最近、街中にホットヨガなどのヨガスタジオをよく見かけるようになりました。ヨガには肩こりや首こりを改善する効果があると宣伝していますが、本当に肩こりや首こりはヨガで改善できるのでしょうか。
また、肩こりを改善できるのであれば、どんなポーズが効果的なのでしょうか。今回は、ヨガで肩こりが解消できる理由を解説するとともに、初心者でもできるヨガポーズを紹介したいと思います。
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まずは肩こりの原因を学ぼう!
肩こりや首こりがヨガで改善できるのかについて解説する間に、まずは肩こりの原因について知っておきましょう。肩こりの原因を知れば、おのずとヨガで肩こりが改善できるかどうか、分かると思いますよ。
肩こりには5大原因があるとされています。そのうちの1つは病気です。心疾患があるときに、肩こりが見られるケースもあるということです。この場合は、ヨガをやっている場合ではありません。
その他4つの原因は、「長時間の同一姿勢」「眼精疲労」「ストレス」「運動不足」となっています。デスクワークが主流となった昨今、仕事の間中座りっぱなしという人も多いのではないでしょうか。
また、同一姿勢でずっとパソコンのモニターを眺めていると、目も疲れてきます。その結果、肩や首の筋肉が緊張して、硬くなってしまうのです。
ストレスがたまると、自律神経のバランスが乱れて、血行が悪くなります。首や肩への血流が減少すると、首や肩が冷えることとなり、肩こりや首こりにつながってしまいます。
あと、運動不足によって血行が悪くなると、やはり首こりや肩こりを発症するリスクが上昇します。このように、肩こりには血流が大きく関与しているのです。
ヨガが肩こりの解消に効く理由
それでは次に、ヨガが肩こりの解消に効果的な理由について解説していきたいと思います。肩こりの原因を踏まえれば、答えはおのずから明確だと思いますよ。
ヨガは固まった首や肩まわりの筋肉をほぐしてくれる
ヨガをおこなうと、凝り固まった筋肉がストレッチングされ、筋肉に柔軟性が生まれます。一般的に私たちが単に「筋肉」といった場合、それは骨格筋のことを指すケースがほとんどです。
骨格筋はその名の通り、原則として骨と骨とを結んでおり、骨格を安定させる働きのある筋肉です。骨と骨とを結んでいるため、骨格筋が収縮することで、関節を動かすことが可能となっているのです。
ただ、筋肉の働きは、関節を動かすことだけにとどまりません。筋肉には、熱を発したり、心臓から全身の隅々に送られた血液を心臓へと送り返したりする働きもあります。
そのため、筋肉が凝り固まってしまうと、血管を圧迫して、血液の循環を阻害してしまうのです。ヨガをおこなうと、固くなった首や肩周りの筋肉がゆるむため、血液循環が良好になるのです。
首周りや肩周りへの血流が滞ることを、医学的には「筋疎血」と呼んでいます。血液の循環が滞ることによって、痛み物質が発生して、筋肉の疼痛につながるのです。
ようするに、肩こりを改善するためには、血行を良くすることが大前提となるのです。そういった意味では、ヨガは肩こり改善にとって、とても効果的な手段だということが可能です。
肩こりが改善するのに必要な期間
ヨガには肩こりを改善する効果があるということでしたが、肩こりが改善するのにはどれぐらいの期間が必要なのでしょうか。身も蓋もない答え方をすると、「人による」という答えになります。
最近、人気のホットヨガスタジオである「LAVA」のホームページを見ても、「効果には個人差があり、結果を保証するものではありません」という但し書きがついています。
肩こりが改善するまでに必要な期間は、肩こりの程度がどれぐらいなのか、何年間肩こりに悩まされているのか、運動経験はあるのか、身体は固いのか柔らかいのか、年齢はいくつかなど、さまざまな要因によって左右されます。
1つだけ目安を提示するなら、3ヶ月という期間があげられます。なぜなら、筋肉の細胞が生まれ変わるのに必要な期間が、およそ3ヶ月だとされているからです。
肩こりを解消するのにおすすめヨガポーズまとめ
それではいよいよ、今回のメインテーマである、肩こりを解消するのにおすすめのヨガポーズを紹介していきたいと思います。動画も併せて紹介しておきますので、見ながらやってみてくださいね。
ダウンワードドッグのポーズ
ダウンワードドッグのポーズは、ヨガ愛好家の人から言わせると、1日に1回はやっておくとよいポーズだとされています。では、ダウンワードドッグのポーズのやり方と、その効果について見ていきたいと思います。
- ヨガマットに両膝と両肘をついて四つん這いの状態になる
- 両手の指をしっかりと開いて、ヨガマットの幅程度(肩幅以上)に手を開いて置く
- 両膝をヨガマットの幅程度に広げてから、おしりをつきだすように上げていく
- 足首やひざを交互に曲げて、自分にフィットするポジションを探す
- 肩を外側に回すイメージで動かし、耳と肩の間に隙間ができるようにする
- 脚を少しずつ骨盤の幅程度に縮めていく
ダウンワードドッグをおこなうと、肩甲骨はがしのストレッチのような効果が得られるため、肩甲骨や肩関節の可動域が広がり、筋肉に柔軟性が生まれます。ある意味、肩甲骨をほぐすヨガとも言えます。
また、ダウンワードドッグのポーズをすると、頭や肩の位置が心臓よりも低くなるため、脳への血流が増すこととなります。血行が促進されれば、肩こりや首こりを改善することが可能です。
あと、ダウンワードドッグのポーズを正しくおこなうと、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)や背中、胸の筋肉のストレッチにもなるので、姿勢を改善することが可能です。
もし、腱鞘炎や手管根症候群など、手首に痛みがある場合、ダウンワードドッグのポーズをおこなうときに、手を外側に開いておこないましょう。そうすることで、手首にかかる負担を減らすことができます。
ただし、片頭痛を持っている人の場合、タイミングによっては頭痛が悪化する可能性もあります。頭が重い時にはやらないようにしましょう。
鷲のポーズ
鷲のポーズも、肩こりを改善するのに効果的なヨガのポーズです。
- 両足を越し幅程度に開いて立つ
- 右手が上、左手が下になるようにして、身体の前でクロスさせる
- 可能であれば、左肘の上に右肘を乗せるようにする
- 両手の甲を合わせるか、可能であれば両手のひらも合わせる。
- 左足のかかと辺りを右膝の上に乗せる
- 可能であれば右膝を軽く曲げ、左足の甲を右足に巻きつける
- 息を吸いながら両肘を上に挙げていく
- 息を吐きながら上半身を前傾させ、ひじを前に伸ばしていく。背中は丸めないように
- そのままの姿勢で5回ほど深呼吸する。目線は指先に合わせる
- 反対側も同様におこなう
鷲のポーズをおこなうと、肩甲骨の外側と二の腕を結んでいる大円筋という筋肉をストレッチング出来ます。大円筋が緊張すると、肩甲骨が前下方へスライドして、いわゆる「巻き肩」になってしまいます。
また、鷲のポーズをおこなうと、下半身の筋肉に刺激を与えることができます。下半身には全身の7割もの筋肉が集まっているので、効果的に全身の血行を促進することが可能です。
猫のポーズ
猫のポーズも、ヨガではおなじみのポーズです。
- ヨガマットに四つん這いになる。両手は肩幅、両膝は骨盤の幅になるように
- 息を吐きながら背中を丸めていく。猫が相手を威嚇するときのような姿勢に
- 視線は自分のお腹を覗き込むように
- お腹に力を入れて、お腹が引っ込んだ状態をキープする
- 息を吸いながらゆっくりと背中を反らせていく。目線は天井に
- 背中を丸める動作と、そらせる動作を30秒ずつ繰り返す
猫のポーズをおこなうと、肩甲骨や肩周り、背中の筋肉を緩めることが出来、肩こりを効率よく改善できます。また、腰の筋肉やお腹の筋肉もストレッチングできるので、腰痛改善効果も期待できます。
ただし、猫のポーズをおこなう場合、人によっては腰痛がひどくなるケースもあります。そのような場合、背中を反らす動作はおこなわず、背中を丸める動作だけおこなうようにしましょう。
魚のポーズ
魚のポーズにも肩こりを改善する効果が期待されています。
- ヨガマットに仰向けになり、両手をおしりの下に差し込む。手の甲が上になるように
- ひじに力を入れて、胸をヨガマットから浮かせていく
- 何度が繰り返し、慣れてきたら、胸を反らして頭頂部をヨガマットにつける
- その状態で深呼吸を繰り返す
魚のポーズをおこなうと、胸から首の前の部分の緊張を緩和することができます。胸の筋肉や首の前の筋肉が緊張していると、頭が前方へと引っ張られることとなります。
頭が前方へ移動すると、首や肩、背中にかかる負荷が飛躍的に上昇します。魚のポーズによって頭の位置を正常に戻すことで、肩こりを根本から解消することができます。
針の糸通しのポーズ
針の糸通しのポーズも、肩関節は肩甲骨の可動域を上げるのに効果的なヨガのポーズです。肩こりの人は継続しておこなってくださいね。- ヨガマットに四つん這いになる。両手は肩幅、両膝は骨盤の幅になるように
- ひじの内側が正面を向かないように、両肘の内側が向かい合うようにする
- 右腕を真横に広げ、左腕と胸の間に通す
- 右の方がヨガマットに付くように下げていく
- 両手のひら同士を合わせて、おしりを高く突き上げる
- 息を吐きながら、右手をまっすぐ上に伸ばす
- 右手を外に開くイメージで、胸郭を大きく広げていく
- 反対側も同様におこなう
針の糸通しのポーズをおこなうと、肩甲骨の可動域を高めるだけでなく、胸郭を広げることが可能となります。それによって、猫背の姿勢を改善し、肩こりを根本的に解消することができます。
肩こり解消ヨガをするのに必要ヨガアイテム
ヨガのポーズで肩こりを解消する方法については分かりましたが、自宅でヨガをおこなう場合、何が必要となるのでしょうか。最低限必要なものを紹介しておきますね。
ヨガをするのに必要なもの
自宅でヨガをおこなう場合、ヨガマットは最低限必要となります。床でヨガをおこなっても構わないのですが、手や足が滑るので効率が悪いだけでなく、怪我をしてしまう可能性もあります。
また、自分に合ったヨガのDVDを用意するのもよいでしょう。動きやすい服装でおこなうことも重要です。慣れてきたら、自分の好きなBGMを流し、リラックスしながらおこなうとよいでしょう。
ヨガポールは絶対に必要という訳ではありませんが、あればいろいろな筋肉を簡単にストレッチングすることができます。
おすすめヨガマット
オススメのヨガマットとしては、「Active Winner ヨガマット (ストラップ付)」があげられます。価格も2000円台と手ごろですし、アマゾンでの評価も、95%が5段階中4点以上の評価をしています。
おすすめヨガ ポール
オススメのヨガポールとしては、「フォームローラー ストレッチ 肩甲骨」があげられます。マニュアルがついているので、届いたその日から、身体の各部をストレッチング出来ます。値段も手ごろですし、口コミの評価も高いです。
ヨガで肩こりを解消しよう
肩こりを改善するためのヨガのポーズについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。ヨガは肩こり改善効果があるだけでなく、健康にとっても大変有益です。ヨガに興味がある方はこちらの記事もぜひ見てくださいね。
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