他人の口臭が気になることってありますが、意外と自分の口臭には気がつかないものです。もし、自分の口が臭っているとしたら、今すぐ対策をとりたいですよね。ただ、自分の口臭に気づくことができなければ、対策を講じることもままなりません。そこで今回の記事では、自分の口臭に気が付くためのチェック法や、口臭対策について紹介したいと思います。
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自分の口臭を確認する重要性
普段、あまり自分の口臭を意識するようなことってないのではないでしょうか。焼き肉を食べた後など、にんにくの臭いが気になるようなことはありますが、それも一時的なものですよね。
むしろ、自分の口臭に耐えられないくらいであれば、すぐに気が付くことと思います。そんな自分では気が付きにくい口臭ですが、なぜ確認する必要があるのでしょうか。
他人を不快にさせない
自分の口臭を確認する必要性の1つとして、他人を不快にさせないということがあげられます。もし、あなたの話している相手から口臭が漂ってきたらどんな気分になるでしょうか。
たぶん、愉快な気持ちはしないことだと思います。自分では気づいていない口臭が、相手に不快な思いをさせているとしたらどうでしょう。人間関係にも影響を及ぼす可能性がありますよね。
自分の口の中の状態を把握できる
口臭を確認することのメリットとして、自分の口内環境を確認できるということがあげられます。口臭の原因はさまざまですが、そのほとんどのケースで口内環境の悪化がみられます。
虫歯や歯周病になっている可能性もありますし、歯の詰め物や被せ物が劣化している可能性もあります。口臭は他人を不快にさせるだけでなく、将来、歯を失ってしまうかもしれないリスクも秘めているのです。
自分の口臭を確認する簡単な3つの方法
口臭を確認することの重要性については理解して頂けたことと思います。ただ、そうは言っても自分の口臭はなかなか気が付きにくいものです。では、自分の口臭を確認するためにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは3つの方法を紹介したいと思います。
信頼できる家族や友人にかいでもらう
自分の口臭を確認するもっとも簡単な方法は、信頼できる家族や、気の置けない友人に口臭をチェックしてもらうということです。忌憚のない意見を聞かせてくれる相手を選ぶようにしましょう。
清潔なコップに息を吐く
自分の口臭を確認する方法としては、清潔なコップに息を吐いて、その臭いをチェックするという手もあります。ただし、コップ自体に臭いがあってはなんの意味もありません。臭いの付着しにくいガラスや陶器で作られた、清潔なコップを使うようにしましょう。
唾液の臭いを確認する
自分の口臭を確認する方法としては、唾液の臭いを確認するという方法もあります。ただ、唾液を指につけて臭いをかぐような場合、指にある細菌に反応して臭いを発するケースもあるので、確認法としてはあまりおススメできません。
自分の口臭を口の中の状態で確認する3つの方法
先ほど、自分の口臭を確認する方法を3つ紹介しました。次に、口内の状態を見ることによって、自分が口臭を発しているかどうか判断する方法について、3つあげていきたいと思います。
舌苔の多さ
自分の口臭を口の中の状態で確認する方法としては、舌苔(ぜったい)の多さを確認するという手があります。舌苔と言っても実際に苔が生えている訳ではなく、舌の中心部から奥の方にかけて生えている、白い苔状のものを指します。
舌の表面には細かい襞(ひだ)があるのですが、その襞の部分に食べカスや口内の表皮細胞などがたまり、それを口内の細菌が分解することによって揮発性硫黄化合物と呼ばれる臭いの元を発することとなるのです。
舌苔は誰にでもあるものなのですが、いつもより舌苔の量が多い場合や、舌苔の色が白ではなく黄色っぽくなっているような場合は、口臭が強く出ている可能性があります。
フロスで歯茎からの出血をみる
自分の口臭を口の中の状態で確認する方法としては、デンタルフロス(糸ようじ)で歯と歯のあいだを磨いたときに、歯茎から出血していないかどうかをチェックするという手もあります。
デンタルフロスで強く刺激することによって出血したのであればともかく、使用上の注意通りに用いているのに歯茎から出血するような場合、歯周病になっている可能性があります。
歯周病については後ほど詳しく解説しますが、歯周病は口臭の大きな要因となることが分かっています。このような場合には、早めに歯科を受診するようにしましょう。
舌が乾いている・乾燥して話にくい
自分の口臭を口の中の状態で確認する方法として、舌が渇いていないか、また、口内が乾燥して話しにくくないかをチェックすることもあげられます。
舌が渇いていたり、口内が乾燥していたりするということは、口内の唾液量が少ないということです。そして、唾液量の減少は口内環境の悪化を招きます。それによって、口臭が強くなるという訳なのです。
より正確に自分の口臭を確認する方法
ここまで、簡単に自分の口臭をチェックする方法について見てきました。ただ、もっと正確に自分の口臭を確認する場合、以下のような方法があげられます。
精密機械オーラルクロマ
自分の口臭を正確に確認する方法としては、オーラルクロマと呼ばれる精密機械を用いて、呼気に含まれる口腔ガスを測定するのが一番です。
オーラルクロマは、呼気に含まれている悪臭の原因である揮発性硫黄化合物を測定し、揮発性硫黄化合物の種類によって、口臭の強さや口臭の原因を特定します。
一般的には口臭外来や口臭を専門にしている歯科医院、クリニックなどで用いられているので、もし自分の口臭を正確に知りたいときには、そのような医療機関を受診するとよいでしょう。
手軽に口臭チェッカーを使う
自分の口臭を正確に確認する方法としては、口臭チェッカーを用いるという手もあります。市販されている口臭チェッカーとしては、タニタのブレスチェッカーなどが有名です。
ニオイセンサーによって口臭を感知し、口臭のレベルを0から5の6段階で判定します。500回ほど使用することが可能だということですが、センサーの寿命は購入後1年間となっています。
口臭チェッカーを使えば簡単に自分の口臭を確認することができますが、やはり医療用の精密機械であるオーラルクロマに比べると、精度面で劣ることは否定できません。
また、口臭チェッカーのデメリットとして、口臭を図る回数を増やすと、口臭レベルが下がるという難点があります。ずっと口を閉じていて測定したときと、数回呼吸をしてから測定したときとで、口臭のレベルに差異が生じてしまうのです。
とは言うものの、口臭チェッカーで口臭のレベルを判定することによって、大まかな目安にはなると思います。
歯周病のチェック
自分の口臭を正確に知る方法として、歯周病のチェックをすることもあげられます。歯周病というと中高年以降の人がなるイメージをお持ちの方もいらっしゃることと思いますが、実は20代ですでに70%の人が歯周病を罹患しているというデータもあります。
歯周病のやっかいなところは、初期段階では痛みを生じることがないため、自分が歯周病になっていることに気付きにくいという点です。そのため、気付いたら歯周病が進行していたなどというケースもよくあります。
歯周病が進行するにつれて、口臭が増すリスクも上昇します。もし歯茎が腫れていたり、歯を磨いたときに歯茎から出血したりするようであれば、早めに歯科医院を受診するよう心がけましょう。
知っておいてほしい口臭の原因
口臭の確認法については、おおよそのことを理解して頂けたことと思います。では次に、そもそもなぜ口臭がしてしまうのか、その原因について見ていきたいと思います。およそ87%の口臭は、口の中に原因があるようですよ。
生理的口臭
生理的口臭は「生理的」という文字があることから、誰にでも起こりうる口臭であるということが可能です。たとえば、朝起きたときに口臭のすることがありますよね。
時間の経過とともに自然に消えていくタイプの口臭ですが、特に朝起きたときに口臭のことを「起床時口臭」と呼んでいます。その他にも、緊張して口内がカラカラになったときに見られる「緊張時口臭」や、おなかが空いたときに見られる「飢餓口臭」などがあります。
生理的口臭は、次に紹介する病的口臭や、内科系の疾患が原因となって現れる口臭に比べると、それほどひどい臭いがしないという特徴があります。
よほど顔を近づけて話をするなどしなければ、基本的に他人を不快にさせるようなことはありません。また、水分補給をしたり食事をしたり、歯を磨いたりすることで、臭いは自然に和らいでいきます。
生理的口臭のその他の原因としては、加齢やホルモンバランスの乱れなどもあげられています。そのため、女性は生理のときや妊娠、出産にともなって口臭の増すことがあるということです。
病的口臭
病的口臭の代表としては、歯周病があげられます。口内を不潔にしていたり、歯磨きのときに磨き残しがあったりすると、それが歯垢(プラーク)となって歯や、歯と歯茎の間に付着することとなります。
歯垢はいずれ歯石となって、口内の細菌の温床となります。最近の活動が活発になると、歯茎に炎症を起こしたり、歯茎から出血したりすることとなります。
細菌が活動するときには、口臭の元となる揮発性硫黄化合物が産生されます。歯周病菌によって産生される揮発性硫黄化合物は、「メチルメルカプタン」や「ジメチルサルファイド」と呼ばれています。
生理的口臭にともなって産生される揮発性硫黄化合物は「硫化水素」と呼ばれているのですが、メチルメルカプタンやジメチルサルファイドは硫化水素よりもはるかに強烈な悪臭を放つことで知られています。そのため、歯周病患者さんの口臭はキツイという訳なのです。
歯周病が進行するといずれは歯が抜けることとなります。また、動脈硬化が進行することによって、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳梗塞になるリスクも高くなるということです。たかが歯茎からの出血と放置せず、早めに治すように心がけましょう。
病的口臭には口腔内以外に原因があるケースもあります。たとえば、アレルギー症状が悪化したり、風邪がひどくなったりした時に見られる副鼻腔炎がそれに当たります。
副鼻腔炎はかつて蓄膿症と呼ばれたことからも分かるように、悪化すると鼻の奥に膿がたまってしまいます。たまった膿は悪臭を放つのですが、それが呼気に乗って排出されることで、口臭として認識されるのです。
内科疾患
口臭がする原因としては、内科系の疾患もあげられています。胃の悪い人の息を嗅いだことのある人ならご存知かもしれませんが、胃液のような独特の臭気がします。
そのた、糖尿病や肝機能障害、腎機能障害などによっても特徴的な口臭を発するようになります。このような場合、いくら口内環境を改善しても、口臭がなくなることはありません。
ちなみに、糖尿病患者さんは歯周病が悪化して口臭が強くなる傾向があるということなのですが、近年の研究によって、歯周病が悪化することによって糖尿病になるリスクが高くなることも分かってきています。
口臭の改善方法
口臭を改善するためには、まず口臭の原因を知ることが重要です。生理的口臭であれば、歯を磨いたり食事をしたりすることで自然となくなります。舌苔がいつもより多いようであれば、舌クリーナーを用いて掃除しましょう。
それでも口臭がなくならないときには、歯科医院を受診して原因を探りましょう。口臭の改善法については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
口の中の環境を良好に
自分の口臭を確認する方法や、口臭の原因などについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。一口に口臭と言っても、いろんなタイプの口臭があることを分かって頂けたことと思います。
自分の口臭はなかなか気が付きにくいものなので、普段から口の中の様子をよく観察しておくようにしましょう。また、定期的に歯科医院を受診して、口内環境を良好に保つよう心がけましょう。