舌が白くなっていて驚いた経験はありませんか?舌がザラザラして気持ち悪いですよね。これは舌苔(ぜったい)といいます。口臭と舌苔はき切ってもきれない関係です。
初めて舌苔と言う名前を聞いた方も少なくないと思いますので舌苔と口臭の関係について詳しく説明していきます!
舌苔の基本知識
舌の色が白くなった経験はありませんか?舌の色が白くなった状態を舌苔(ぜったい)といいます。舌苔とは舌の汚れのことで舌に苔が生えたような状態になっているので舌苔と言われます。舌苔は食べかすの塊や口腔内で剥がれ落ちた細胞やタンパク質からなります。
舌の構造
舌の表面はザラザラしています。ザラザラした舌をよくみてみると舌乳頭という糸状の乳頭が立っています。この乳頭を広げると畳10畳分にもなると言われています。
舌は味を感じたり、食べ物を飲み込む時に上手く機能してくれる重要な身体の器官になります。
舌苔の原因
食べ物を食べた後に口をゆすがなかったりすると舌乳頭の間に食べかす、粘膜、細菌のカスなどが付着してしまい付着しているタンパク質を細菌が食べて舌苔になってしまいます。
ではどんなことが舌苔がつく原因となるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
歯ブラシ不足
歯ブラシ不足は舌苔の原因となってしまいます。食べ物を食べた後というのは口の中に食べかすや細胞が充満した汚い状態です。歯だけでなく舌にも細胞や食べかすがたくさんです。
歯ブラシ不足によって食べかすが舌乳頭と舌乳頭の間にたまってしまい結果として舌苔となってしまいます。正しい歯ブラシの方法を行うことがとても大事になってきます。
唾液不足
唾液が少ないと舌苔となってしまいます。唾液は口の中を清潔に保つ効果があります。唾液によって口腔内の細菌の量をコントロールしているのです。病気やストレスなどで唾液が不足してしまうと口の中に細菌が残った状態となってしまい舌苔が発生してしまいます。
また唾液の成分には抗菌力が含まれており唾液が少なくなってしまうことによって体の免疫力が低下して風邪をひいたりといったことが発生してしまいます。
アルコールやタバコ
アルコールやタバコは舌苔の原因となってしまいます。アルコールを含む飲み物を飲むと水分が蒸発してしまい舌が乾燥してしまうからです。舌が乾燥してしまうと細菌が増えてしまい舌苔になってしまいます。
タバコは口腔内の環境を悪くしてしまい結果として歯周病を招く原因となってしまいます。歯周病になると口腔内に細胞が増えてしまい、舌苔が発生してしまいます。タバコを吸う人の舌苔の色はニコチンやタールも舌に付着してしまい黄色くなります。さらに口臭も悪化してしまいます。
消化器系の病気・薬の副作用
消火器系・胃腸が弱くなってしまうと舌苔が増えてしまいます。消化器系や胃腸が弱ってしまうと唾液が少なくなってしまいます。先程もお伝えしましたが唾液が不足すると細菌が舌に残った状態となってしまい舌苔の原因となってしまいます。胃腸系が弱くなってしまうのはストレスが原因と考えられますのでストレス解消が舌苔を改善する方法のひとつとなってきます。
また薬の副作用によっても舌苔は発生してしまいます。抗生物質やステロイド剤を使用していると舌の細菌が変化してしまい黒色の舌苔が発生してしまう場合があります。
口呼吸
口呼吸は舌苔が発生してしまう原因のひとつです。口呼吸をすることによって唾液が発生しにくくなり舌と口腔内が乾燥してしまい、雑菌が繁殖してしまい舌苔の原因となってしまいます。
口が空いた状態だと舌の位置が上顎についた状態ではなく下顎についた状態となってしまいます。口が閉じた状態だと顎が擦れて舌の汚れが落ちますが、口が開いていると舌が擦れることがなく汚れが落ちませんので舌苔が発生しやすくなります。
細菌
舌苔は細菌が原因で発生します。細菌が舌の上の糸状の舌乳頭と舌乳頭の間に入り込んで発生します。細菌の色素に色がある場合には舌が細菌の色へと変化していきます。
舌を動かす癖がない
舌を動かす習慣がない事によって唾液が発生しません。唾液が発生しないと舌が汚れたり細胞が増えて舌苔が発生してしまいます。また先ほども舌で上あごをこすると舌苔がつきにくいので舌を動かす癖をつけましょう。
舌苔は口臭の原因6割を占める
舌苔は口臭の原因となります。口臭の原因となるのは硫化水素で硫化水素は食べカスや上皮カスによって発生します。食べカスや上皮カスは舌苔の原因となります。口臭の原因の6割は舌苔と言われています。
朝起きてからすぐの口の臭いがくさい原因として睡眠中に唾液の分泌が低下してしまったことによって舌苔が口の中に充満し嫌な臭いを発生しているのです。日常的に舌苔が舌に溜まっているは寝起きの口の臭いを常時発生させている状態といえます。
自分の舌を見て白すぎると感じたら口臭が発生している可能性があります。口臭は相手へ与える不快感が強いです。
舌苔セルフチェック
どのような状態が舌苔であるか気になりますよね。自分の舌が舌苔であるかどうかは以下の項目でセルフチェックできます。
①舌の上が白くもしくは黄色くなっている
②舌の掃除をしたことがない
③歯ブラシで舌の掃除をしている
④アルコールが含まれたマウスウォッシュを使っている
⑤口が常に乾いている(ドライマウスと言われたことがある)
⑥口呼吸がある
⑦消化器系の病気をしている
いかがでしたか?チェックが多ければ舌苔がある可能性が高いです。
①~④は正しい舌の掃除で改善できる
①舌の上が白くもしくは黄色くなっている②舌の掃除をしたことがない③歯ブラシで舌の掃除をしている④アルコールが含まれたマウスウォッシュを使っているの4つの項目が当てはまった方は正しい舌の掃除で舌苔を改善できます。
詳しい舌の掃除の仕方はまた後程説明しますが、舌を掃除する際に注意するべきことは歯ブラシで舌掃除を行うと、歯ブラシで舌に汚れを押しつけてしまったり、舌が傷ついてしまい細菌が繁殖して逆に舌コケが発生してしまう可能性があります。舌を掃除する場合は舌専用の洗浄道具である舌ブラシや舌ベラを使用する必要があります。
⑤⑥は唾液を促すマッサージが効果的
ドライマウスや唾液が少ない場合は唾液を促すマッサージが効果的になります。唾液を促すマッサージなんて初めて耳にする方が多いと思います。
口の中には唾液が発生しやすいポイントがあります。そのポイントをマッサージによって刺激して唾液の分泌を促すことを唾液マッサージといいます。マッサージは5回~10回繰り返しましょう。
唾液腺マッサージというものをご存知でしょうか。これはドライマウスの患者(唾液の減少により口腔内が乾燥しやすい人)のために開発されたマッサージです。唾液の分泌が少ないと口臭の原因になるということは先ほどお伝えしましたよね。
両手があればいつでもどこでも出来るおすすめの方法です。下に手順を記載します。わかりづらい場合は、「唾液腺マッサージ」で検索すると医師会や病院などのイラストで確認することも出来ますよ。
①耳の下を刺激する
両手の人差し指から中指を左右の頬に当てて、後頭部側から前に向かって優しく円を書くようにマッサージします。
②あごの裏を刺激する
両手の親指をあごの骨の内側(あごの裏)にある柔らかい部分に当てます。まずは耳の下辺り、左右の指を当てて、あご先に向かっていくように、やさしくプッシュしていきます。
③顎下から舌の裏側を押す
両手の親指を「グッド」のハンドサインになるようにしたあとそろえます。このとき親指の爪は自分の方を向いているような状態です。その手を顎先のやわらかい部分に当てて、上に押し上げるようにプッシュします。
唾液マッサージをする事によって口から唾液が発生してドライマウスなどの乾燥の問題が解決されることになります。乾燥は細菌が舌のとどまってしまうのを助長してしまいますので唾液マッサージで口腔を潤わせ舌苔を防いでいきましょう。
⑦薬による影響も
先程も述べましたが舌苔は消化器系や薬の影響によって発生します。消化器系に不具合が生じる主な原因はストレスです。
また消化器系の不調が原因で舌苔が発生する場合、薬が原因で舌苔になっている可能性があります。抗コリン薬というのは胃腸を整える役割がある他、抗うつ薬、風邪薬、睡眠剤などの薬で使用されています。抗コリン薬は唾液の分泌を抑え口腔内が乾燥してしまう可能性があります。
また薬を飲むと頻尿になる場合があると思いますが頻尿になると体から水分が排出されている状態ですので唾液の分泌もすくなくなってしまい口腔内が乾燥してしまい舌苔が発生してしまいます。
正しい舌苔のケア方法
舌苔が発生してしまうとザラザラして気持ちが悪いですし、口臭の原因となって周りを不快な思いにさせてしまったり自分が嫌な気持ちになってしますがちです。そのため舌苔が発生してしまったらしっかりと正しい方法でケアするのが大事になってきます。
舌苔を浮かす専用ジェル
舌苔を落とす場合におすすめなのが舌苔を落とすための専用のジェルです。舌にジェルを塗ることで舌苔を浮かび上がらせて舌苔を除去します。
オススメはセラブレストゥースジェルです。ジェルで歯磨きもできますし舌のお掃除もできる一石二鳥の万能口臭予防ジェルです。
舌専用クリーナー
舌苔を洗い落す場合には舌専用クリーナーを使用しましょう。舌専用クリーナーで舌を掃除する事で舌苔をしっかりと落とすことができます。ただしブラシタイプのもので舌の掃除をするのはあまりおすすめできません。ブラシタイプのもので舌を掃除してしまうと舌の表面の細胞が傷つき剥がれてしまいます。そうすると舌苔が発生してしまいます。
おすすめはTEPEのタンクリーナーです。ヘラ部分が3層になっているのでしっかり舌苔をからめとってくれますがクリーナータイプなので舌を傷つけません。
ノンアルコールオーラルリンス
口内洗浄用品として人気のノンアルコールオーラスリンス。歯垢や口臭の原因となるものを除去してくれます。ノンアルコールなので低刺激です。アルコールが含まれているものは水分がとんでしまい口が乾燥してしまう可能性があります。
おすすめは先ほども紹介したセラブレスシリーズのオーラルリンスです。自然な減量から作られたノンアルコールの洗口剤です。
常に舌を正常な位置に
先程もお伝えしましたが舌を正常な位置にするのも舌苔を防ぐのに役立ちます。舌の正しい位置は舌が上顎についた状態です。舌の筋肉が弱いと舌は下に下がってしまいます。舌が上顎についていることで舌が擦れて舌苔を落としますが舌が下にある状態だと舌苔が落ちませんので舌苔が溜まった状態になって口臭が圧政してしまいます。舌の位置が低いことで口も開きやすくなり乾燥してしまいます。
舌の筋肉が弱いのは舌を動かす習慣がないからです。舌を動かす習慣をつけるのが大事になってきます。
舌苔のケアをする時の注意点
舌をケアする事で舌苔を落とすことはできますが正しくケアをするときにはいくつか注意点がありますので解説していきます。
舌の掃除をしすぎない
舌苔ケアの際の注意点として舌の掃除をしすぎないというのが挙げられます。ゴシゴシと強く磨いてしまったりすると舌の表面が傷ついてしまう可能性があります。舌の表面が傷ついてしまうと細菌が繁殖してしまい、舌苔がひどくなる可能性がありますのでクリーナーによる掃除は1日に1回程度にとどめておくのが良いです。
もしどうしても気になる場合はジェルや洗口剤など舌を傷めないものを使用すると良いでしょう。ただ商品の使用頻度はそれぞれ異なりますのであらかじめ確認して下さい。
舌苔が多い場合すぐに効果がでるわけではない
舌苔が多い人が舌苔のケアを行ってもすぐに結果が出る訳ではありません。舌苔が多い人は舌苔が舌に豊富にありますので落とすのが難しくなります。舌苔のケアをしながら口内環境を整えていくのが大事になります。
さらに1回舌のお掃除をしたからと言ってそれで良いわけではありません。お口の中は食事や唾液の減少などで細菌が活発になると舌苔が作られますので継続して舌苔ケアを行っていく必要があります。
舌の病気がある場合は歯医者さんへ
舌の病気がある場合はむやみやたらに舌苔のケアをするのではなく歯医者さんにいきましょう。
①黒毛舌
黒毛舌とは舌が黒ずんだ状態になることです。外から見ると毛が生えたように見えます。黒毛舌は抗生物質の副作用や口腔内で細菌が繁殖してしまうのが原因です。
抗生物質の服用を停止すると黒毛舌が治ってしまう場合もあります。抗生物質を服用している方は医師に相談してみるのがおすすめです。
②地図状舌
地図状舌は舌に地図ができてしまったかのようになってしまうのが原因です。地図状舌は自覚症状はなく舌を見て始めて違和感を感じるといったものが多いです。地図状舌は原因がはっきりわかっておらずストレスやビタミンB1の不足が原因といわれています。
③カンジタ
カンジタは舌が真っ白になってしまい強い痛みを感じたりする病気をいいます。カンジタはカンジタ菌によって発生します。カンジタ菌は誰もがもっている常在菌でカンジタ菌が異常繁殖した場合に発生するやっかいな病気です。カンジタ菌が異常繁殖してしまう原因として抵抗力が落ちたときと言われます。疲れやストレスからカンジタになってしまうのです。
カンジタは種類があり口腔カンジタ症、偽膜性カンジタ症、萎縮性カンジタ症があります。
④白板症
白板症は舌の粘膜の一部が白くなってしまう病気です。白板症の原因は喫煙、飲酒や舌の過剰なブラッシング、舌への長期の刺激が原因で発生します。
癌化するケースは少数ですが前がん病変のため白板症のような症状が見られた場合はすぐ病院を受診しましょう。
唾液は舌の健康維持にかかせない
ここまで舌苔や舌のブラッシングの注意点を紹介してきました。舌苔の主な原因は舌の乾燥と細菌の増殖です。舌の乾燥つまり唾液の減少は口の中の細菌を活発にさせてしまい口臭になってしまいます。
普段は汚いものとして認識されている唾液は舌の健康を保つ大きな効果があるのです。ストレスを溜めないようにして舌苔が発生するのを防ぐこと。そして、正しく舌のケアを行い口臭のない爽やかな息で過ごしましょう。