便秘は食べ物で解消!便秘になる食べ物や食習慣も紹介します

食習慣によって便秘になることは何となくイメージできますが、具体的に何を食べると便秘になるリスクが高くなるのか、知っていらっしゃる方は少ないのではないでしょうか。今回は、食べ物と便秘との関係について考察します。

人間の身体は食べたものによって作られていますが、その食べ物によって便秘になるとしたら困ったものですよね。どのような食べ物を食べると、私たちは便秘になってしまうのでしょうか。また、便秘を解消するような食べ物はあるのでしょうか。今回の記事では、食べ物と便秘との関係について見ていきたいと思います。

便秘を解消する食べ物その1・食物繊維

ごぼう

便秘に悩まされている女性の方は多いと思いますが、便秘は食べたものに多いに左右されます。そこで、便秘を解消する食べ物について紹介していきたいと思います。まずは、便秘といえば食物繊維ということで、食物繊維から見ていきましょう。

不溶性食物繊維

便秘の解消に役立つ食べ物というと、多くの方は食物繊維を含む食品を思い浮かべられるのではないでしょうか。ところで、単に食物繊維といっても、不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維とがあることをご存じだったでしょうか。

また、食物繊維に不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維とがあることをご存知の方でも、不溶性の食物繊維が時として便秘を悪化させる可能性について、ご人事ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不溶性の食物繊維はその名の通り、私たちの持つ消化酵素では溶かすことのできない食物繊維のことを言います。

不溶性の食物繊維というとごぼうに多く含まれているようなイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、実際は、豆類に不溶性の食物繊維が多く含まれています。

水分量が40%以上の野菜で比較した場合、もっとも不溶性の食物繊維を多く含んでいる食品はいんげん豆で、次いでひよこ豆となっています。

その次がおからで、そのあとに小豆が続きます。この4つは、水分量が40%以上の食品の中でも、特に不溶性の食物繊維を多く含むことで知られています。

不溶性の食物繊維には、保湿性が高いという特徴があり、私たちの消化管内にある水分を吸収しながら、ゆっくりと胃から腸へ移動していきます。

不溶性の食物繊維がなぜ便秘の解消に効果的かというと、腸管内で水分を吸収して膨張することによって、腸の粘膜を刺激して便意を促すこととなるからです。

ただ、便秘にはいくつかのタイプがあり、場合によってはかえって便秘を悪化させてしまう可能性もあります。

私たちが便秘というとき、たいていは機能性便秘のことを意味します。便秘には、なんらかの疾患によって起こる器質性の便秘もありますが、多くは生活習慣や食習慣によって起こる機能性便秘であることがほとんどです。

機能性便秘には、弛緩性便秘やけいれん性便秘、直腸性便秘がありますが、その内、不溶性の食物繊維が役に立つのは弛緩性便秘と直腸性便秘です。

弛緩性便秘は、筋力の低下や腹圧の低下などが原因となって腸の蠕動が不活発になり、それによって便が直腸に送られにくくなるタイプの便秘のことを言います。

直腸性便秘は、肛門の手前にある直腸までは便が送られるものの、便意を我慢したり排便に割く時間が足りなかったりすることで、便意が消失してしまうタイプの便意のことを言います。

こういった便秘が見られるときに不溶性の食物繊維を摂取することで、便意を促して便を排出することができるようになる訳です。

ただし、どのような便秘にも言えることですが、便秘の期間があまりにも長くなっている場合、大腸で水分を吸収され過ぎて便が固くなってしまいます。

そのようなときに不溶性の食物繊維をたくさん摂ってしまうと、さらに便が固くなって、排便が困難になる可能性があります。まずは自分の便秘がどのタイプかを知ること、そして、どれくらいの期間に渡って便秘が続いているのかを把握することが大事です。

特にけいれん性の便秘の場合、継続的なストレスによって便がウサギの糞のようにコロコロになってしまいます。そのようなときに不溶性の食物繊維を摂ってしまうと、さらに便秘が悪化することとなるため注意が必要です。

水溶性食物繊維

食物繊維は大きく分けて不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維とがあります。水溶性の食物繊維はその名の通り、体内で水分に溶けるという特徴があります。

体内で溶けた水溶性の食物繊維はゲル状になって、消化管内を移動することとなります。そのため、便が固くなって排便が困難になっている人は、水溶性の食物繊維を摂取するのがおススメです。

水分量が40%以上の食べ物の中で、ダントツに水溶性の食物繊維の含有量が多い食べ物はエシャロットです。ただ、エシャロットを食べる機会はそう多くないのではないでしょうか。

エシャロットに続いて水溶性の食物繊維の含有量が多い食べ物としてはニンニクがあげられています。その次にユズの果皮やユリ根が続いています。

とはいうものの、ユズの果皮やユリ根もそうそうたくさん食べる機会がないと思います。そこで現れるのがごぼうです。ごぼうには不溶性の食物繊維だけでなく、水溶性の食物繊維も豊富に含まれています。

ごぼうが便秘の解消に効果的だというのは、不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維とをバランスよく含んでいるからにほかなりません。

ごぼうのほかに水溶性の食物繊維を多く含んでいて、日常の食事で無理なく食べられそうな食品としては、納豆やアボカド、オクラなどがあげられています。

ちなみに、水溶性の食物繊維には、腸管内で糖質を包み込み、糖質が腸管に吸収されるのを防いでくれる働きもあります。

最近の研究の結果で、私たちが太ってしまう原因は、糖質の過剰摂取であることが分かってきています。そのため、水溶性の食物繊維を摂取することで、肥満を予防する効果も期待できるという訳なのです。

便秘を解消する食べ物その2・発酵食品

漬物

便秘を解消する食べ物としては、発酵食品もあげられます。健康食品としても優秀な発酵食品は、便秘を解消する際にも効力を発揮してくれます。便秘を解消するための発酵食品は、大きく分けて植物性乳酸菌と動物性乳酸菌とに分類できます。

植物性乳酸菌

植物性乳酸菌は、米や麦などといった穀類や、豆や野菜といった植物を発酵させるときに必要となる乳酸菌のことを言います。

植物性乳酸菌は、穀類や野菜、豆類に含まれるショ糖やブドウ糖、果糖や麦芽糖をエサとして発酵します。植物性乳酸菌によって発酵した代表的な食べ物が、味噌や漬物、納豆やキムチです。

発酵食品には、後述する動物性乳酸菌によるものもありますが、動物性乳酸菌がおよそ20種類しかないのにくらべて、植物性乳酸菌はその10倍はあるとされています。

植物性乳酸菌にも動物性乳酸菌にも、ともに腸内環境を整える働きが期待されており、便秘や下痢といった排便障害を解消するのに効果的とされています。

動物性乳酸菌

植物性乳酸菌がショ糖やブドウ糖、果糖や麦芽糖をエサとして食べ物を発酵させるのに対し、動物性乳酸菌は動物の乳に含まれる乳糖をエサとして食べ物を発酵させます。

動物性乳酸菌によって発酵した代表的な食べ物が、チーズやヨーグルトなどです。動物性乳酸菌は腸内で善玉菌のエサとなることから、腸内細菌のバランスを整え、便秘を解消してくれる効果が期待されています。

便秘を解消する食べ物その3・その他

オリーブオイル

便秘を解消する食べ物は以上の通りですが、その他にも便秘を解消するのに効果的な成分があるので紹介しておきたいと思います。

植物性油

植物性の油には、便の表面を軟らかくして、腸管内を便が移動しやすくする働きがあります。油は肥満や生活習慣病の元として敬遠されがちですが、身体にとって必要な成分でもあります。

特に、必須脂肪酸を含む植物性の油は、健康のためにもある程度の量を摂取した方がよいとされます。代表的な脂肪酸としては、オレイン酸やリノレン酸などがあげられます。

マグネシウム

ミネラルの一種であるマグネシウムも、便秘の改善に効果的だとされています。マグネシウムには水分の吸収を高める効果があり、便を軟らかくしては便をスムーズにする働きが期待されているのです。

マグネシウムを多く含む食べ物としては、アオサやアオノリなどが知られています。その他にも干しエビや桜エビ、ゴマなどがマグネシウムを多く含む食材として知られています。

オリゴ糖

オリゴ糖も便秘を解消するのに効果的だとして、最近になって注目されている食材です。オリゴ糖には腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を改善してくれる働きが期待されています。

便秘を解消する飲み物

カカオ

便秘を解消する効果が期待できるのは食べ物だけではありません。飲み物の中にも、便秘の解消効果が期待できるものがあります。以下に便秘解消効果が期待でいる代表的な飲み物を紹介しておきたいと思います。

白湯

白湯を寝る前に1杯飲んだり、寝起きに1杯飲んだりすることによって、便秘の改善効果を得ることが可能となります。

白湯を飲むことによって水分を補給し、便を軟らかくすることが可能となります。また、白湯を飲むことによってお腹を温め、血行を促進することもできますよ。

ココア

健康食品としても注目されているココアですが、豊富な不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維とを含んでいるため、便秘を解消するのにも効果的だということです。

お茶

お茶にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を改善して、便秘を解消する効果が期待されています。

ただ、後ほど紹介するように、タンニンを摂取するとかえって便秘を悪化させてしまう可能性があります。そのため、タンニンやカフェインが含まれていないお茶を摂るようにしましょう。

お酢

健康食品としてよく知られているお酢ですが、便秘の解消にも一役買ってくれます。お酢には腸内環境を改善して、腸の蠕動を活発にすることで、便秘を解消する効果が期待されています。

料理をするときにお酢を用いても構いませんし、食卓にお酢を常備しておき、野菜炒めなどに掛けるのもよいでしょう。また、リンゴ酢などを水や炭酸水で割って飲むもの効果的ですよ。

便秘を招くもの

ステーキ

食べ物や飲み物の中には、飲食することによって便秘になるリスクを高めてしまうものもあります。以下に、代表的な3つの食べ物や飲み物を紹介しておきたいと思います。

便秘になっている人の特徴として、お肉を食べることを好み、野菜をあまり食べないということがあげられます。

腸内には無数の細菌が住んでおり、善玉菌と悪玉菌、日和見菌が微妙なバランスを保って存在しています。ところが、悪玉菌の割合が増えると、日和見菌が悪玉菌と同じ働きをするようになり、腸内環境が悪化し、結果として便秘や下痢といった排便障害を招くのです。

お肉に含まれているタンパク質には、腸内の悪玉菌を増やしてしまう働きがあります。悪玉菌が優勢になると、腸内環境が悪化しやすくなってしまうのです。

腸内環境が悪化して便秘がちになっているときには、肉食を避け、乳酸菌系の食べ物を積極的に摂取するようにしましょう。また、普段からお肉を食べるときには、ヨーグルトやチーズ、漬物やお味噌など、乳酸菌系の食べ物を一緒に摂るよう心がけましょう。

タンニン

緑茶などに含まれているタンニンも、便秘の人があまり摂りすぎない方がよい成分です。タンニンを摂取すると、腸の粘膜に特殊な膜ができ、腸の蠕動を妨げてしまいます。

蠕動とは、腸管の胃に近い方が収縮し、直腸に近い方が拡張することで、便を徐々に直腸の方へと送る働きのことを意味します。蠕動が弱まると、便秘になる可能性が高くなってしまうのです。

粉もの

お好み焼きやたこ焼きなど、関西人が好むいわゆる「粉もの」も便秘を招く元として知られています。

粉ものとは小麦粉を用いて作られた食品のことを言いますが、小麦粉には水分を吸収して固まるといった性質があります。

また、お好み焼きには不溶性の食物繊維を多く含むキャベツや長ネギなどが含まれており、それによって腸内の水分を吸収し、便を固くしてしまう可能性があるのです。

便は健康のバロメーター

今回は、便秘を解消するための食べ物や、便秘を招いてしまう食べ物などについて紹介しました。便は食べ物からできているので、食べたものによって便の状態が左右されるのは、ある意味あたりまえということですね。

便は健康状態を知るためのバロメーターでもあります。便秘が続いているときには食習慣を振り返って、便秘になりやすい食生活をしていないか注意してみましょう。