ヘアケア商品オーガニックの基準とは?海外と日本おすすめ6選

オーガニックのヘアケア製品を店頭でよく目にするようになりましたね。オーガニック専門店も増えつつあります。オーガニックと聞くと体にいいイメージがあって、気になるヘアケアで取り入れてみたいと思っている方も多いのではないでしょうか? でも実際のところよくわからないこともたくさんあります。そこで今回はオーガニックのヘアケア製品について詳しくご紹介したいと思います。

オーガニックとは

岩塩とオリーブオイル

オーガニックを日本語に訳すと「有機の」となります。「有機」とは、日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会の説明を借りると、「農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法」のことです。

つまり、自然のありのままのものということになりますね。それでは、この自然のままの製品には国による規定などはあるのでしょうか。

国が定めた有機農業とは

有機栽培に関する国の規定は、農林水産省の資料が参考になります。2018年1月に発表された農林水産省の「有機農業の推進について」によりますと、「有機農業」とは「科学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」のことです。

農林水産省「有機農業の推進について」

日本の有機農業認定の基準

有機栽培で育てられた有機農産物は、法律によって品質保証されたJAS規格で確認することができます。同じく農林水産省の「有機農業の推進について」をひもとくと、有機農産物のJAS規格とは「堆肥等で土作りを行い、種まき又は植付前の2年以上化学合成肥料および農薬の不使用を基本として栽培」し、「種子や苗は、原則、有機のもの」を使用し、「組み換えDNA技術の利用や放射線照射を行わ」ず、「一般製品との混合、薬品等からの汚染がないように管理」されたものです。

日本製はオーガニックコスメの基準がまだない

ところで、国産のオーガニックコスメにはJASマークがついていませんよね。これは、JASマークは農林水産省によって有機農産物に対してつけられるものであって、化粧品に対してつけられるものではないからです。日本では化粧品の管轄は厚生労働省なので、化粧品はJAS規格対象外ということになります。

では、厚生労働省ではオーガニックコスメに対する認定制度があるかというと、まだないのが現状です。ですから、国産のオーガニックコスメとは、自社基準によってオーガニックと謳った製品であり、実際には何がオーガニックなのかよくわからないということになります。

世界でも統一されていない

では、世界の基準はどうなっているのでしょうか。欧米を中心に、オーガニックの認証機関が存在し、各メーカーが販売する製品がオーガニックかどうかの認証を行っています。

たとえば、アメリカにはUSDA,イギリスにはSoilAssociation、イタリアにはAIAB、ICEA、オーストラリアにはACO、ドイツにはBDIH、demeter、eco control、neuform、フランスにはECOCERT、ecobio、ヨーロッパの化粧品メーカーによるNaTrueなど、さまざまな機関があります。

しかし、こうしたさまざまな機関にはそれぞれの基準があるため、世界で統一された基準というものはありません。つまり、オーガニック製品は、消費者がしっかりと見極めた上で購入する必要があるということになります。

欧米の代表的なオーガニック機関

畑にタネをまいている人

アメリカ農務省(USDA)

日本の農林水産省にあたるアメリカ農務省は、NOP(国家オーガニックプログラム)の規則にのっとってオーガニックを規制しています。オーガニック認定を受けたコスメ製品は、以下4種類のラベリングを有する資格があります。

「100%オーガニック(100percent organic)」とは水と塩を除くすべての原料が有機栽培によって作られた製品です。「オーガニック(organic)」製品とは水と塩を除く95%の原料が有機栽培によって作られた製品で、残りの原料の成分は、国で制定したリストで承認された非農産物などでなければなりません。

「有機成分で作られた(Made with organic ingredients)」製品は、少なくとも70%の有機成分を含有し、製品ラベルには有機成分または食品グループを3つまで記載することができます。「70%未満の有機成分(Less than 70 percent organic ingredients)」による製品には、「organic」という語を一切使用することができません。

USDA(United States Department of Agriculture)

エコサート(ECOSERT)

オーガニックコスメ認証の世界のシェア75%を誇るエコサートは、1991年にフランスで設立され、日本にも支社があります。2010年には、ヨーロッパの認証機関と合同で統一基準COSMOSを策定しました。

5種類のオーガニック認証のうち、コスメ製品の認証基準には、オーガニックコスメとナチュラルコスメがあります。ともに、製造が環境に配慮され、製品の95%が天然原料であることが前提で、植物原料の95%、全重量の10%が有機農業で作られたものがオーガニックコスメ、植物原料の50%、全重量の5%が有機農業で作られたものがナチュラルコスメとして認証されます。

ECOCERT

コスメビオ(Cosmébio)

2002年に設立されたフランスの認証機関、コスメビオ協会。現在まで9000以上の製品にコスメビオの認証ラベルが与えられています。3種類のオーガニック認証があり、製品の95%以上が水や鉱物を除く天然成分で、製品の植物原料のうち95%以上が有機成分であり、製品の10%以上がオーガニック原料である製品に与えられるコスメビオのほか、さらに基準の厳しいコスモスナチュラルとコスモスオーガニックがあります。

Cosmébio

イチェア(ICEA)

イチェアはイタリアを代表するオーガニック認証機関、Istituto per la Certificazione Etica ed Ambientale(倫理と環境のための認証協会)のことです。

1982年に設立されたイタリアのオーガニック認証機関AIAB(Associazion Italiana per I’Agricolture Biologica イタリア有機農業協会)から誕生し、IOAS(International Organic Accreditation Service)によって国際認証を受けたECOBIOCOCOSMESIおよびECOBIODETERGENZAは、ヨーロッパでも重要なオーガニックコスメや洗剤のブランドに相当します。

また、LAV(Lega Anti Vivisezione-Anti Vivisection Association)と協力して、動物実験されていない原材料を使用するメーカーを管理していることでも知られています。なお、イチェアはコスモス基準を策定した機関のひとつです。

ICEA

ソイルアソシエーション(Soil Association)

ソイルアソシエーション(日本語で英国土壌協会)は、イギリスの有機農産物の認証機関です。第二次世界大戦後、集中的な農業システムによる健康被害が懸念された1946年に設立されました。

2002年、オーガニックコスメの基準を打ち出し、原料の調達から農業施設の状態、パッケージングプロセスすべてを調査し認証します。現在、ヨーロッパの認証機関4社と協力して策定したコスモス基準に準拠し、さらに厳しい基準でより確実な製品認定を行っています。

Soil Association

ビーディーアイエイチ(BDIH)

ビーディーアイエイチは、ドイツのオーガニック認証機関Bundesverband der Industrie- und Handelsunternehmenのことで、日本語訳ではドイツ化粧品医薬品商工連盟となります。

1996年、天然の化粧品に対する包括的なガイドライン策定し、そのガイドラインに基づいてその内容や製造方法を認証しています。化粧品や天然の化粧品のほか、栄養補助食品(サプリメント)、医薬品、医療機器なども取り扱っています。

その基準は非常に厳しいため、BDIH認証の製品は、ほかの製品よりもさらに安心できると評判です。BDIHもコスモス基準を作成した機関のひとつです。

BDIH

デメター(demeter)

デメターは、有機農業の一種であるバイオダイナミック農業の最大のドイツの認証機関です。1928年、デメタ―の認証基準は策定され、バイオダイナミック農業がヨーロッパ各地に広まっていきました。

デメタ―認証のための基準は非常に厳しく、使用する種子や植物材料の品質はデメタ―が定める品質要件を満たしているか、オーガニックでなければならず、また、デメタ―認証を受けるには、通常3年間、バイオダイナミック農業に変換する必要があります。

demeter

エーシーオー(ACO)

Australian Certified Organic(ACO)は、オーガニックおよびバイオダイナミック製品に対するオーストラリア最大の認証機関です。ACOは、オーストラリア国内基準、アメリカの農務省基準(USDA)、およびCOSMOS基準に基づいてオーガニックコスメを認証しています。

ACOは国際的に最も厳しい基準の1つとして認識されており、その基準は3年ごとに見直されます。

ACO

海外製のオーガニックヘアケア商品

くしやシャンプーなどお風呂で使う用品が並べられている

健康的で美しい頭皮や髪を育み、しかも環境にやさしく安心して使えるオーガニック製品。欧米ではオーガニック認定を受けた多くの商品をかんたんに手に入れることができます。いったいどのような製品があるのでしょうか、いくつかの定番ブランド製品をご紹介したいと思います。

イーオー(EO)

EO
USDA認証のほか、カリフォルニア州有機農認証団体からの認証も受けているEOは、アメリカのサンフランシスコ郊外に自社工場を構えたオーガニックブランドです。

ヘアケア製品ではアレルギーを引き起こす可能性のある石油系の界面活性剤を使用せず、リサイクル可能な容器を使用するなど、使う人の安心と環境への配慮を考えています。

ヘアケア製品では、オーガニックハーブエキスとエッセンシャルオイルが配合されたシャンプーのラインナップがあります。さすがはエッセンシャルオイルの頭文字を取ったメーカーだけあります。髪質とお気に入りの香り成分で選びたいですね。
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メルヴィータ(Melvita)

メルヴィータ
メルヴィータは、1983年、フランス南東部のアルデーシュで生まれました。フランスではおなじみのオーガニックブランドで、エコサートやコスメビオの認証を受けています。

ヘアケア製品には、髪質によってそれぞれラインナップ。とくに乾燥タイプの髪質の方には植物オイルが配合されたオイルシャンプーもあります。空気が乾燥しやすい冬場などにもオススメです。
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ロゴナ(LOGONA)

ロゴナ
1978年にドイツで生まれたロゴナ。その多くのコスメ製品がドイツのオーガニック認証であるBDIHで認められています。とくにヘアケア製品は、ベルギーのオーガニック認証であるネイトルーを取得し、地肌のタイプ別、髪質別、カラーの有無や年齢など、目的にあったオーガニック成分が配合されています。
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日本製のオーガニックヘアケア商品

オーガニックヘアケア用品が並んだ棚

最近、店頭でオーガニックコスメを見かけるようになり、気になる方も増えていると思います。実際、手に取ってみても、どれがいいのか迷いますよね。

しかも、日本にはオーガニックコスメに対する認証などがないため、本当にいいものかどうかよくわかりません。そのためにも、配合成分について勉強して、どのような成分は問題がないのかなど、意識を高めていくことも必要ですね。ここでは、安全性が高く、評判の良いヘアケア製品をご紹介したいと思います。

ハーブガーデンシャンプー

ハーブガーデンシャンプー
オーガニックシャンプーで人気の高いハーブガーデンシャンプー。シリコンフリーのアミノ酸シャンプーで、フランスの認証機関であるエコサート認定のモンゴンゴオイルやシロキクラゲ多糖体、USDA認定の場おばむ種子油などのオーガニック成分が配合されています。

シャンプーではオーガニックハーブウォーターを使用し、精製水にもこだわるという徹底ぶり。公式サイトから購入すると15日間の安心返金保証つきなので、気軽に試してみたいですね。
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https://sakura-forest.com/syouhin/index.html

ドットエヌシャンプー

ドットエヌシャンプー
日本で初めてCOSMOS認証を取得したヘアケアシャンプー・トリートメント、ドットエヌシャンプー。毛質診断士が監修し、さらに厳しい自社基準を設け、合成香料や合成着色料フリー、シリコンフリー、遺伝子組み換え原料フリーのほか、動物実験フリーといった世界の水準を行きます。

ネットやインスタなどでも大人気なので気になる方も多いのでは? こちらの製品も公式サイトから購入すると30日間の返金保証あり。
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https://n-organic.jp/

ザ・パブリック・オーガニック

ザ・パブリック・シャンプー
ザ・パブリック・オーガニックから、スーパーリフレッシュ精油シャンプー&トリートメントのラインナップがありますよね。口コミも割といい製品ですが、配合されているのは柑橘系のエッセンシャルオイルとオーガニックのオリーブオイル。

このため、使用後に頭皮がベタベタするなどのコメントもよく見かけます。オイル配合のシャンプーは泡立ちの悪い製品が多いのですが、こちらは泡立ちがよいと評判です。デザインもオシャレでかわいいですよ。
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http://thepublic.tokyo/

オーガニックシャンプーがオススメの方とそうではない方

手に緑を抱える女性

オーガニック認証を受けたオーガニックシャンプーは、有機栽培された植物成分などを原料に、自然由来の成分を使っているため、その安全性が保障されています。一方、洗浄成分には低刺激の成分を使用しているため、洗浄力が一般に弱く、洗浄後の爽快感が弱い面があります。

このように、オーガニックのヘアケア製品には合う方合わない方がいらっしゃいます。シャンプー選びの際、どこにポイントを置くかをご参考にしてください。

オススメの方

オーガニックシャンプーは、有機栽培された植物成分をはじめ、自然由来の成分を使用しています。これらの成分にアレルギーなどをお持ちでない限り、オーガニック製品は安心して使用することができます。

ですから、敏感肌の方、頭皮にトラブルのある方、すべてのタイプに安心して使いたい方などにオススメです。

  • 肌が弱い
  • 頭皮のトラブルがある方
  • 自然な感じが好きな方
  • 子供にも安全に使いたい方

オススメではない方

オーガニックシャンプーは、低刺激の洗浄成分を使用しているため、洗浄力が弱いのが特徴です。製品の中には、洗浄力を確保しているものもありますが、市販のシャンプーを使ってきた方がオーガニックシャンプーに替えると、洗浄力の弱さや洗髪後の違和感を覚えるかもしれません。

また、オーガニック製品は、素材にこだわることから価格が高くなりますので、コスパ重視の方にはオススメできません。

オーガニック素材に含まれるハーブにはさまざまな効果があります。この力を存分に使ったオーガニックシャンプーの多くがハーブ配合となっているため、ハーブの香りが苦手な方にもオススメできません。

  • しっかりと洗浄したい方
  • コスパ重視の方
  • ハーブ系の香りが苦手な方

海外製と日本製どちらがいいの?

どのシャンプーがいいのか悩んでいる女性

日本製のオーガニック製品は、海外製品に比べ、日本人の髪質に合っているとよく言われますよね。実際、日本は湿っぽい気候で、多くの日本人が毎日髪の毛を洗いますし、欧米を旅行すると、乾燥が原因で肌が突っ張るほか、フケが出てくることもあります。ただ、日本製のオーガニック製品には、そのしっかりとした安全基準がないため、製品の成分をしっかりと見極める必要があります。

というわけで、どちらがいいとは一概に言うことはできません。いろいろ試してみて、アナタにあったものを見つけることが大切ではないでしょうか。

オーガニックのヘアケア製品にはまだ世界統一基準がない

オーガニックのヘアケア製品には、世界統一の基準がありません。ただ認定機関によって定められた基準があり、認定を受けた製品は安心して使用することができます。日本製であれ海外製であれ、アナタに合ったオンリーワン製品を見つけることが大切です。