中学生からの思春期特有の口臭は間違ったケアをしないことが大切

中学生になると様々な身体や心の変化がおこります。特に中学生は男性だと声変わりをしたり女性だと生理がはじまったりしますよね。中学校になってから口の臭いについて気になり始めた人もいるかもしれません。

子供が口臭を発している場合口臭でいじめられたりしたら嫌なので私から言ったほうがいいのかそれとも見守っていてあげたほうがいいのかも気になりますよね。今回は中学生特有の口臭についてあらゆる観点からご紹介してまいります。

柴田はるひ
この記事の監修者
歯科衛生士
歯科医師として、30年近く審美治療にかかわってきて、治療後に患者様の笑顔がより輝いてくることに大きな喜びを感じています。 ホワイトニングや矯正治療後に、「これまでコンプレックスだった箇所が自慢の個所に変わった!」「よく笑うようになった!」など「患者さまの人生を変えることに貢献できた!」と思える瞬間が歯科医師としての一番の喜びだと思っています。最近心に残った言葉は「幸せ」には「人から与えられる幸せ」「自分の力で何かを得る幸せ」「他人に与える幸せ」の3種類あり、「他人に与える幸せ」を知っている人が最高の幸せ者である、という言葉です。 私も人生の折り返し地点を過ぎてきましたので、これからは「他人に与える幸せ」を日々実 践していきたいと考えています。 座右の銘は全ての人を尊重する、日々感謝です。 趣味は格闘技観戦、読書です。
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思春期の特徴と口臭の関係

教室で生徒が手をあげている

中学生くらいの年齢になると体が成長してくると共に心も不安定になってきたりと心身共にデリケートな時期になってきます。思春期は人からどう見られているのかを過剰に気にする年代だと言えます。特にこの時期は学校でいじめが発生しやすい時期です。口臭がひどいとそれだけで「あいつ、臭い!」といじめの対象となってしまいます。

また本当は口臭がしないのに理不尽に臭いがすると嘘の噂を流されてしまい本人も過剰に気にしてしまい、人に会うのが嫌になってしまったりして人格形成に大きな影響を与えてしまいます。

身体の変化

中学生になると男の子であれば体つきが急に男らしくなったり声変わりが始まる、女の子であれば乳房が発達してきたり生理が始まったりと思春期は身体が物凄い勢いで変化していきます。これは思春期になると体の成長ホルモンの分泌が急激に多くなることが原因です。

心の変化

思春期に成長ホルモンの分泌が活発になるとホルモンバランスが乱れてしまい感情の起伏が激しくなってしまいます。思春期は感受性が豊かな時期であり周りの目が気になってしまいます。

また自立心が芽生え親から自立したいなど考えたりと精神的に不安定な時期といえます。自分を客観的にみれるようにもなり、それがかえって口臭を過剰に気にしてしまう原因にもなります。

口の中の変化

成長ホルモンの分泌が活発になるのでホルモンバランスが乱れてしまいます。ホルモンバランスが乱れてしまうと精神バランスが崩れてしまい怒りっぽくなってしまうと自律神経も乱れてしまい交感神経が強くなり、唾液の分泌が少なくなります。

唾液は口内の細菌の殺菌作用があり口臭予防に役立ちます。しかし思春期になると唾液の分泌が減ってしまい口の中が乾燥してしまい細菌が繁殖しやすくなってしまい口臭が発生してしまいます。

また歯並びが整い始める時期ですが歯並びが悪いと歯と歯の間の歯垢が溜まりやすくなってしまいます。溜まってしまった歯垢は口臭や虫歯の原因となってしまいます。

思春期の口臭の原因

女性が鼻をつまんでいる

思春期になってしまうとホルモンバランスや自律神経が乱れることによって唾液の分泌量が減ってしまい口臭が発生してしまいます。

メンタル面による口臭

中学性の時期は口臭が起こりやすい時期ですが、実際には口臭がそこまでひどくないのに周りの友人に「なんかお前臭くない?」など臭いに関する指摘をされてしまって異常に臭いを気にしてしまう場合があります。臭いを指摘されたことで神経が過敏になってしまい、ストレスを感じて自律神経が乱れてしまい唾液が減少してしまい本当に口臭を発生させてしまいます。

口臭が発生していないのに口臭を気にしてしまうことを自臭症といいます。自臭症は実際には臭いを発していないのに自分の臭いが他人を不快にさせているのではないかと悩むことです。中学性の時期に自臭症になってしまうと厄介で親が「臭っていないよ」といってあげることは「親は自分の臭いに気づいていないだけだ」逆効果になってしまう場合があります。

舌苔による口臭

中学性の時期の口臭の原因のひとつに舌苔による口臭が挙げられます。舌苔とは舌にしっかりと磨ききれなかった食べかすや口の中の粘膜や細菌が溜まってしまい白くなってしまうことです。

細菌が溜まってしまうと口臭になってしまいます。食べかすや粘膜が溜まってしまう原因は毎日の歯磨きが雑になっていて食べかすが溜まってしまうこと、また中学性の時期のホルモンバランスや自律神経の乱れによって口の中を殺菌、キレイにする効果がある唾液の分泌が少なくなってしまい舌苔になってしまいます。

ホルモンバランスの乱れによる口臭

中学性の時期になると成長ホルモンの分泌が盛んになるので今までとは違った臭いを発するようになります。中学性の時期になるとホルモンバランスの乱れからニキビが発生したりと体に変化が発生してしまいますが思春期の体臭もホルモンバランスの乱れのひとつです。

口の中でも免疫力の低下などで歯茎が腫れてしまうこともありますので若年性の歯周炎なども注意が必要です。

口呼吸による口臭

子供の頃にいつも口をポカーンと開けて口を閉じられない経験をした方もいると思います。子供の頃の口呼吸の原因には口の筋肉が発達していないことや猫背によって顔が下を向いた状態となってしまい口を開ける筋肉が働いてしまい口呼吸になってしまうというものです。

口呼吸になってしまうと口の中が乾きやすくなる状態となってしまいます。口の中が乾きやすくなってしまったりすると唾液の分泌量が減ってしまい口の中がキレイに浄化されず汚れがたまり口臭や虫歯になってしまいます。

思春期に口臭を伝えるには

女性と女の子が顔を見合わせて笑っている

中学性の時期の子供から口臭がする場合はどのように対処すればよいでしょうか?人生でもかなりデリケートな時期ですので口臭を指摘することでその子が大変なショックを受けてしまう可能性があります。

口臭を指摘することで子供の性格に大きな影響を与えてしまう可能性がありますので伝えるときはとても慎重に行う必要があります。

子供とのコミュニケーションが大事

子供に口臭を伝える場合は子供にコミュニケーションをとることがとても大事になってきます。しかし子供に直接的に「口臭がするよ」と伝えるのは最悪の方法のひとつだといってもよいです。

中学性の時期の子供は食事、歯磨きの生活習慣は親から教えてもらった方法が正しいと思ってその通りに実践しているだけです。「口臭がするよ」とまるで子供が悪いかのような言い方で伝えてしまった場合、子供は親への不信感を募らせてしまうかもしれません。

親からは考えられない理屈であったとしても思春期の頃の子供は大変デリケートなのでとても傷ついてしまう可能性があります。

子供に直接的に伝えるのではなく親が原因をまずしっかり分析することが大切です。子供の舌を見てみて白くなっていれば舌苔である可能性が高くそれは毎日の歯磨きをしっかりしていない可能性が高いので正しい歯磨きを仕方を教えて上げることで解決の可能性が高まります。また、必要であれば舌の掃除の仕方も教えてあげられると良いでしょう。

鼻が詰まっている場合は口が乾いてしまっている場合がありますので耳鼻科に通いましょう。口で呼吸すると唾液が減少してしまい口臭の大きな原因になってしまいます。唾液が分泌されない原因をひとつひとつ潰していっても口臭が発生する場合はホルモンバランスの乱れによる口臭が発生している可能性があります。

その場合は思春期が終わってホルモンバランスが安定してくるのを待つしかありません。なるべくお口の中を清潔にすることを心掛けましょう。

自覚症状がある場合は?

子供が自分から口臭が発生していることに自覚症状がある場合には、歯磨きを一緒にしてあげましょう。子供の口臭の原因は歯磨きの不足が挙げられます。歯ブラシ以外の口腔ケア用品を使うようにすると良いでしょう。また虫歯の可能性がありますので一緒に歯医者さんに行きましょう。

また口臭がしていないのに口臭を発しているのではないかと神経過敏になってしまう自臭症という場合があります。自臭症になってしまった場合は口の臭いを測定する装置で口内の口臭の度合いを数値化してみましょう。口臭外来では口臭が本当にあるのか数値で知ることができます。

口臭は誰にでもあることも伝えましょう。自臭症の場合は視野が狭くなっていますので口臭は誰でも起こることを自覚する必要があります。

思春期の口臭の改善

女性が歯ブラシをもって泣いている

自臭症ではなく本当に口臭が起こっている場合は子供にとっても大変悩ましい問題のひとつです。もしかしたら口臭が原因でいじめられてしまう可能性があります。

思春期の時期はデリケートな時期ですが同時にモラルの判断もしにくい時期なのでいじめがひどくなって子供がかなり辛い思いをしているかもしれませんので親がしっかりと子供の口臭を受け止め改善してあげることが大事です。

舌苔の除去

舌苔が口臭の原因であった場合は舌苔を除去することで口臭が改善されます。舌苔の除去は舌磨きでおこないましょう。舌磨きとは舌磨き専用の器具で行います。

舌を掃除する時は歯ブラシで行うことはやめましょう。歯ブラシは歯のような固いものを磨くために製造されているので歯ブラシで舌掃除を行うと舌の表面が傷ついて逆に舌苔がひどくなってしまう可能性があります。

また正しい方法で舌磨きを行っているのに舌がずっと白い状態で舌苔が改善されない場合があります。その場合は舌苔がかなりひどくなっている可能性がありますのでブラシだけでなく専用のジェルを使用すると舌苔を浮かせて汚れを取ることができます。

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あまりやりすぎるのは良くないのでもし掃除を続けても気になる場合は歯医者を受診してください。舌苔は誰でも薄っすらついているのは普通の状態なので気にしすぎないことも大切です。

偏った食事

偏った食事をしていると口臭が発生してしまう可能性があります。偏った食事をすることで胃腸が荒れてしまいます。胃腸が荒れてしまうと消化不良を起こしてしまい消化されなかった食べ物から臭いガスが発生してしまい肺などに回っておならや口臭になってしまいます。

そのため食事をする時にはバランスを考えることが大事になってきます。食事の際には野菜をしっかりとりましょう。野菜には食物繊維が含まれていて胃腸の調子を整えてくれます。

規則正しい生活

最近はスマホを持っている子供がいて夜寝る前にYouTubeを見ながら寝る子供もいますが規則正しい生活をすることは口臭予防になります。

人間の自律神経は活動を司る交感神経とリラックスを促す副交感神経から成り立っています。夜ふかしをしてしまうと交感神経を活発化させます。交感神経が活発になると唾液の分泌が減ってしまい口の中が乾燥してしまい細菌が繁殖して口臭の原因となってしまいます。

またスマホを見ながら寝るとスマホの画面から発せられる光がとても明るいために体が睡眠モードに入れず交感神経が優位になってしまいます。今問題になっているスマホ口臭とはこれが原因です。

口で呼吸しない

先程もお伝えしましたが口呼吸は口内を乾燥させてしまい口臭の原因となってしまいます。日常的に口呼吸になっている場合は口を閉じさせることが必要です。

口を閉じることができない場合は鼻に問題が発生している可能性がありますので耳鼻科に行って診断を受けましょう。鼻が詰まっているのに口呼吸を子供に強制させてしまうと子供はストレスを感じてしまいます。なぜ子供は口呼吸ができないのか原因を子供をしっかり見て分析してあげてください。

なにかに打ち込む

口臭の原因がストレスだとしたら自律神経が乱れていて口臭が発生している場合があります。ストレスを解消するために何かに一生懸命打ち込むことでストレスが解消されます。

また思春期に何かに打ち込むことは人格形成において大変重要になってきます。口臭に悩まされる時間もないような部活や趣味に打ち込めると知らない間に口臭も治っていることもしばしば。

親子で口臭改善に取り組もう

女性二人がOKマークを作っている

ここまで思春期に発生してしまう口臭の原因と改善策などを紹介してきました。思春期の子供はとても繊細です。自分が口臭を発しているとわかると大変なショックを受けてしまう可能性が高いです。

仮に口臭を発していた場合は子供の口臭は何からくるものなのかをしっかりと突き止めて親子で口臭改善に取り組んでいきましょう。