歯のホワイトニングで憧れの白い歯を実現することはすでに広く知られていますが、歯茎のホワイトニングとははじめて聞いた方も多いのではないでしょうか。これは歯茎の黒ずみをキレイにすることで、歯茎ピーリングやガムピーリングなどとも言います。
歯が白くてキレイであっても、歯茎が黒ずんでいては、それだけで口元の明るさは半減してしまいますよね。今回は歯茎のホワイトニングについて詳しく説明していきます!
銀座デンタルホワイト渋谷院院長
銀座デンタルホワイト渋谷院院長
《経歴》
2006年 日本歯科大学卒業
2008年 日本歯科大学付属病院臨床研修修了
2008年 田中歯科医院 勤務
2012年 アフタヌーンデンタル勤務
2013年 銀座デンタルホワイト銀座院勤務
2014年 銀座デンタルホワイト池袋ホワイトニングラボ開院
2016年 医療法人社団 裕久会 銀座デンタルホワイト渋谷院院長就任
《資格》
日本アンチエイジング歯科学会認定医
日本アンチエイジング歯科学会認定ホワイトニングエキスパート
米国ロマリンダ大学認定インプラントサティフィケート
米国アラインテクノロジー社認定医 インビザラインドクター
アソインターナショナル社認定医 アソアライナードクター
《得意分野》
ホワイトニング、審美歯科、矯正、アンチエイジング医療
《メッセージ》
さわやかで綺麗な口元が見た目の美しさだけでなく、そこから引き出される自信が心にゆとりを与え、内面の美しさへとつながっていくものと考えています。ぜひご相談ください。
歯茎が黒ずむ原因
最近の歯科医療では、歯のホワイトニングだけではなく、歯茎もホワイトニングできるんです。口元は人に与える印象が大きいため、歯のホワイトニングを行っている方は多いですが、せっかく歯をホワイトニングしても、歯茎が黒ずんでいたら、その黒ずみが引き立ってしまいます。やっぱりキレイな白い歯には、同じようにキレイなピンク色の歯茎が似合いますよね。
歯茎のホワイトニングを行う前に、まずは歯茎の黒ずみの原因を探ってみましょう。歯茎の黒ずみにはいくつか原因があります。食生活や生活習慣が原因となるばかりではなく、病気が原因の場合もあります。施術の前にしっかりとその原因を知ることは大切です。
喫煙
喫煙が原因で歯が黒ずむことはよく知られていますが、歯茎も黒ずんでくることがあります。歯茎も皮膚と同じで、外からの刺激を浴び続けると、歯茎の表皮の基底層で作られたメラニン色素が沈着してしまうからです。
喫煙によるニコチンやタールの刺激が歯茎を着色し、歯茎が黒ずんできます。実際、喫煙されていらっしゃる方で歯茎の黒ずみを気にされていらっしゃる方は結構多いですよね。
飲食
喫煙と同じように、食べ物や飲み物も、歯茎に対する刺激となり得ます。食べたり飲んだりしているときはあまり気になることではありませんが、とくに酸味の強いものをはじめ、刺激の強いもの、味の濃いものなどを食すると、口の中は常に強い刺激を受けているのです。
とくに、濃いお茶や苦いコーヒーなど、常習的に口にする飲み物は要注意。
口呼吸
口で呼吸をしている方は、常に口を開けています。そうすると口の中が乾燥しメラニンが沈着します。これは、皮膚を保護しようとする自然な働きのためです。
この結果、歯茎が黒ずんでしまうこともあるんです。口呼吸で歯茎が黒ずむとは驚きですよね。
金属のかぶせもの
金属をかぶせていた部分の歯茎が黒ずんでしまうこともあります。とくに銀歯を使っている場合によく見られ、金属が唾液などで溶けることで起こります。
唾液などの水分によって金属はイオン化するため、この場合は、残念ながら歯茎のホワイトニングでは改善できません。
しかし、変色部分の歯肉を切除することで改善をできます。これからかぶせ物を入れる予定の方は土台を含めオールセラミック等のメタルフリーの素材のものを入れることで歯茎の変色を防ぐことができます。
歯周病
上記の原因に該当しないのに、歯茎の黒ずみが気になりはじめたら、もしかしたら歯周病が原因かもしれません。歯周病が進行すると、内部まで炎症が広がり、黒く変色していくからです。
歯周病は歯がぐらぐらになり抜けてしまう原因にもなるので、気になる方はすぐに歯科医に相談し、治療をはじめるようにしましょう。
歯茎のホワイトニングの流れ
もしも虫歯や歯周病などがある場合、歯茎のホワイトニングをはじめる前に治療しておかなければなりません。施術中の液剤によって、患部に何らかの影響を及ぼす可能性があるからです。炎症がある場合、痛みが増える可能性もありますので、虫歯や歯周病は治療しておく必要があります。
歯茎に表面麻酔を塗る
歯科医院で麻酔と聞くと、怖くて痛いイメージがつきもの。でもこれは塗る麻酔なんです。ジェル状の塗り薬か、またはテープ状の麻酔を使って表面麻酔を塗ることで、この後塗るホワイトニング薬剤がしみるのを感じないようにすることができるのです。
なお、麻酔は義務ではないため、使わない歯科医院もあります。施術で気になることがあったら歯科医に相談してみましょう。
歯茎専用のホワイトニング剤塗布
麻酔の効果が現れてきたら、先ほど塗った麻酔薬をていねいに洗い流します。そして、歯茎専用のフェノールなどのホワイトニング剤(ピーリング剤)を塗布します。しばらくすると、フェノールによるたんぱく質変性で上皮組織をメラニン色素とともに白く変色していきます。
なお、薬剤によるホワイトニング以外でも、レーザーを使用して歯茎の黒ずみを取り除くほか、外科的に着色した部分を取り除く方法もあります。ただし、一般的には、歯茎の黒ずみを取り除くためだけに外科手術を行うことは稀。通常、歯茎の黒ずみをキレイにするには、薬剤による施術を行います。
中和して施術終了
塗布したフェノールなどの薬剤を中和するために、アルコールなどで中和します。これで施術は終了。2~3回これを繰り返して終了です。
ここまでの所要時間は、施術する歯茎の範囲にもよりますが、だいたい10~20分程度です。歯のホワイトニングに比べると、かなり短時間で終わりますね。
白いかさぶた期間
歯茎が白く変色した部分は、2~3日後には薄い膜のようになります。さらにだいたい1週間すると、このかさぶたは自然とはがれ落ちてきますが、それまでの間、歯茎に違和感や不快感を覚えたり、触ってみたくなる衝動に駆られることも。
1~2週間でピンクの歯茎が!
白いかさぶたがはがれた後、しばらくすると新しい歯茎の色調となり、黒ずみなどの色素の沈着が落ちた、ピンク色の歯肉となっていきます。
通常、一度施術すると、色素の沈着が除去されますが、それでもまだ黒ずみが残る場合、2~3回ほど施術することもあります。
歯茎のホワイトニングの注意点
歯茎のホワイトニングを考えていらっしゃる方やはじめて施術する方は、施術中に痛みが起こるのか、施術後、どういうことに気を配るべきなのか、細かいことが気になりますよね。事前にこうした注意点を知っておくと、施術をするときの心構えとなりますので、ぜひ参考にしてください。
痛みが強い場合は痛み止め服用
歯茎に塗る薬剤によって、痛みが生じる場合があります。どの程度の痛みなの?と心配される方もいらっしゃいますよね。でも、これは個人差があるため、はっきりとは言えません。私が経験した時はむずがゆいような痛いような何とも言えない感覚がしました。
ただし、痛みがひどい場合は、歯科医院で処方してもらった痛み止めを服用し、痛みを軽減させることができますのでご心配なく。
白いかさぶたは無理にはがさない
歯茎のホワイトニングを行って数日経つと、施術直後に白く変色した歯茎の表層が、かさぶたのような薄い膜になります。この膜は、1週間ほど経つと自然にはがれ落ちていきますが、違和感やかゆみを伴うことがあります。
でも、このかさぶたを無理やりはがすのは禁物。自然にはがれてくるまでグッと我慢しましょう。無理にはがそうとすると、歯茎を傷つけてしまうこともあります。
施術後2~3日は刺激物を避ける
歯茎のホワイトニングの直後は、歯茎の表層は非常に敏感になっています。炭酸飲料水、コーヒーや紅茶、香辛料や塩分を多く使った食事をはじめ、喫煙なども控えた方が賢明。歯茎を刺激して痛みや不快感が生じることもあります。
毎日口の中を清潔に
歯茎のホワイトニングの後は、なるべく口の中を清潔に保つようにしましょう。毎日1回程度うがい薬でゆすぐことをおすすめします。
ただし、歯のブラッシング時は注意が必要。敏感になっている歯茎を刺激しないように配慮しなければなりません。白いかさぶたが無理にはがれてしまう原因となってしまいます。
歯茎のホワイトニングQ&A
歯茎のホワイトニングをはじめる前に、気になることはすべてクリアにしてから施術をしたいですよね。心配事はすべてチェックし、施術を考えている歯科医院の歯科医に相談するようにしましょう。
費用はどのくらいかかるの?
歯茎のホワイトニングは、歯のホワイトニングと同じように、保険適用外治療となります。このため、費用は歯科医院によってまちまち。施術にかかる費用は、歯科医院が自由に設定することができるため、費用にばらつきがあります。
一般的に、歯茎全体のホワイトニングで1~2万円程度という歯科医院が多いようですが、さらに費用がかかる医院もあります。施術を考えていらっしゃる方は、評判や実績などを十分にリサーチして、比較検討するようにしたいですね。
1回でキレイになるの?
歯茎のホワイトニングによって現れる効果には個人差がありますが、ほとんどの場合、歯茎の黒ずみが薄くなるほか、黒ずみが消えるなどの効果が見られます。
喫煙をされている方などは、2~3回繰り返すとずいぶんとキレイになりますが、原因によっては期待していた効果が現れないこともありますので、事前に歯科医と相談しましょう。
黒ずみは復活するの?
歯茎のホワイトニングは、色素が戻りにくいと言われています。多くの場合、2~3年は歯茎のホワイトニング効果が持続します。ただし、喫煙者、コーヒーや紅茶など、色の濃い飲食物を多く摂る方は、色素の復活が起こりやすいので要注意。個人差がありますが、だいたい半年から1年ほどで歯茎が黒ずんできます。
メリットデメリットは?
歯茎のホワイトニングで得られるメリットとは、さまざまな原因によって変色してしまった歯茎を本来の自然な色に戻すことができることですよね。しかも、歯茎の色を抜いたり染めたりするのではなく、変色してしまった歯茎の黒ずみをはがしとり、新しい歯肉へと生まれ変わらせることで、健康的でキレイな歯茎を実現することができます。
歯や歯茎が黒ずんでいると、年齢よりも老けて見られてしまいますよね。人と接する際、どうしても気になる口元が健康で美しくあることは、若々しい印象を与えるだけではなく、ご自身の気分もイキイキとしてきます。
さらに、前述しましたとおり、歯のホワイトニングと比較して、色の戻りがゆっくりしています。ホワイトニング後の生活習慣にもよりますが、一度ホワイトニングを施術すると、2~3年は健康で自然な歯茎の色を維持することができます。
とはいえ、残念ながら歯茎のホワイトニングによるデメリットもあります。
施術を受ける時間は短いものの、白いかさぶたがはがれ落ち、しばらくの間は食事制限があります。コーヒーや紅茶など、色の濃い飲み物やカレーなどの色味の濃い食事をはじめ、炭酸飲料水、喫煙などを控えないと、効果が減ってしまうこともあります。
また、施術を受けている間、薬剤によって痛みが生じることもあります。痛み止めによって痛みは取れるものの、しばらくの間、不快な思いをするかもしれません。
さらに、歯茎のホワイトニングを行うと、1週間ほど歯茎に白いかさぶたができます。この間、口の中が不快になるほか、かゆみや痛みなどが生じることもありますが、このかさぶたが自然にはがれるまではグッと我慢しなければなりません。
なお、歯茎のホワイトニングを行っても、期待していたほどの効果が得られない場合があります。歯周病などの病気が原因で歯茎が黒ずんでいる場合をはじめ、金属のかぶせ物などが原因の場合は、とくに効果が見られないことがよくあります。
また、施術で使用する薬剤(フェノールやアルコール)にアレルギーがある場合、何らかの病気のために薬を服用されている場合、子どもや妊娠している方は施術を受けることはできません。
気になりだしたら相談しましょう!
歯茎の黒ずみが気になりはじめたら、歯茎のホワイトニングを行うとキレイになります。ただし、原因によっては、期待どおりの効果が得られないこともありますので、十分に検討し、歯科医院の評判などを調査してから施術を行うようにしましょう。