で雑菌が繁殖してくさいガスを放つようになってしまうのです。

ここまでの流れまとめると、【鼻が詰まる→口呼吸になる→交感神経が優位になる→(唾液含む)免疫機能が低下→雑菌が繁殖して口が臭くなる】となります。

そのほかに、鼻にはフィルター機能があり、ホコリや異物、体内に侵入しようとする有害なものを排除することができます。これは鼻にあって、口にはない機能なのです。

それなのに口から呼吸をせざるを得ないということは、吸ったものを体内にダイレクトに侵入させてしまうということになりますよね。

このように、口呼吸になることでただでさえ免疫力が落ちているところにさらに雑菌や異物を招いてしまうため、追い討ちをかけるように体を弱らせてしまいます。

膿汁や膿栓による口臭

蓄膿症のお話をした時に、鼻炎がきっかけで膿が喉元に溜まってしまうということ、その膿は白血球や最近の死骸だという説明をしました。

そしてここには菌が分解したタンパク質も含まれます。鼻づまりの時と同じメカニズムで、分解されたタンパク質はくさいガスを発生させるので膿は嫌な匂いがするのです。

それらが常にのどや鼻に存在しているということは、慢性的な口臭の原因になりそうだと簡単にイメージできますよね…。

耳鼻科で鼻の洗浄をしてもらったり、抗菌薬で膿に群がっている菌を殺菌することで膿を除去することができます。

出典:https://www.kochi-ms.ac.jp/~hsptl/kouhousi/yorozu/052.html

鼻炎による口臭の改善

ペットボトルの水を飲む女性

鼻炎によって様々な口臭の原因が生み出されてしまうことがわかりました。では鼻炎による口臭に気づいた場合、どのようにすれば口臭を改善することができるのでしょうか。

水分補給

唾液が少なくなることで雑菌が繁殖しにおいが出てしまうので、唾液の分泌を促したいですよね。そこで唾液の材料となる水分を補給することをおすすめします。

鼻炎のせいで口呼吸になっていると、ただでさえ口が乾いて雑菌が繁殖しやすいので、口の中を一時的にでも潤すことで口臭はぐっと抑えられます。でも、水ではなくお茶やコーヒーだと逆に口が乾く場合があるので注意してくださいね。

そのほかに、「口の中を潤す=口の渇きを止める」という考え方で、マスクをして口や鼻の湿気を保つこともできます。

薬の種類の変更

もし今使っている薬に抗コリン作用があったり、エフェドリンを含んでいるのであれば、薬の種類を変えてみましょう。

実際に口が乾きにくいことを売りに宣伝をしているような市販の鼻炎薬もあるので、お医者さんや薬剤師さんに相談をしてみてはいかがでしょうか。

鼻炎自体をなおす

これがいちばんの近道です。そもそも、鼻炎さえなければ水分補給や薬について気を使う必要はないですよね。アレルギー性鼻炎だとそう簡単には治らないかもしれませんが、風邪や免疫力の低下が原因ならば、生活習慣を改めたり十分な休養をとるだけで治すこともできます。

アレルギーの検査でも反応がなく、体調も悪くないという場合は鼻中隔の形が異常でないかどうか診てもらうという選択肢もあります。鼻中隔の形が原因の鼻炎だと、鼻中隔の手術をしない限り永遠に鼻炎に悩まされてしまうケースもあります。

普段からの生活も気をつけましょう

鼻炎だけでも相当辛い症状ですが、ここに口臭まで加わってしまうなんて踏んだり蹴ったりですよね。鼻炎自体は自分の体を守るための機能ですが、自分に刃を向くこともある諸刃の剣なのです。

鼻炎と口臭にまつわる様々な関係がわかったところで、自分の大切なからだがこの危険な諸刃の剣を振るわなくても済むように普段から運動や食生活にを気を使って鼻炎と口臭を防ぐことができるような生活を心がけたいですね。

出典

https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio/47/1/47_1_36/_pdf/-char/ja

ABOUTこの記事の監修者

柴田はるひ

《経歴》
2011年名古屋デンタル衛生士学院卒業
国家資格歯科衛生士免許証取得
2012年愛知県一般歯科にて一般的な歯科診療やインプラント、矯正、歯周病担当歯科衛生士として2年間勤務
2014年上京し都内のホワイトニング専門審美歯科にてホワイトニングやクリーニング、小顔マッサージやフェイシャルエステなどを経験
2017年12月日本化粧品検定1級合格し2018年2月コスメコンシェルジュ取得
2018年現役歯科衛生士&コスメコンシェルジュとしてライターとしても活動中。
《得意分野》
ホワイトニング、歯のクリーニング、カウンセリング
小顔マッサージ、唇美容、プラセンタ系エステ、歯周病
コスメ全般(基礎化粧品、メイク、ヘアケア、アロマ、香水など)
《メッセージ》
歯科衛生士として長く働いてきて、お客様や患者様の悩みや相談を沢山うかがってきました。お口元を美しくすることは審美面だけではなく、結果的に将来歯を失わずにずっと健康的に過ごせる健康面もサポートすることができます。
さらにコスメコンシェルジュを取得してからは身近なコスメにも詳しくなり周りの女性をさらに輝かせるお手伝いができていると実感しています。
今までは目の前のお客様や患者様の美容と健康をサポートし喜んでいただくことにとてもやりがいを感じていました。ですがこれからは現役歯科衛生士ライターとしてコスメコンシェルジュとして、ネットを通じて情報を提供することで全国の皆様に同じように美容と健康を理解していただくことができる喜びを感じています。
沢山の方が自分の目標とする美容と健康を手に入れて年齢を重ねても自分と自分の人生を愛せるようにお手伝いができたら幸いです。