食事制限や糖質制限をすると便秘になりやすい原因と解消法

ダイエット法として昨今人気の糖質制限ダイエットですが、糖質制限ダイエットをすることによって、便秘になる方も増えているようです。では、なぜ糖質制限ダイエットをすることで便秘になってしまうのでしょうか。今回の記事では、糖質制限ダイエットをすることによって便秘になる原因やその対処法、その他の便秘になる原因などについて解説することで、便秘の根本的な解消法を紹介したいと思います。

食事制限や糖質制限による便秘の原因

悩んでいる女性

それでは早速ですが、食事制限ダイエットや糖質制限ダイエットによって、なぜ便秘になってしまうのか、その原因について見ていきたいと思います。

脂質が不足している

食事制限や糖質制限によってなぜ便秘が起こるかというと、食事制限や糖質制限にともなって、脂質の摂取量が不足する、ということがあげられます。ダイエットをするときには脂質が敬遠されがちですが、脂質が不足すると便がつるっと出にくくなるのです。

脂質にもいろいろあって、身体にとって必要な脂質もあれば、摂取量が増えると身体によくない脂質もあります。身体にとって欠かすことのできない脂質のことを、必須脂肪酸と言います。必須脂肪酸は体内で産生することのできない脂肪酸であることから、食事によって摂取する必要があります。必須脂肪酸はα-リノレン酸やリノール酸、アラキドン酸といった、多価不飽和脂肪酸のことを指します。

多価飽和脂肪酸を多く含むものとしては、コーン油やごま油、大豆油やベニバナ油、ヒマワリ油やくるみ、エゴマ油やシソの実油などがあげられています。また、サバやサンマ、イワシなど青魚に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も多価不飽和脂肪酸に分類されています。

多価不飽和脂肪酸は「必須」脂肪酸であることから、不足すると皮膚が乾燥したり抜け毛が増えたりするだけでなく、脂肪肝を引き起こしたり免疫力が低下したり、血小板が減少したりと、健康面に多大な悪影響を及ぼします。

成長期に無理なダイエットをしてしまうと、脳の成長に悪影響を及ぼすこともありますし、子供が必須脂肪酸の摂取を怠ると、成長障害を起こすこともあります。

そもそも、脂質はタンパク質と炭水化物(糖質)と並び、三大栄養素にあげられているものです。そのため、毎日の食生活で必ず摂取する必要があります。

脂質を摂取すると太ってしまうというイメージをお持ちの方もいらっしゃることと思いますが、それは獣肉やバター、ラードやチーズ、アイスクリームやチョコレートといった、飽和脂肪酸を摂取するからです。

実際、不飽和脂肪酸を含んでいるオリーブオイルを毎日100ml飲むという実験がおこなわれたこともあるのですが、数ヶ月経っても体重や体脂肪に有意の変化は見られなかったということです。オリーブオイル100mlのカロリーはおよそ900キロカロリーほどあります。900キロカロリーというと、成人女性が1日に必要とするカロリーのおよそ半分です。つまり、脂質を摂取するから太る訳ではないということです。

食物繊維・水分が不足している

食事制限や糖質制限をおこなう場合、ご飯やパン、麺類などの炭水化物(糖質)の摂取量を減らすのが一般的だと思います。糖質は炭水化物から食物繊維を抜いたもののことであり、炭水化物の摂取量を減らすと、必然的に食物繊維の摂取量も減少することとなります。

それでなくても、現代人の食生活には食物繊維を多く含む野菜が不足しがちだとされています。そのため、厚生労働省がご親切に、野菜を1日に350g食べようと指導してくれているのです。

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、いずれも便秘の解消に効果を発揮してくれます。不溶性食物繊維はその名の通り、私たちが持つ消化酵素をもってしても溶かすことのできない食物繊維のことを言います。

不溶性食物繊維には保水力が高いという特徴があり、消化管内の水分を吸収して膨張しながら、ゆっくりと胃から腸へと進んでいきます。不溶性食物繊維が腸管内で膨張することによって腸管が刺激され、それによって便意が起こるのです。特に、筋力の弱い女性や高齢者に見られがちな弛緩性便秘の改善に、不溶性食物繊維が効力を発揮してくれます。

ただし、腸の機能には問題がないものの、便意が脳にうまく伝わらない直腸性便秘の場合、不溶性食物繊維を摂取することで、かえって便秘が悪化することもあります。自分の便秘のタイプが分からない時には、専門医に相談するようにしましょう。

水溶性食物繊維は、腸管内で善玉菌のエサになります。それによって腸内環境を改善し、便秘を解消することが期待できます。また、水溶性食物繊維は腸管内の糖質を包み込み、腸管に吸収されにくくしてくれます。最近では糖質が太ってしまう原因だと考えられているため、水溶性食物繊維の摂取が推奨されているのです。

あと、水分の摂取量が不足すると、やはり便秘になりやすくなります。便の水分量があまりにも少なくなってしまうと、便の排出が困難となるからです。

タンパク質が不足している

食事制限や糖質制限によって便秘になる原因としては、タンパク質が不足していることもあげられます。そして、筋肉を作る元となるのがタンパク質なのです。ダイエットをして体重が減少したとしても、筋肉量が減少していると、ダイエット前よりも「太りやすい体質」になってしまうのです。

先程、脂肪酸のところでも説明しましたが、青魚に含まれている脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれており、身体にとって欠かすことの出来ない脂肪酸です。そのため、ダイエット中には積極的に青魚を摂取するとよいでしょう。また、高たんぱくで低カロリーな鶏のささみもダイエット中にはおススメです。

腸内環境が悪化している

食事制限や糖質制限によって便秘になる原因としては、腸内環境の悪化もあげられます。腸内には免疫細胞の7割が集まっているとされており、腸内環境を見れば私たちの健康状態が分かると言われるほどです。

腸内には善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌が存在しており、それらのバランスが保たれていると、私たちの健康も保たれるという訳なのです。日和見菌はその名の通り、善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢化を見て、優勢な方につくという性質を持っています。

善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌の比率は、2:1:7が理想とされています。ところが、食事制限や糖質制限をおこなうと、このバランスが崩れてしまいがちなのです。

先程も少し触れましたが、水溶性食物繊維には善玉菌のエサになるという性質があります。しかし、ダイエット中に水溶性食物繊維の摂取量が減少すると善玉菌のエサが不足し、悪玉菌が優勢になってしまうのです。

腸内環境が悪化すると最初に見られるのが、便秘や下痢といった排便障害です。腸内環境の悪化によって腸の機能が低下することで、そのような現象が見られることとなる訳です。

食事制限や糖質制限による便秘の解消法

女性が食事をしている

ここまでの説明で、食事制限や糖質制限によってなぜ便秘になるのかを理解して頂けたことと思います。では、便秘になる原因を踏まえた上で、食事制限や糖質制限による便秘の解消法を見ていきたいと思います。

脂質の摂取量を増やす

食事制限や糖質制限による便秘の原因として、脂質の摂取量の不足していることがあげられていました。そこで、脂質の摂取量を見直してみましょう。

現代人が1日に必要とする脂質の目安は、総摂取カロリーの20%から30%程度だとされています。成人女性の場合は、1日におよそ50g程度、成人男性の場合は、1日におよそ60gの脂質が必要だということです。とはいうものの、先程も述べたように脂質なら何でもよいという訳ではありません。調理油であれば、ベニバナ油やコーン油、オリーブオイルなどの不飽和脂肪酸を選択するようにしましょう。

食物繊維を含む野菜を食べる

食事制限や糖質制限によって便秘が見られる場合、食物繊維を多く含む野菜などを積極的に食べることも重要です。キャベツや大根にはペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維の一種が含まれており、便秘の改善に効果的です。

また、水溶性食物繊維は腸管内で善玉菌のエサとなるため、腸内環境を改善するのにも効果的です。さらに、水溶性食物繊維は腸管内の糖質を包み込み、腸管に吸収されにくくしてくれます。

糖質が腸管に吸収されると太りやすくなってしまうため、ダイエット中は積極的に水溶性食物繊維を摂取するようにこころがけましょう。キャベツや大根の他にも、海藻類には多くの水溶性食物繊維が含まれています。

海藻類には海のミネラルも多く含まれているため、やはりダイエット中には積極的に摂取するとよいでしょう。栄養バランスを整える上でも効果的です。

食事制限や糖質制限によって便秘が見られる場合には、不溶性食物繊維の摂取も重要です。不溶性食物繊維はほとんどの野菜に含まれていますが、特にゴボウには多くの不溶性食物繊維が含まれています。

筋力の弱い女性は高齢者にみられる弛緩性便秘の場合、不溶性食物繊維を積極的に摂取することで改善が期待できます。ただし、直腸性便秘の場合は逆効果になることもあるので注意が必要です。

水分をこまめに摂る

ダイエット中に便秘が見られる場合には、水分をこまめに摂ることも重要です。特に、デスクワークなどに集中していると、ついつい水分補給を怠ってしまいがちです。

私たちが1日に必要とする水分量は、2リットルから2.5リットル程度とされています。もちろん、食事からも水分は摂取できるので、全てを飲料で補う必要はありません。

それでも、1リットルから1.5リットル程度の水分は、飲料から摂取することが必要となります。そのため、デスクの片隅にペットボトルを置いたり、バッグにペットボトルを入れたりして、こまめに水分補給をおこなえるようにしましょう。

水分をこまめに摂ることで便意を促すことが可能となりますし、ちょっとした空腹程度であれば、水を飲むことで紛らわすことが出来ます。間食の習慣がある人は、水分でごまかすのもよいでしょう。

タンパク質の摂取量を増やす

ダイエット中に筋力を低下させないためにも、ダイエット中であってもタンパク質の摂取は欠かさないようにしましょう。1日に必要なタンパク質の摂取量は、成人男性の場合で60gから65g、成人女性の場合で50gから55g程度とされています。

特に、鶏のささみやゆで卵など、高たんぱくで低カロリーな食品を摂るように心がけるとよいでしょう。最近コンビニで人気のファミリーマートのサラダチキンもおススメです。

発酵食品を毎日食べる

発酵食品は腸内で善玉菌のエサとなってくれるので、腸内環境を改善して便秘を解消したい人にはおススメです。納豆やキムチ、ヨーグルトや味噌などが発酵食品の代表選手です。

ただし、甘いヨーグルトを食べるとかえって太るリスクが高くなるため、無糖のヨーグルトを選択するようにしましょう。カロリーはあまり気にする必要がありません。

先述したように、オリーブオイルを毎日100ml(およそ900キロカロリー)摂取しても、体重も体脂肪率も変わりません。ダイエットをするときに気をつけるべきは、糖質の過剰摂取なのです。キムチやヨーグルトを食べる量の目安ですが、キムチの場合は1日に50g程度食べるとよいでしょう。それ以上食べると、塩分を摂りすぎてしまう可能性があります。ヨーグルトは、1日に200gから300gを、朝晩の2回に分けて食べるとよいでしょう。

便秘になる他の原因

お腹に手をあてて手で三角を作っている女性

先程、便秘の種類として弛緩性便秘と直腸性便秘が出てきました。これらは「機能性便秘」に分類されるもので、腸管の異常や病気による便秘ではなく、どちらかというと生活習慣による便秘です。

機能性便秘には、弛緩性便秘と直腸性便秘の他に、けいれん性便秘と呼ばれるものがあります。それぞれ原因が異なっているので、それらに応じた対処法が必要となります。

弛緩性便秘は、腹筋や腹圧の弱い女性や高齢者にみられる便秘で、便が細く途切れがちなのが特徴です。このような方には、不溶性食物繊維の摂取がおススメです。

直腸性便秘は習慣性便秘とも呼ばれており、便意がある時にトイレに行けないなどの原因で発症します。このような方は、朝早めに起きて、トイレタイムをしっかりと確保するとよいでしょう。

けいれん性便秘はストレスが原因で起こります。ウサギの糞のようなコロコロとした便になるのが特徴です。このような方は、適度に身体を動かしたり、ストレスを発散したりするよう心がけましょう。

まとめ

食事制限や糖質制限によって起こる便秘の原因や、その解消法について見てきましたが、いかがだったでしょうか。便秘の原因は実にさまざまなので、それに応じた対処法が必要であることを理解して頂けたことと思います。なにより、ダイエットは美容と健康ためにおこなうものです。そのため、健康的に気持ちよくダイエットを続けたいものですね。