爪はどんな栄養素でできているのか、考えてみたことありますか? 爪は何でできていて、なぜ伸びて、切っても痛くないのはなぜでしょうか。髪の毛と同じだとどこかで見たことがあっても、爪は髪の毛のように抜けることはありません。爪が痛んできたとき、どんな食材を摂り入れたらいいのか、実はよくわからないという方、けっこういらっしゃいますよね。今回は爪にいい食べ物についてご紹介したいと思います。ネイルアートを楽しんでらっしゃる方、必見です。
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爪が伸びるメカニズム
爪は皮膚の仲間です。爪は硬いため、骨の仲間かと思われますが、そうではありません。表皮の角質が硬く変化してできたもので、角質器と呼ばれています。ちなみに、髪の毛などの毛も同じ角質器です。
そんな爪は、外に露出している爪の表面である爪甲(そうこう)、根元の皮膚に隠れている爪根(そうこん)に大別されます。爪根には爪母基(そうぼき)という部分があって、そこで新しい爪が作られています。ここには、新しい爪を作るための爪母細胞が集まっていて、細胞分裂をしながら新しい爪が生まれ、古い爪を押し出しながら伸びていきます。
爪甲には、根元に半月状の白い部分があります。これは爪半月(そうはんげつ)と呼ばれ、この部分は新しくできた爪で、水分を多く含んでいるため、白く見えます。
ところで、手の爪は1ヶ月におよそ3~4mm伸びると言われています。足の爪はもっと伸びるのが早く、その半分ほどのスピードで伸びるのだとか。若い人ほど爪が伸びるペースが速く、年齢とともにペースは遅くなっていきます。
爪を作っている成分
爪の主成分はケラチンと呼ばれるたんぱく質の一種です。この成分は髪や皮膚の角質層を形成している成分で、18種類のアミノ酸が結合してでき、弾力性があり、水分を含んでいます。構成しているアミノ酸によって、爪や髪の硬ケラチン、皮膚の角質層の軟ケラチンに分かれています。ケラチンには、ほかのたんぱく質にはほとんど含まれていないシスチンというアミノ酸を含んでいることも特徴です。
シスチンは、シミの原因となるメラニンをつくる酵素の活性を抑制する作用があるほか、皮膚や爪を強くして、髪のハリを与える効果などがある成分です。メチオニンやセリンという成分から合成されますが、メチオニンは体内で合成されない必須アミノ酸なので、食べ物から摂取しなければなりません。つまり、爪や髪、皮膚を健康的にするためには、食べ物から栄養を摂らなければならないということになります。
爪のためにとるべき栄養素
爪の健康を目指すにはしっかりとした食生活を送ることが大切。なかでも、爪の主成分であるたんぱく質をはじめ、体内では合成されないメチオニンを多く含んでいる食材を積極的に摂ることが重要です。たとえばホウレンソウやニンニクといった野菜、鶏肉や牛肉、魚類、カシューナッツやピスタチオなどのナッツ類、グリンピースや豆腐、インゲン豆などの豆類などです。こうした食材を成分ごとにご紹介したいと思います。
たんぱく質
爪の主成分であるケラチンはたんぱく質の一種です。ケラチンは18種類のアミノ酸から構成されていますが、中には体内では合成されない必須アミノ酸も含まれているため、バランスよくさまざまな食べ物を摂ることが大事。たんぱく質を多く含んでいる食べ物には、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品など。
ビタミンA
ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。ビタミンAは、肉類や魚類に多く含まれていますが、野菜ではモロヘイヤ、ニンジン、ホウレンソウ、しそ、パセリなどに多く含まれています。ホウレンソウは、爪を作る上で重要な栄養素であるメチオニンを多く含んでいる食べ物でもあるため、意識して摂取したい食材です。
ビタミンB2
ビタミンB2も皮膚や粘膜の健康に働く栄養素ですが、糖質、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーにするなどの代謝に関わっています。意識して摂り入れたい食べ物です。多く含まれている食材には、レバーやうなぎ、卵、豆類、乳製品、葉菜類など。不足すると、皮膚や粘膜に炎症が現れやすくなりますので、爪が割れやすくなったらビタミンB2不足を疑ってみましょう。
ビタミンE
抗酸化作用により、血行をよくして、体内の細胞膜の酸化などによる老化を予防する若返りのビタミン、ビタミンE。潤いのある爪を作る上で重要な栄養素です。ビタミンEが多く含まれている食べ物には、アーモンドなどのナッツ類、オリーブオイルなどの植物油、魚介類などがあります。ナッツ類は健康な爪を作る上で必要な必須アミノ酸であるメチオニンも多く含まれていますので、積極的に摂りたいです。
鉄
爪の表面がデコボコしていたり、やわらかくて割れやすかったり、白っぽくてツヤがなかったり、指先が冷たくて爪を切っても音がしなかったりする方は、鉄分が不足している可能性があります。鉄とはミネラルの一種で、おもに赤血球を作る上で重要な栄養素です。とくに女性は、月経による出欠をはじめ、妊娠や出産で鉄分が失われるため、しっかりと摂取することは大切。肉類や魚類、貝類、豆類、緑黄色野菜、海藻類など、多くの食材に含まれていますので、バランスよく摂取していきたいです。
健康な爪を育てるためのコツ
食事面で身体の内側からしっかりとサポートしたら、身体の外側からのアクションも大切です。健康な爪を育てるためには、血行を促すマッサージ、ベースコートや美容液などの使用、しっかりとした保湿など、日頃のケアが必要です。
血行をよくするためにマッサージを行う
どんなにすばらしい栄養素を摂り入れても、血行がよくなければ必要な栄養素がしっかりと働いてくれません。血行を促すためには、爪のマッサージなどを行うことはとても大切。しかも、マッサージによって、ストレスが解消されたり、イライラが落ち着いたり、冷え性を改善したりと、嬉しい効果も期待できます。ハンドクリームやマッサージオイルを使って、爪の根元に位置する爪根を刺激してみましょう。ただし、あまり強い力を加えると、爪を傷つけることもあります。
ベースコートや美容液なども使用する
爪のためのベースコートには、ネイルの発色をよくするほか、爪を保護するなどの働きがあります。爪にダメージを受けてらっしゃる方は、とくにベースコートを使うことをおすすめします。また、爪用の美容液には、爪に必要な成分が配合されたタイプのものもあります。指先は顔と同じように目立つパーツで、その人の美しさを引き立てるものでもありますので、爪の状態が気になりだしたら取り入れてみてください。
保湿は怠らない
爪や指先の乾燥は、爪トラブルを招きます。爪が硬くなり、弾力がなくなり、割れたり欠けたりするようにもなりますので、保湿は怠らないように意識したいです。爪の保湿のためのネイルオイルをはじめ、ハンドクリームなどをこまめに使うようにしましょう。肌の乾燥は気になっても、爪の乾燥は気にしていなかった…という方も多いですよ。
まとめ
いかがでしたか。爪の健康は、食事として摂り入れ、身体の内側からケアすると同時に、マッサージや保湿などの日頃のケアで、身体の外側からアプローチしていくことで、実現されることがわかりました。これまで食生活がいい加減だった方は、これを機会に食生活を見直し、身体の内側からも健康で美しくなるようにしていきませんか。ネイルアートでかわいく飾った爪を、よりいっそう輝かせることができますよ。