爪も乾燥するなんて、考えたこともなかった方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。実は、爪は保湿が必要です。爪が乾燥すると硬くなり、ツヤがなくなるだけではなく、弾力もなくなってしまうんです。乾燥が原因で爪にヒビが入ってしまうと、衣類が引っ掛かってしまったり、手や顔を傷つけてしまったりするとトラブルの元になります。今回は、爪の保湿についてご紹介したいと思います。
爪はなぜ乾燥するの?
爪が乾燥する理由はいろいろあります。洗剤や石鹸、ネイルや除光液など爪の外側に付着するもの、紫外線のように外側から影響を与えるもの、栄養不足や体調不良など身体の内側から影響を及ぼすものなど、さまざまな原因があります。つまり、日常生活において、爪はかんたんに乾燥してしまうのです。
爪の構造
- 爪母基(そうぼき):新しい爪を作る爪母細胞が集まっている部分。新しく生まれた爪が古い爪を押しやって、爪が伸びていく。
- 甘皮(あまかわ):爪甲の上を帯のように覆う皮のこと。爪上皮ともよばれている。生まれたばかりのもろい爪を保護している。
- 背爪(はいそう):3層になっている爪の最も表面の層のこと。薄いケラチンでできていて、縦方向に連なっている。
- 中爪(ちゅうそう):3層になっている爪の真ん中の層のこと。厚いケラチンでできていて、横方向に連なっているため、爪に硬さと柔軟性を与えている。
- 腹爪(ふくそう):3層になっている爪の最も内側の層のこと。背爪と同じように、薄いケラチンが縦方向に連なっている。
爪の乾燥する7つの原因
爪が乾燥する原因には大きく分けると7つあります。いずれも日常において起こりうるものばかりです。逆に言えば、日々の生活の中で意識していくことで、爪の乾燥が避けられることにもなります。原因についてよく知っておくことで、指先の健康が守られるということにもなりますので、しっかりと頭の中に入れておきたいですね。
洗剤・石鹸・消毒液
日常の手洗いや家事などで使う洗剤や石鹸のほか、感染症予防のための消毒液。こうした薬剤が原因で手や爪を乾燥させてしまうことがあります。毎日のことなので、なかなか意識することが難しいのですが、手洗いや水仕事の際は、手や指先が荒れてしまうことを意識しないといけませんね。
紫外線
紫外線に浴びると、皮膚から水分が蒸発し、肌が乾燥するのと同じように、爪の水分も失われ、乾燥しやすくなります。顔や首、腕や手など、日焼け対策をしっかりとしていても、爪の日焼け対策をすっかり忘れていた…という方、けっこう多いのでは? 足の爪も忘れやすいパーツです。爪の先までしっかりとガードすることを心がけたいですね。
除光液(リムーバー)の使い過ぎ
ネイルオフのたびに使う除光液。その化学成分であるアセトンは、ネイル落ちがとてもいい反面、爪の油分もいっしょにふき取ってしまうことで、爪や指先が乾燥してしまいます。指先が白っぽくなるほか、黄ばんだり、爪の表面の背爪がはがれたりすることも。アセトンフリーの製品を使うことで爪の乾燥予防になります。
ジェルネイル
大人気のジェルネイルですが、同時にトラブルも伴います。ジェルネイルの効果ライトは紫外線のため、日焼けしたときと同じように爪に負担がかかります。また、リムーバーも刺激が強く、指先や爪を傷めることに。ジェルネイルは指先の重要オシャレアイテムですが、ときどき爪を休ませてあげることも大切です。
冷え性
体が冷えると、血液の流れが悪くなり、指先にも影響を及ぼします。このため、冷え性の方中には、爪のトラブルに悩まされる方がけっこういらっしゃいます。なるべく体を冷やさないようにし、夜、寝る前はお風呂に入ってゆったりと過ごすなど、日常的な対応で改善することもあります。
乾燥したものに触れる
ほとんど気にすることなく、日常生活でいろいろなものに触れています。そんな中で、乾燥して乾いた洗濯物、コットンなどの布地、ティッシュや紙など、乾燥したものに触れることが原因で、指先や爪が乾燥することも考えられます。
栄養不足
過度な食事制限などのダイエット、栄養価の低い食生活や偏った食生活など、栄養バランスが悪くなると、爪に影響が及ぶことがあります。爪の表面にデコボコが現れ、指先の美しさが失われてしまいます。日頃からバランスのいい食生活を心がけて、指先も美しくありたいですよね。
爪を保湿する5つの対策
日常生活でよく起こるシチュエーションで爪が乾燥することがわかりました。では、どのようにして爪に保湿を与えていったらいいのでしょうか。ここでは、爪を保湿するための具体的な対策についてご提案したいと思います。ぜひ参考にして、指先や足先の美しさを取り戻しましょう。
除光液を頻繁に使わない
除光液は爪の油分や水分を失わせる成分が含まれています。このため、頻繁に使わないようにすることも爪の保湿という意味において大切です。ネイルできれいに指先を飾ったら、しばらくは美しいままキープするようにしましょう。
しばらくして除光液を使う際は、使用した後にしっかりと手を洗い、ネイルオイルなどを使って十分に保湿をするようにしましょう。ネイルオフした爪はしばらく休ませてあげることも大切です。うまく使い分けるようにして、爪の健康も考えたいですよね。
爪にも紫外線対策を
顔、体をいつも念入りに紫外線対策をしているのに、爪まで気にする方はさほどいないと思います。指先や足元、手の甲は日焼けしやすいパーツです。
さらに、日差しが強くなる夏は、冷房などで指先が乾燥しやすいため、日常的に爪の保湿対策が重要になってきます。日頃からオイルやクリームなどで保湿し、外出時は爪や指先までしっかりと紫外線対策を気をつけたいですね。ネイルを塗っている方は、UVカット効果のあるトップコートを使うようにするのも手ですね。
家事をする時はゴム手袋
洗い物や水回りの掃除など、家事をする際にゴム手袋を使うことで、手や指先、爪をガードし、乾燥や荒れから守ってくれます。慣れないと使いにくいこともありますが、水仕事がつらくなる冬場は冷たい水から手先や指先を保護してくれます。
また、家事が終わったら、指先や爪の様子を見て、必要に応じて保湿を取り入れるようにしたいです。毎日のことだからこそ、小まめにケアしてあげましょう。
手洗いや手を消毒した後はすぐに保湿
日常生活で水を使うシチュエーション、数え上げたらキリがありませんよね。それほど日常的に水を使って生活しています。だからこそ、手を洗ったり、消毒したらすぐに保湿を取り入れて、指先の乾燥から保護してあげたいものです。
最近のゴム手袋は、カラーリングもさることながら、かわいい製品もいろいろあります。台所をかわいく彩るアイテムとして、台所を飾りながら、手先の保護に取り組んでいきましょう。
食生活
爪の主成分はタンパク質です。日常的に和食を食べている方は、タンパク質不足になることはそうありませんが、食生活をあまり意識していないと、偏りがちになります。
また、たんぱく質の吸収をサポートしているビタミンやミネラルも重要な栄養素です。多くの栄養素をバランスよく摂取することが健康につながっていき、髪や爪など美しくありたいと思うパーツにツヤを与えてくれます。食生活は、美容という観点からもとても重要なので、意識していただきたいところです。
爪を保湿するグッズ
ハンドクリーム
水仕事をしている方だけではなく、乾燥しやすい肌タイプの方にとっても重要なケア製品であるハンドクリーム。ニベアなどあらゆるメーカーからさまざまなラインナップがありますが、どれにしたらいいのかよくわからなくなってしまうこともありますよね。そこで今回は、アナタに合ったハンドクリームの選び方についてご紹介したいと思います。
ハンドクリームの選び方
いろいろな種類があって選ぶのが難しいハンドクリーム。ハンドクリームの種類を大きく分けると、保湿系、尿素配合系、ビタミン系、天然素材系などに分類できます。
- 保湿系:日常的なケアや手荒れの予防に
保湿系ハンドクリームには、ヒアルロン酸やセラミド、シアバターなどの保湿成分が配合されています。日常的な保湿として使用するのにピッタリの製品です。 - 尿素配合系:ガサガサに荒れてしまった肌に対応
尿素とは手荒れのせいでガサガサになってしまった肌を柔らかくする働きがあります。このため、ひどい手荒れに悩んでらっしゃる方に効果的。ただし、敏感肌の方や症状がひどい方には刺激になる可能性も。使用には注意が必要。 - ビタミン系:皮膚のトラブル解消や健康維持に
皮膚の健康に効果が期待できるビタミンB2やビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体などが配合されたハンドクリームがこちらです。ビタミンB2は肌の生成に働くため、肌荒れに効果が期待できます。ビタミンCは美容や美肌効果が、ビタミンEには若返り効果などが期待できます。 - 天然素材系:敏感肌や成分が気になる方に
無添加などと銘打った製品は、基本的に天然素材のハンドクリーム。敏感肌の方をはじめ、配合成分が気になる方は、こうした天然素材の製品を使うのも手です。しっかりと成分を確認し、アナタが必要としている成分が含まれたものを選ぶようにしましょう。
このほか、好きな香り成分が配合されている製品をはじめ、よく使っているメーカーの製品、水仕事をしているため携帯性のよい製品を選ぶというのも、製品選びのポイントです。
ハンドクリームの使い方
※手順などそのままでわかりにくいところは番号付き箇条書きに変更
指先から手首まで、すみずみにわたってつけたいハンドクリームは爪のまわりまでしっかりとなじませていくと爪の保湿ができます。塗り方のポイントは、とにかく手肌の全体に塗り込むことです。乾燥によるさまざまなトラブルを回避し、美しい手元を演出しましょう。
- 手の甲にたっぷりとクリームをのせ、両手でしっかりとなじませる。
- 指1本ずつ、指のまたから指先に向かって、マッサージしながらていねいに。
- 爪や爪のまわりにも十分に塗り、指先の乾燥から肌を守る。
- 必要に応じて、軽く手全体をマッサージすると、手の疲れが取れてすっきりとした気分に。
ワセリン
石油などのオイルを生成して作られた保湿剤、ワセリン。油性がとても強く、医療において肌の表面をしっかりと保護し、外敵から肌を守ってくれます。このため、各パーツの乾燥予防をはじめ、衣類との擦れなどを予防する際にも使われます。
ワセリンとは
ワセリンは、石油から得た炭化水素の混合物を生成して作られた保湿剤。肌への負担はさほどなく、しっかりと保護してくれるものの、皮膚に塗ると天然の油分を奪ってしまう可能性があるため、正しく使わなければかえって肌が乾燥してしまいます。
ワセリンの使い方
ワセリンは、油性が高いですが、皮膚の内部に浸透することがないので、表面を塗っておくと水分の蒸発を防いでくれます。しかし、ワセリンは油脂性なので紫外線との相性が良くないです。そのため、紫外線対策としてはおすすめできません。外を出るときは紫外線対策のアイテムを使いましょう。
ワセリンの使い方をとても簡単です、一日1~2回程度ネイルオイル等を塗った後、その上に塗るだけです。ワセリンは皮膚に浸透することはないので、上に塗ることによって保湿成分を逃がさないようにしてくれます。
逆に先にワセリンを塗ってからネイルオイル等を塗っても、効果がありません。なぜなら、塗ったワセリンは膜になってネイルオイル等の保湿成分を浸透させないようになってしまうのです。
また、ワセリンは、水仕事をする前に、手肌が荒れたり傷ついたりするのを保護する目的で使うと大変効果的です。冬場の乾燥した時期に、乾燥しやすいパーツを保護したり、いつも肌荒れしてしまうパーツなどをカバーしたりと、上手に使い分けて、肌のトラブルを回避したいですね。
ネイルオイル・キューティクルオイル
ネイルオイル又はキューティクルオイルとは、爪の根元のパーツである甘皮に保湿を与え、乾燥を防ぐためのオイルのこと。一般に、ジェルネイルをつけている方や、ネイルオフして爪を休ませたい方におすすめの製品です。
ネイルオイルは、爪をしっかりとケアするために欠かせないアイテムのひとつです。一般的に、爪を保湿するための油分をはじめ、爪が必要としている栄養分が配合されていて、爪の根元の甘皮の部分に塗ることで、新たに生えてくる爪をサポートするほか、ささくれなどの指先のトラブルを予防することができます。
ネイルオイル・キューティクルオイルの使い方
ネイルオイルやキューティクルオイルは、まず手をキレイに洗ってから使うようにします。でも、手を洗ってもハンドクリームはすぐに使用しないでください。クリームの後にネイルオイルを使うと、クリームの油分のせいでネイルオイルがなじまなくなってしまいます。
マニキュアやネイルを使う方は、ネイルオイルの前に塗ります。マニキュアが十分に乾いてからネイルオイルを使うと、乾燥しやすい爪にツヤや保湿を与え、爪の健康がキープされます。
- 爪の甘皮にオイルをのせていく。
- オイルをのせたパーツを指でマッサージする。
- 爪のまわりもしっかりとネイルオイルをなじませる。
- すべての指の爪で1~3をくりかえす。
爪美容液・美容液ネイル
爪美容液または美容液ネイルとは、文字通り、爪のための美容液。爪を補修したり保湿したりする成分が含まれています。一般に、爪のケアをしながらも、ネイルを楽しみたい方におすすめの製品で、カラー展開があるタイプや爪にツヤを出すタイプなどもあります。
爪美容液は、一般的なネイルのように、爪にカラーやツヤを与えてくれると同時に、爪に潤いを与えてくれる爪のための美容液。さまざまなカラー展開で楽しめるほか、爪にツヤを与えてくれる製品もあるため、ネイルを楽しみながら爪のケアをすることができます。
爪美容液とネイルオイルは似て非なるもの。そもそも、ネイルオイルはオイルのため、爪の保湿に働く油分が含まれていますが、爪美容液はメーカーによってそのテクスチャーが異なります。これは、配合されている美容成分などによるもの。このため、ネイルオイルか爪美容液かどちらかを選ぶ際、好みのテクスチャーで選ぶという選び方もあります。
また、爪美容液は、爪が弱っている方や爪が薄い方などが使うことで、爪をコーティングしてあらゆる刺激から保護する働きもあります。この点、ネイルオイルは、保湿を与えて休ませ、爪をサポートする目的で使うと効果的。爪の保護をどうしたいかで使い分けるといいですよね。
爪美容液・美容液ネイルの使い方
爪美容液の使い方は、一般のネイルと同じです。まずは手をキレイに洗って水分や油分をしっかりと落としましょう。爪の表面、際など、まんべんなく塗っていきます。ささくれなどができやすい方は甘皮の部分をしっかりと塗ってください。爪の裏側にも塗るようにすると、爪のピンクの部分が伸びやすくなるのだとか。
ひととおり爪美容液を塗ったら、製品によってはマッサージしながらなじませていくものや、そのまま塗った爪美容液を乾かすものがあります。また、爪に塗る量なども製品によって異なります。使い方の詳細は、製品の説明書をよく読んで確認するようにしましょう。
ケアをしたら手袋をして潤いを閉じ込めて
ハンドケアの後は保湿手袋などで潤いを封じ込めるのは、もはや定番中の定番です。でも、保湿手袋がかえって手荒れを促すという意見があること、ご存知ですか。
その理由は、保湿手袋は人間がもともと備えている肌のバリア機能を低下させ、肌を弱くしてしまうというものです。また、保湿手袋の素材によっては、手への刺激となって、睡眠を妨げる可能性があるなどの意見もあります。
そこで、保湿手袋を選ぶ際、吸湿性の高い綿やシルク素材を選ぶことが大切です。綿は肌にやさしくしかも丈夫。シルクは吸湿性とともに保湿性や放湿性にもすぐれているため、心地よい条件で肌を保護してくれます。各メーカーからさまざまなラインナップがありますので、アナタの肌に合ったひとつをぜひ選びたいですね。
爪を保湿してツヤツヤの爪を目指そう!
毎日、ちょっとした隙間時間で気軽にできる爪のケア。ほんの少し意識するだけで、指先の保湿がしっかりと取り入れられ、ツヤツヤの爪を目指すことができます。指先や足先の美しさは、その人の美しさを引き出すもの。もちろん、ネイルでキレイに飾られた爪も美しいけれど、勝負のしどころは、何といってもネイルをオフしたとき。このすっぴん状態の美しさが、ネイルの後の美しさにも通じ、視線をくぎ付けにする爪を演出することができます。それほど手間のかかることではありませんので、ぜひ毎日取り入れてみてください。アナタの魅力をまた一段と引き出すことができますよ。