オフィスでデスクワークをしていると、肩がこってしまいますよね。肩こりに悩まされている人は多いと思います。では、そもそもなぜ肩がこってしまうのでしょうか。
今回は肩こりの原因について迫るとともに、肩こりを解消するための簡単なストレッチを紹介したいと思います。身体が固い人でもできますし、動画もあるので、分かりやすいと思いますよ。
CONTENTS
あなたの肩は大丈夫?肩こりチェック方法!
肩こりの自覚がある人は多いと思いますが、肩こりって数値化できるものではないので、どれくらいひどいのかが分かりにくいと思います。そこで、肩こりチェック法を紹介したいと思います。
- 両腕の肘から手首までを身体の前でくっつけて、拳が上を向くようにする
- 肘を離さないように気をつけて、腕全体を上方へと挙げていく
- ひじの位置が鼻より上に来る場合→ほとんど肩こりがない理想的な状態
- ひじが口ぐらいまでしか挙がらない場合→軽度の肩こり
- ひじが肩と顎の間ぐらいまでしか挙がらない場合→肩こりがややひどい状態
- ひじが肩の高さ以上に上がらない場合→重度の肩こり
ひじの位置が口ぐらいまでしか来ない軽度の肩こりであれば、簡単なストレッチをおこなうことで、十分に改善が可能だとされています。
ひじが肩と顎の間ぐらいまでしか上がらない場合、肩こりだけでなく、眼精疲労や頭痛も併発する可能性があります。このような人は、生活習慣を見直すことも重要です。
ひじが肩の高さ以上に上がらない人は、重度の肩こりと言えます。肩こりが慢性化している可能性がありますし、四十肩や五十肩など、なんらかの疾患を発症している可能性もあります。
四十肩や五十肩を発症してしまうと、治るのにかなり時間がかかってしまいます。そのため、ひじが方の高さ以上に上がらないような人は、肩こり外来などを受診するのがおすすめです。
肩こりの原因!肩がなぜこるの?
肩こりに悩まされている人はたくさんいますが、そもそも、なぜ肩はこってしまうのでしょうか。肩こりの原因について理解しておけば、肩こりを改善しやすくなりますよ。
長時間の同一姿勢
肩こりの原因としては、長時間の同一姿勢があげられています。デスクワークなど、同じ姿勢でずっとパソコンの画面を見ていると、肩周りの筋肉が、こり固まってしまうのです。
デスクワークをしていると、ついつい顔が前に出てしまいます。そのような姿勢になると、頭の重さが首や肩にかかってしまい、筋肉が緊張して血行が悪くなってしまうのです。その結果、肩こりが起こるという訳なのです。
眼精疲労
眼精疲労も、肩こりの原因と考えられています。小さい文字を読んだり、長時間読書をしたりしていると、目や周囲の筋肉が緊張すると同時に、肩の筋肉も凝って固くなってしまうのです。
特に、パソコン仕事をしていると瞬きの回数が減少するため、ドライアイになりやすいのです。それが眼精疲労や肩こりを引き起こすという訳です。
運動不足
肩こりの原因としては、運動不足もあげられています。運動不足になると、筋肉を使う機会が減少するため、血行が悪くなって肩が凝ってしまうのです。社会人になると、体育の時間に体操をすることもなくなりますしね。
ストレス
ストレスも肩こりの原因とされています。ストレス状態が昂じると交感神経が優位になり、血管が収縮して血行が悪くなります。それによって肩こりが生じるのです。ストレスによる肩こりは、特に女性に多くみられるということです。
頚部疾患
頚部に何らかの疾患を抱えている場合、肩こりを併発することがあります。肩こりをともなう頚部の疾患としては、頚椎椎間板ヘルニアや、むちうち症などがあげられています。
肩がすっきりする!肩甲骨はがしストレッチで肩こりを解消しよう!
肩こりを解消するためには、ストレッチがとても効果的です。特に、肩周りの筋肉である肩甲挙筋や僧帽筋、脊柱起立筋や大胸筋などをストレッチングすることで、効率よく肩こりが解消できますよ。今回は動画を通して、簡単なストレッチ方を紹介したいと思います。
まずは壁を押してみる
肩こりを解消するには、「壁つき胸ストレッチ」から始めましょう。デスクワークで「巻き肩」になっている人にオススメですよ。
- 壁の前に立って、右腕を斜め上の伸ばした状態で手を壁につく
- 身体を左側に捻りながら、右腕の付け根を壁に近づけていく
- 30秒ほどストレッチしたら、反対側も同様におこなう
壁つき胸ストレッチをおこなうと、胸の筋肉である大胸筋をストレッチングすることが可能です。大胸筋が固くなると、肩が前にスライドして、いわゆる「巻き肩」になってしまいます。
巻き肩になると顔が前に倒れて、肩がこりやすくなります。壁つき胸ストレッチをすると、大胸筋の緊張が緩和するので、肩の位置が正常に戻り、肩がこりにくくなります。
斜め上にあげる腕の位置を調整することによって、大胸筋のいろいろな場所に効かせることが可能です。自分で気持ちいいと思う位置を探してやってみましょう。
肩甲骨の可動域を広げるストレッチ
肩こりを解消するためには、肩甲骨の可動域を広げることが必須です。肩甲骨の可動域を広げるには、ダイナミックストレッチがオススメです。
- 両足を肩幅程度に開いて立つ
- 両手を肩の高さにあげ、まっすぐ前に伸ばす。手の甲は外を向くように
- 肩甲骨を寄せながらひじを曲げる。その際、手のひらを外側に向ける
このストレッチをおこなうと、胸郭を開くことができるため、頭の重さによる頚部や肩への負担が減少します。また、肩甲骨の可動域が広がることで血行を促進し、肩こりを解消することができます。
肩甲骨を寄せる際には、首に力が入らないように気をつけましょう。腕をまっすぐではなく、やや斜め下へと引くとよいでしょう。また、わざわざストレッチのための時間を作らなくても、テレビを見ながらストレッチしてもいいですよ。
背中で腕を引っ張る
背中で腕を引っ張るのも、肩こりの解消に効果的です。普段からこのストレッチをおこなっておくことで、将来の四十肩や五十肩の予防にもつながりますよ(動画の2:17あたりから)。
- 右手で右の肩甲骨を触る
- 左手で右の肩甲骨を触る
- 両手を寄せて互いに引っ張り合う
- 反対側も同様におこなう
このストレッチを行うと、肩甲骨だけでなく、肩関節の可動域も広げることができます。肩こりの原因のところでも紹介しましたが、肩は動かさないことによって、こってしまうのです。
そのため、普段からこのようなストレッチをおこなって、血行を良くしておくことが重要です。デスクワークの合間などにおこなうのもよいでしょう。
腕開閉のストレッチ
肩こりを解消するのに、寝ながら簡単にできるストレッチもあるので、紹介しておきたいと思います。股関節も同時にストレッチングできるのでおすすめですよ。
- 仰向けに寝る
- 両足の裏をつけ、手はバンザイをする
- 目を閉じリラックスして大きく深呼吸
この動画では紹介していませんが、両手を真横に開くのも効果的です。肩甲骨や肩関節の可動域を広げ、肩こりを気持ちよく改善できますよ。
タオルを使ったストレッチ
肩こりを解消するのに、タオルを利用したストレッチ法もあります。立っていても座っていても簡単にできるので、ぜひやってみてくださいね。
- タオルを両手で、肩幅より少し広く持つ
- ひじを伸ばしたまま、タオルを頭の上に持ち上げる
- 息を吐きながらゆっくりと両肘を曲げ、タオルを首の後ろに持ってくる
- 息を吸いながらひじを伸ばし、タオルを頭の上に持ち上げる
- 10回繰り返す
このストレッチをおこなうと、肩甲挙筋や僧帽筋、脊柱起立筋や大胸筋などを効率よくストレッチングできます。お風呂あがりについでにやるといいでしょう。
肩こり解消グッズの力を借りよう!
肩こりの原因と、肩こりを解消するストレッチについて分析すると、肩こり解消のポイントは、「血行を促進する」ことと、「肩甲骨や肩関節の可動域を高める」ことが重要である、ということが分かります。
血行を促進するのであれば、肩や首周りを温めるのが効果的です。
首を温めることは、お医者さんも推奨しています。風邪の予防にも効果的ですし、睡眠の質を高めてくれる効果もあるそうですよ。
肩甲骨や肩関節の可動域を高めると、肩こりの解消だけでなく、将来の四十肩や五十肩の予防にもつながります。
どうしても無理だったら注射という手段も
冒頭で、肩こりのチェック方法を紹介しました。軽度の肩こりであれば、今回紹介したストレッチで十分に改善が可能です。ただ、重度の肩こりの場合、ストレッチをすること自体が困難なケースもあると思います。
そのような場合は、整形外科などで治療をしてもらうという手もあります。治療法の1つが、トリガーポイント注射と呼ばれるものです。
トリガーポイントとは、痛みを引き起こす「引き金」となっている場所を意味します。そこに、局所麻酔剤や生理食塩水を注射することによって、筋膜の癒着を剥がし、結果として肩こりの改善につながるのです。
トリガーポイント注射をおこなう際には、はじめに超音波検査(エコー)をおこない、どこにトリガーポイントがあるのかを探ります。そのうえで、モニターを確認しながら、トリガーポイント注射をおこないます。
肩こりにはもう悩まない!
肩こりに悩まされている方は多いと思いますが、日常的にストレッチをおこなうことで、きっと改善することができると思います。今回紹介したストレッチは、ぜんぶやったとしてもせいぜい10分ほどです。毎日たった10分のストレッチをおこなうことで、肩こりは改善できます。
また、肩こりは血行が悪くなることで悪化します。そのため、普段からお風呂に浸かるなどして、身体を温めることが重要です。将来の四十肩や五十肩を予防するためにも、ぜひ継続してくださいね。
▼この記事の出典一覧