「昔に比べてほくろが増えた」と思ったことはありませんか?もしかしたらそのほくろ、「ニキビ跡」かもしれません。ニキビ跡なら、正しいケアで薄くしていくことができます。
この記事ではニキビ跡とほくろの違いや原因、おすすめのセルフケア方法をご紹介いたします!
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そもそもほくろって何
そもそもほくろとはなんなのでしょうか。日本皮膚科学会では、ほくろは以下のように定義されています。
医学的には色素性母斑ないし母斑細胞母斑と呼ばれ、良性の母斑細胞(ほくろ細胞)の集まりです。メラニンを有するため、褐色~茶色~黒色を呈します。
(日本皮膚科学会)
つまりほくろはニキビ跡とは違い「ほくろ細胞」と呼ばれる細胞が集まってできたもので、良性の腫瘍です。(悪性ではない限りがんではありません)ぽこっと隆起しているものもあれば、平らなほくろもあります。
上記のようにほくろ細胞にはメラニンがあるので、黒色~茶褐色のほくろが多いです。そのため一般の人にはほくろとニキビ跡の見分けがつきにくいですが、実際は違うものなのです。
ほくろとニキビの関係
ニキビ跡はほくろにならない
ご説明した通りニキビ跡とほくろとでは構成している細胞が違うので、「ニキビ跡がほくろになる」ということはありません。つまり「ニキビが大量にできたら全部ほくろになる!」という心配は必要ありません。
ほくろには生まれつき(先天性)のものと、生まれてからできる(後天性)のものがあります。実は後天性のほくろが増える理由は解明されておらず、ニキビが原因というよりは紫外線によってメラニン色素が増えるためと考えられています。
ただ、ニキビ跡はほくろにはならないもののポツンと黒くなるので「ニキビ跡がほくろに変わった!」と思ってしまう人が多いのでしょう。
ほくろとニキビ跡の違い
では、ニキビ跡にできたほくろの正体はなんなのでしょうか。ほくろのようなニキビ跡の正体は、炎症後色素沈着といわれる「シミ」なのです。
ニキビ跡のシミもほくろもメラニン色素が関係していますが、同じものではありません。シミはメラノサイトが生成したメラニン色素が原因で、ニキビ跡の場合炎症によって色素沈着が起きています。
対してほくろは、メラノサイトそのものが変質してできた細胞で、境界母斑・真皮内母斑・複合母斑などの種類に分かれます。(一般の人には見分けることは難しいです。)
ほくろを除去しようと思うと手術しかありませんが、ニキビ跡がシミに変化したものならスキンケアである程度薄くすることはできます。
また、ニキビができてしまったときに間違った処理をしたり無理に引っかいたりすると炎症がひどくなり、よりシミになりやすくなるので適切な対処が必要になります。
ほくろの上にニキビができた時の対応
もしほくろの上にニキビができてしまったら、悪化しないように慎重にケアすることが大事です。「シミになってもほくろと一緒になって目立たない」と安心してボリボリかいてしまうと、メラニン細胞が活発になりほくろの色が濃くなったり大きくなったりして目立ってきます。
ほくろの上にできたニキビも、ほかの部分にできたニキビと同じようにケアしていきます。おすすめは消炎効果のある化粧水で優しくコットンパックしたり、殺菌効果のある軟膏を塗ったりする「保湿ケア」です。普段お肌が敏感ではない人も、ニキビに刺激を与えないように敏感肌用のものやお肌に刺激の少ないものがおすすめです。
メラニン細胞が活発にならないように、お肌に刺激を与えないことがポイントです。ニキビが炎症を起こして腫れや痛みを感じるときは、ハッカ油や冷感のあるニキビ用クリームを使うのもいいでしょう(冷やしすぎると血行が悪くなり、余計にニキビ跡になりやすくなるので注意が必要です)。
ニキビ跡がほくろみたいにならないためには
美白化粧品を使う
ほくろを消そうと思うと皮膚科での手術しかありませんが、ニキビ跡がシミになったものであればセルフケアでもある程度薄くすることはできます。シミには美白有効成分が配合されたスキンケアグッズを継続して使い、少しずつ薄くしていきます。
美白有効成分には、「シミを予防する」働きとできてしまったシミを「薄くする」働きがある成分に分かれます。以下のような美白有効成分が配合された化粧品を使うようにしましょう。
- ハイドロキノン
「お肌の漂白剤」と言われるほど漂白効果が高く、シミの予防とシミを薄くする両方の働きを持っています。最近では、低濃度であれば市販の化粧品に配合していいことになりました。 - ビタミンC誘導体
ビタミンCを人工的に安定させた成分で、シミの予防とできてしまったシミを薄くする(還元)する働きがあります。人によっては刺激や乾燥につながることもあるので、かならずパッチテストを行いましょう。
ターンオーバーを整える
シミの原因となる「メラニン色素」は、お肌のターンオーバー(新陳代謝)が正常にできていれば自然とお肌から排出されていきます。ですが、加齢や乾燥が原因でターンオーバーの周期が遅くなるとメラニンもなかなか排出されず、ニキビ跡のシミも薄くなりません。
ターンオーバーを整えてシミを薄くするなら、美白ケアと同じくらい「保湿ケア」に力を入れましょう。
保湿ケアをするなら、お肌の保湿に欠かせない「セラミド」や「コラーゲン」といった成分が配合されている化粧品がおすすめです。
ターンオーバーが乱れる原因は、加齢や紫外線、睡眠不足や栄養不足などさまざまな生活習慣が影響しています。保湿と美白ケア以外にも、食生活や生活習慣を見直して体の内側のケアにも力を入れましょう。
ビタミンCを摂取する
ビタミンCは美容に効果的な栄養で強い抗酸化作用を持っており、化粧品以外にも食事から取り入れることでも効果があります。強い抗酸化作用を持っているのが特徴で、メラニンの原因の1つとなる「活性酸素」を除去する働きがあります。
また、お肌のハリに欠かせない「コラーゲン」の生成をサポートしたり、脂肪を燃焼させる成分「カルニチン」の生成もサポートしたりするので、美容に欠かせない成分と言えます。
以下の食品に多く含まれますので、積極的に食べるようにしましょう。
- ピーマン(赤・黄)
- 芽キャベツ
- キウイ
- イチゴ
紫外線を避ける
紫外線のダメージを受けると、体はお肌を守るためにメラニン色素を生成します。つまり、メラニン色素を作らないためには紫外線を避けることが大事なのです。
紫外線はニキビ跡のシミだけではなく、しわやたるみ、乾燥といった老化の原因にもなります。紫外線は1年中降り注いでいますので、夏の日差しが強い時期だけではなく、1年を通してなるべくお肌に吸収させないようにしましょう。
具体的には、ベースメイクやメイク下地に日焼け止めが配合されているものを使ったり、薄着になる季節は体にも日焼け止め塗ったりといったことが大事です。
日ごろからのこまめなケアで、ほくろのように見えるシミが増えないように注意してきましょう。
肌の代謝を促す
お肌の細胞を生まれ変わらせるために必要な代謝は、平均では28日周期と言われています。ですが加齢とともにお肌の代謝は衰えていくもので、30代になると40日~50日もかかるといわれています。「年齢が進むと傷がなかなか治らなくなった」という人が増えるのは、お肌の代謝が衰えるからなんですね。
お肌の代謝を促すには、ピーリング成分が配合された化粧水で古い角質を優しく除去してあげるのがおすすめです。お肌に透明感が生まれますし、継続して行っていけばシミが薄くなります。
ただやりすぎは禁物で、ターンオーバーを早めすぎると今度は未熟な肌細胞しか生まれず、お肌のバリア機能が衰える原因にもなります。ピーリングはやりすぎないように注意して、保湿ケアも継続して行うようにしましょう。
ほくろみたいなニキビ跡が消したい方は皮膚科へ
「ほくろみたいなニキビ跡をきれいに消したい」という人は、皮膚科で専門的に治療することをおすすめします。
病院でしか処方できないトレチノインや高濃度のハイドロキノンといった美白クリームやケミカルピーリング、レーザー治療など、ほくろのようなニキビ跡もケアできるさまざまな方法があります。
治療方法によって金額も大きく変わり、塗り薬のみで数千円で治療できることもあれば、レーザー治療で何万円も費用が掛かることもあります。クリニックによって金額はバラバラなので、興味のあるクリニックがあれば一度値段を聞いてみるのもいいでしょう。
スキンケアに比べて高額になることや術後はメイクができないなどのデメリットもありますが、確実に早く治療したい方にはおすすめです。