肌が荒れると出てくることがあるのが、肌の赤み。慢性化してしまっていつもメイクで隠しているという人もいるでしょう。この肌の赤み、根本的に治す方法はないのでしょうか。そこで今回は、肌が赤くなる原因から、改善、対策の方法までを総まとめしました。肌の赤みに悩む方はぜひ最後まで読んでみてください。
《経歴》
1995年杏林大学医学部卒業、同年 杏林大学病院形成外科入局
2014年高田馬場スキンケアクリニック入職
2015年シロノクリニック入職
シロノクリニック横浜院 院長に就任
所属学会 : 日本美容皮膚科学会
《メッセージ》
きちんと話を聞き、わかりやすい説明で患者さまのご希望に最適な治療をご提案させていただきます。ご納得いただいた上で、心を込めて丁寧に治療にあたることを心掛けています。
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肌荒れによる赤みが出る原因
間違ったスキンケア
ごしごしと一生懸命汚れを落とそうとしたり、べたつくからと保湿をしっかり行わなかったりすると、摩擦や乾燥によって肌がダメージを受け、赤みとなって表れることがあります。また、肌に合わないスキンケア用品を使い続けることによって赤みが出ることもあります。
乾燥が肌荒れの赤みの原因
肌の乾燥も赤みの原因となります。また、赤みだけでなくピリピリとしたかゆみが出ることもあります。乾燥は他の肌トラブルの原因にもなりますから、こうなる前に対策したいところです。
肌のターンオーバーが乱れている
ターンオーバーとは、肌の新陳代謝のこと。顔の肌は、およそ1ヶ月ほどかけて新しく生まれ変わります。しかし、偏った食生活や睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなどが重なると、このターンオーバーがうまく行われなくなり、傷んだ肌がなかなか新しい肌に生まれ変われなくなってしまいます。
バリア機能の低下
肌のバリア機能が低下する原因は、乾燥や摩擦によるダメージ、栄養不足や睡眠不足による免疫力の低下などです。バリア機能が低下するとちょっとした刺激でも大きなダメージを受けてしまい、赤みをはじめとする肌荒れを引き起こしやすくなります。
遺伝的・アレルギー
親が赤ら顔の場合、子どもにもその性質が遺伝することがあります。ただし、この確率はあまり高くはありません。
もうひとつ、赤みの原因と考えられるのはアレルギーです。食品や花粉、ハウスダストなど、なんらかのアレルギーによって赤みやかゆみといった症状が出ることがあります。
肌荒れによる赤みが出るメカニズム
では、なぜ肌荒れによって赤みが出るのでしょうか。
摩擦や乾燥、花粉など、なんらかの要因で肌が炎症を起こすと、毛細血管が拡張します。拡張した毛細血管から炎症成分が放出され、はれぼったいような感じになったり痒くなったりします。また、熱を持つので、水分が蒸発しやすくさらに乾燥しやすい環境になっているのです。
通常、肌の炎症が治まれば血管も元通り収縮しますが、何度も炎症と血管の拡張を繰り返すことで血管が広がりっぱなしになってしまうことがあります。これが、いわゆる赤ら顔(毛細血管拡張症)の原因のひとつといわれています。
赤ら顔(毛細血管拡張症)になってしまうと、赤みを消すためには医療機関での治療が必要になります。そうなる前に、日ごろからケアしておくことが大切です。
肌荒れの赤みを改善する方法
スキンケアで肌荒れの赤みを改善する
正しいスキンケアが重要
肌の健康を保つためには、正しいスキンケアが重要です。スキンケアで重要なのは、とにかく肌に負担をかけないことです。
クレンジングは指の腹で優しくなでるように、洗顔は洗顔料をしっかりと泡だて、その泡で肌を優しく包むように洗います。冷たい水で流すとクレンジング剤や洗顔料が固まって毛穴づまりの原因になるので、体温と同じくらいのお湯でしっかり洗い流しましょう。
洗顔後はタオルで優しく押さえるようにして、水分を拭き取ります。このときも、決してごしごしこすってはいけません。
その後は、しっかり保湿をします。化粧水を使う場合、少し多めに手にとって、顔を包み込むように優しく押し込みます。敏感肌の場合、コットンの毛羽も刺激になることがあるので、できるだけ手で行いましょう。2~3回化粧水をつけたら、水分が逃げないよう、乳液をうすくのばしてふたをします。
スキンケア用品がもったいないからと少なめに使っていると、肌をこすってしまったり、充分な保湿が行えなかったりしてしまいます。どんなに高いものを使っていてもこれでは期待した効果が得られないどころか、肌にダメージを与える原因となってしまうのです。使用方法に書いてある基準よりも少ない量で節約するのは絶対にやめましょう。
保湿成分配合のものを選ぶ
肌の保湿成分としては、セラミドやヒアルロン酸が有名ですが、他にも様々な成分があります。スキンケア用品を選ぶときは、以下のような保湿成分が含まれているものを選びましょう。
- セラミド
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- エラスチン
- スフィンゴ脂質
- ステアリン酸コレステロール
- 大豆レシチン
お肌の刺激になる成分に注意する
スキンケア用品は科学的に作られたものなので、中には肌に余計な刺激を与える成分が含まれているものもあります。これらが含まれているものは、赤みなどの症状が出ているときには避けましょう。代表的なものを挙げると、次のようなものがあります。
- 合成界面活性剤
- 合成ポリマー
- 防腐剤(パラベンなど)
- ハイドロキノン
- エタノール
- レチノール
- 香料
しっかりとUVケアを行う
紫外線も肌の炎症を引き起こし、赤みの原因となります。紫外線は一年中降り注いでいますから、夏場はSPF高めの日焼け止めや化粧品を使い、日差しの弱い季節はSPFが低いものを使うなど、季節に合わせたUVケアを行いましょう。
食事で肌荒れの赤みを改善する
お肌の免疫サポートに良い食材を摂る
肌の免疫機能を高めるには、バランスの取れた食事をしっかり摂ることが大切です。中でも、免疫機能を高めるビタミンB群を多く含むレバーやナッツ類、ビタミン豊富で抗酸化作用も期待できる緑黄色野菜、整腸作用のある発酵食品などは意識して摂るようにしましょう。
栄養は食品から摂るのがベストですが、どうしても食生活が不規則になってしまう場合、マルチビタミン&ミネラルのようなサプリメントで補ってあげるとよいでしょう。
塩分や糖分の多い食べ物を避ける
塩分の摂り過ぎは肌の乾燥の原因に、糖分の摂り過ぎは皮脂の分泌を増やし、毛穴やニキビといった肌トラブルの原因になります。
また、これらを摂りすぎることで内臓にも負担がかかります。特に、胃や肝臓、腸などの状態は肌の健康に直結しています。肌をきれいに保つためにも、味の濃い食品やスナック、スイーツ類の食べ過ぎは避けましょう。
生活習慣で肌荒れの赤みを改善する
しっかり睡眠をとる
充分な睡眠は肌のターンオーバーを促すと同時に、免疫力を高める効果も持っています。1日最低でも6時間の睡眠をとりましょう。
また、脳をしっかり休めるためにも、眠る30分前にはパソコンやスマートフォンなどを触らないようにしましょう。それだけでも、眠りの質は向上します。
ストレスを溜めない
過度なストレスは自律神経を乱し、免疫力や睡眠の質を低下させる原因になります。適度に発散をして、ストレスをためすぎないようにしましょう。
ホルモンバランスを整える
ホルモンバランスの乱れも肌荒れにつながります。栄養バランスの取れた食事、充分な睡眠、そしてストレスをためすぎないといったことを心がけることで、ホルモンバランスも整えることができます。
痛みやかゆみがあるときの対処法
肌にヒリヒリとした痛みやかゆみを感じる、あるいは吹き出物がたくさんできるというときは、単なる肌荒れではなく、なんらかの病気である可能性が疑われます。こうした場合、じっくり肌のケアをしているだけでは改善しないことがありますから、ひどくなる前に皮膚科に相談しましょう。
肌が荒れてくるとどうしてもメイクで隠したくなってしまいますが、こうしたひどい症状が出ている場合は一度メイクはお休みして、肌への刺激を最小限に抑えることが大切です。
また、かゆみや痛みは肌を冷やすことで一時的に治まることがあります。どうしても我慢できない場合は、決してかいたりこすったりせず、水で濡らしたタオルなどを当てて冷やしてみましょう。
肌荒れの赤みが治らない場合の対処法
肌荒れや赤みの改善には、毎日のスキンケアや生活の見直しが効果的です。健康できれいな肌を保つためにも、今日からできることを実践してみましょう。
一方で、なかなか治らない赤みや、かゆみや痛みを伴う肌荒れは、アレルギーやアトピーなどの病気の可能性があります。もし、こうした肌の異常がある場合には、我慢してひどくなる前に皮膚科に相談しましょう。