⾓栓をピンセットで抜くのをやめよう~⾓栓の正しいケアを知ろう!

「鼻の角栓をピンセットで抜くと、その場はキレイになるけど、またすぐに角栓ができてしまう…」そんな経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、鼻の角栓をピンセットで抜くことは、絶対にやめた方がいいですよ。今回の記事では、角栓をピンセットで抜くことによって生じるリスクと、角栓の正しいケア法について解説していきます。

まずは角栓の正体とは

悩んでいる女性

角栓の正しいケア方法について解説する前に、まずは角栓の正体について知っておきましょう。角栓の正体を知れば、ピンセットで抜くような暴挙に出ることはなくなると思いますよ。

角栓の正体について知るためには、角栓がどこにできやすいかを考えるといいでしょう。角栓は主に鼻にできることが多いですが、頬に見られることもあります。

では、鼻や頬になぜ角栓ができやすいかというと、鼻や頬には毛穴が多いからです。毛穴には汗腺と皮脂腺がありますが、毛穴から分泌された皮脂と汚れ、角質などが混じることで、角栓ができてしまうのです。

角栓が詰まった場所に細菌感染を起こすと、ニキビや吹き出物になるという訳なのです。また、角栓が酸化すると、黒っぽい色になり、余計に目立つこととなるのです。

角栓が目立つ原因

原因

角栓の正体について見て頂ければ分かるように、角栓は誰にでも起こりうるものです。では、なぜ角栓が目立つ人と目立たない人とがいるのでしょうか。それについては、角栓が目立つ原因を知ることで理解が可能だと思います。

皮脂の過剰分泌

角栓は簡単にいうと、皮脂とほこりや汚れ、角質(垢)などが混じり合って、毛穴に詰まったもののことを指します。そのため、皮脂の分泌量が異常に多ければ、角栓のできるリスクも高くなります。

ただ、皮脂の分泌量が多いからと言って、必ず角栓ができるという訳ではありません。なぜなら、皮脂汚れだけであれば、クレンジングや洗顔によって簡単に取り除くことができるからです。

角栓ができるには、皮脂にプラスしてほこりや汚れ、角質などが必要となります。そのため、皮脂の分泌量が多くても、毛穴を清潔に保ち、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)がスムーズにおこなわれていれば、角栓ができるリスクは低下するのです。

角栓が目立つ人の場合、皮脂の分泌量が多いだけでなく、メイク落としが不十分であったり、洗顔法を間違っていたり、皮膚のターンオーバーに異常が生じたりしている可能性があるのです。

角化異常

顔の毛穴

角栓が目立つ理由として、角化異常もあげられています。私たちが一般的に皮膚といった場合、それは表皮のことを指すケースがほとんどです。

表皮のもっとも深い部分には基底層があり、そこで肌の元となる細胞が生み出されています。細胞には「細胞核」というものがある、というのは生物の授業で習ってことと思います。

皮膚の「素」にも細胞核があるのですが、角層へと押し上げられていく過程で徐々に核が扁平になっていき、やがて角を失って平らになった部分が角層を形成することとなるのです。

ところが、何らかの原因で核を失わないまま細胞が角層へと押し上げられると、角化異常によって表皮が盛り上がってしまい、角栓を形成しやすくなってしまうのです。

角化異常が起こる原因としては、紫外線を浴びることによる皮脂の酸化や、誤ったスキンケア、皮膚への機械的刺激などがあげられています。

ニキビ

鼻に吹き出物がある

角栓が目立つ原因としては、ニキビや吹き出物もあげられています。ニキビや吹き出物はそもそも毛穴にできるものですが、角栓が細菌感染し、炎症を起こすことで現れるとされています。

ニキビにはいろいろなタイプがありますが、いずれのニキビも毛穴を大きく広げてしまいます。また、ニキビを潰すと、噴火口のようなニキビ跡が残るため、やはり毛穴が目立つこととなるのです。

毛づまり

角栓が多い鼻

「鼻から毛が生えるの?」と思われるかも知れませんが、毛穴というくらいですから、鼻からも毛が生えてきます。もちろん、頭髪のように太い髪の毛が生えることはなく、うぶ毛が生える程度のことです。

ところが、このうぶ毛が角栓による「フタ」によって毛づまりを起こすと、角栓が余計に黒ずんで目立つこととなるのです。

ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くのがダメな理由

ダメ表現

角栓ができるメカニズムや、なぜ目立ってしまうのかについては、ここまでの説明でご理解頂けたことと思います。それでは今回のメインテーマである、角栓をピンセットで抜いてはいけない理由について見ていきたいと思います。

ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くと⾓栓の周りの肌が傷付く

ピンセット

ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くのがダメな理由としては、ピンセットによって角栓周囲の肌に傷がついてしまう、ということがあげられます。

よほど目のいい人でもない限り、角栓だけをピンセットの先でつまむことは、ほぼ不可能だと言えるでしょう。仮に角栓だけをつまめたとしても、角栓は毛穴の中にたくさん詰まっています。

言ってみれば、氷山の一角だけが頭をのぞかせているに過ぎないのです。そのため、角栓をピンセットで無理やりに引っこ抜くと、毛穴よりも大きな角栓が取れることとなります。

そうなると、毛穴が無理やり押し広げられることとなり、余計に毛穴が目立つこととなるのです。毛穴の目立つのが気になるから角栓を除去しようとしているのに、これでは本末顛倒ですよね。

また、ピンセットによって角栓周囲の毛穴が傷つけられると、細菌感染を起こすリスクが上昇します。細菌に感染した肌には、炎症が起こることとなるのです。

ちなみに、炎症は必ずしも悪い反応という訳ではありません。細菌に感染した場所には白血球が集まってきて、細菌をやっつけようとしてくれるのです。細菌感染が疑われるときに、血液検査をおこなって白血球の数を調べるのはそのためです。

そして、細菌と戦って死んでいった白血球の死骸が膿となって現れるのです。つまり、炎症反応とは、ある意味、治癒反応でもあるのです。ただ、醜い膿によって、角栓が目立つことは避けられません。

ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くと⽪脂⾓質層のバランスが乱れる

目を大きくひらいている女性

ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くのがダメな理由としては、皮脂や角質層のバランスが乱れるということもあげられます。角栓のできる原因として、皮脂の過剰な分泌があげられていたと思います。

皮脂というと、肌のベタつきの原因として敬遠される方も多のではないでしょうか。実は、皮脂は私たちの皮膚を、外部の刺激から守ってくれている存在でもあるのです。

皮脂が増えすぎると角栓ができるという問題はあるのですが、皮脂によってできた角栓を抜いてしまうと、皮膚を守るべき存在を失ってしまうことにもつながるのです。

皮脂を失った肌にどのようなことが起こるかというと、皮膚を守ろうとさらに皮脂を分泌することとなるのです。そうなると、また角栓ができやすくなるという悪循環を繰り返します。

角栓ができる悪循環

単に角栓を抜いて、またできてということを繰り返しているだけならいいのですが、角栓を抜くたびに毛穴が押し広げられていってしまうため、いずれ陥没したような跡となってしまうのです。

ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くと⾊素沈着を起こす

鼻に黒ニキビ

ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くのがダメな理由としては、皮膚に色素沈着を起こすこともあげられています。皮膚を守るのは皮脂だけではありません。

紫外線の害悪から肌を守るために、メラニンが存在しています。メラニンは日焼けの原因としても知られていますが、日焼けすることによって紫外線から皮膚を守ってもいるのです。

ピンセットで角栓を抜くことは、肌にとってダメージ以外の何物でもありません。そのため、ピンセットの刺激によってメラニンが産生され、毛穴の部分が日に焼けやすくなるのです。その結果として、シミやそばかすができやすくなり、毛穴周囲がさらに目立つこととなるのです。

ピンセットはもちろん⽖で⽑⽳の⾓栓を抜くのも絶対にNG︕

鼻の吹き出物をつぶそうとしている

ここまでの説明で、ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くのがダメな理由についてはご理解頂けたことと思います。では、ピンセットではなく、爪や指の先で角栓を抜くのはアリなのでしょうか。

結論から言うと、「ナシ」ということになります。爪や指先には無数の細菌が付着しており、ピンセットよりもよほど細菌感染の可能性が高いです。

角栓を指で押しだすのが楽しいからと、角栓を押し出し続けた人の中には、鼻の毛穴がクレーターのようになってしまい、収れん化粧品を用いてもごまかせないと嘆いている方がいます。

いったん毛穴が広がったり、ボコボコになったりしてしまうと、ちょっとやそっとで元に戻すことができなくなります。ピンセットだけでなく、指先や爪で角栓を抜くのも絶対にやめましょう。

他にも、綿棒や毛抜きなどでおこなう角栓の抜き方を紹介しているサイトや動画などもありますが、やはり、あまりおすすめすることはできません。

⾓栓を無理やり抜かずに⾃然に抜けるのを待つ

いいねをしている女性

ピンセットはもちろんのこと、指先や爪などであっても、角栓を無理やり抜くのは絶対に避けた方がよいということでした。では、できてしまった角栓については、どう対処したらよいのでしょうか。

これに関しては、極めて消極的な対処法ではあるのですが、自然に抜けるのを待つというのが一番です。先ほど、ターンオーバーという言葉が出てきましたよね。

ターンオーバーとは皮膚の新陳代謝のことを指します。新陳代謝とは、古いものが新しいものへと生まれ変わることを意味します。

表皮は「角層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層から成っており、基底層で起こった細胞分裂によって生まれた皮膚の核が、徐々に扁平になって角層へと押し上げられていきます。

通常のターンオーバーの場合、角層まで押し上げられた段階で細胞核は失われており、角層と角層との間に保湿成分が保たれることとなります。

角層は成人の場合、14層から15層で構成されており、もっとも表面の角層はやがて垢となって剥がれおちていきます。

そのため、角栓が自然に抜けるためには、皮膚のターンオーバーを正常に保っておくことが重要なのです。

角栓の正しいケア方法

横になっている女性

いったん角栓が出来てしまったら、すぐに除去することは難しいです。そのため、日頃から角栓ができないよう、正しいケアをおこなうことが重要となります。では、角栓を作らないためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

清潔にする

顔を洗っている女性

角栓を作らないためには、なによりも皮膚を清潔に保つことが重要です。角栓は先にも述べたとおり、余分な皮脂とほこりや汚れ、角質(垢)などが混ざり合い、毛穴に詰まったもののことを言います。

つまり、清潔にさえしていれば、角栓ができるリスクを下げられるのです。毎日の洗顔をしっかりとおこない、顔を清潔に保つよう心がけましょう。

ところで、みなさんは「正しい洗顔法」をご存知でしょうか。正しい洗顔をおこなわないと、顔を洗っているつもりでも、かえって肌環境を悪化させてしまうこともあります。

まず、顔を洗う際には、手を清潔にしておくことが重要です。先ほども述べたように、手には無数の細菌が付着しています。顔を洗うことばかりに気を取られ、手を不潔にしていては意味がありません。

また、皮膚にとって避けるべきことを知っておきましょう。皮膚にとって避けたいことの筆頭は、「乾燥」と「摩擦」です。

乾燥については次項で詳しく述べるとして、摩擦も皮膚にとっては害悪にほかなりません。皮膚の表面にある角層は、わずか0.02mmの厚みしかありません。

そのため、摩擦に対して非常に弱いのです。顔を洗う際にゴシゴシ擦らないのはもちろんのこと、顔を拭く際にも、タオルで擦らないようにすることが重要です。

保湿をする

クリームをとっている女性

先ほど、皮膚にとってさけたいことの筆頭が、「乾燥」と「摩擦」であると説明しました。摩擦に関してはすでに説明したので、今度は乾燥について解説していきたいと思います。

皮膚が乾燥すると、外部の刺激(細菌やウイルス、紫外線や花粉など)によるダメージを受けやすくなります。そうなると、皮膚に炎症を起こしたり、ニキビや吹き出物ができたりするリスクも高くなります。

また、皮膚が乾燥すると、今度は皮膚を守ろうと、余計に皮脂が分泌されることとなります。自分ではオイリー肌と思っていたのに、実は乾燥肌を守るために皮脂が過剰に分泌されていた、などということはよくある話です。

そのため、皮脂の保湿は非常に重要となります。クレンジングや洗顔を終えたら、化粧水で必ず保湿するようにしましょう。ただ、化粧水には肌にうるおいを与える働きしかありません。

化粧水だけで肌のケアを済ませてしまうと、いずれ水分が蒸発してしまうこととなります。そのため、乳液やクリームを用いて、肌のうるおいに「フタ」をする必要があるのです。

乾燥が原因で皮脂の分泌量が増えている人の場合(このような肌タイプを混合肌などと言います)、乳液やクリームを怠っているケースがまま見られます。

ベタつくのが嫌だからと乳液やクリームを使わないと、かえって皮脂の分泌量が増えるのです。化粧水の後には、必ず乳液やクリームを用いてうるおいを閉じ込めておきましょう。

動物性脂肪と糖質の過剰摂取に注意

動物の油

皮脂の過剰な分泌の原因としては、食習慣もあげられます。特に、動物性脂肪を好んで食べると、皮脂の分泌量が増大してしまいます。

また、糖質の過剰摂取にも注意しましょう。糖質を過剰摂取すると、太ってしまうリスクが高くなるだけでなく、皮膚の老化が進む原因ともなります。

私たちの身体は酸化と糖化によって、老化が進行すると考えられています。鉄が酸化すると錆びるように、私たちの身体も酸化することによって、老化が進むのです。

なぜなら、酸化によって活性酸素(フリーラジカル)が増大し、それによって、自らの細胞を攻撃し始めるからです。そのため、抗酸化作用のある食品を摂取することが推奨されているのです。

また、体内の余剰な糖質は、タンパク質と結合して細胞を劣化させることが分かっています。それによって、内臓諸機能の低下だけでなく、シミやシワの原因ともなるのです。

規則正しい生活習慣を心がける

寝ている女性

角栓が自然に抜けるためには、皮膚のターンオーバーを正常に保っておくことが重要だということでしたが、ターンオーバーを正常に保つためには、規則正しい生活も欠かすことができません。

私たちの身体では、寝ている間に成長ホルモンが分泌され、細胞分裂が活発に起こります。それによって、損傷部位を修復したり、成長を促進したり、疲労を回復したりしているのです。睡眠不足は美容の敵、とはよく言ったものですよね。

ホルモンバランスを整える

ホルモン

角栓を作らないためには、ホルモンバランスを整えることも重要です。なぜなら、ホルモンバランスが乱れることによって、皮脂の分泌量が増えてしまうからです。

なるべくストレスをため込まないようにし、更年期や出産後などホルモンバランスの乱れる時期には、大豆など女性ホルモンの代わりとなるものを摂取しましょう。

後で後悔しないように角栓の正しいケアを知っておこう!

笑っている女性

角栓ができる原因や、ピンセットで⽑⽳の⾓栓を抜くのがダメな理由について見てきましたが、いかがだったでしょうか。角栓はいったんできてしまうと、なかなか簡単にとることができません。そのため、お肌のターンオーバーを正常化することがもっとも重要です。ただ、あまりに角栓がひどい場合には、皮膚科医に相談するといいですよ。