年齢を重ねると気になってくることの1つが、ほうれい線。ほうれい線が深くなってくると、年齢よりも老けてみられてしまいますよね。
ネット上ではほうれい線をマッサージすることで、深いシワを改善できると言われていますが、どのような方法がもっとも効果的なのでしょうか。今回は、ほうれい線を改善するマッサージやエクササイズについて見ていきたいと思います。
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ほうれい線は皮膚を強くマッサージすると逆効果
ほうれい線を改善するのに効果的なマッサージやエクササイズについて紹介する前に、ほうれい線をマッサージする際の注意点をあらかじめ知っておきましょう。
といっても、それほど難しいことではありません。それは、皮膚を強くマッサージしないということです。皮膚にとって避けるべきことが2つありますが、1つが乾燥で、もう1つが摩擦です。
皮膚に摩擦を加えると、皮膚の表面に目では見えない傷ができてしまいます。その傷から細菌感染を起こせば、ニキビや吹き出物ができる元となってしまいます。
また、強くこすることによって、皮膚を守ってくれるべき存在である皮脂をこすり落としてしまうことにもつながりかねません。
皮脂の量が減少した皮膚は、外部の刺激(細菌やウイルス、紫外線や乾燥)に弱くなってしまい、結果として新陳代謝に悪影響を及ぼすこととなります。
皮膚の新陳代謝が滞ると、本来であれば剥がれおちるはずの角質が剥がれおちずに堆積し、余分な皮脂や汚れ、老廃物が毛穴に詰まり、やはりニキビや吹き出物の元となります。
せっかくほうれい線をマッサージして改善し、キレイになろうとしているのに、肌荒れを招いていては本末転倒ですよね。マッサージは絶対に強い力でおこなってはいけません。
ほうれい線を消すのに刺激しないマッサージが効果的
ほうれい線を消すのには、皮膚を刺激しないマッサージが効果的です。これは、何もほうれい線に限ったことではありません。人間にはその人その人に合ったドーゼ(刺激量)があります。
よく、「マッサージ屋さんに行ったら、次の日に揉み返しがきた」などということがありますが、揉み返しは医学的にみると「ケガ」です。
あまりにも強い力でマッサージされると、身体は無意識に防衛しようとします。たたかれそうになったときに身をすくめるのと同じことですね。
防衛反応で力が入っているのに、資格を持っていないクイックマッサージの人などの場合、「ここが凝っていますね」と、さらにグイグイと強い力で圧迫します。
その結果、筋線維が断裂して内出血を起こすのです。これがいわゆる揉み返し(プロから言わせるとケガ)という訳なのです。
ほうれい線ができる原因の1つとして、顔の筋肉の緊張があげられています。緊張をほぐすのにマッサージは効果的なのですが、あくまでのソフトな刺激でおこなうように心がけましょう。
ほうれい線の正しいマッサージやエクサイズ
ほうれい線をマッサージするときの注意点について知って頂いたところで、いよいよ、今回のメインテーマである、ほうれい線を消すためのマッサージやエクササイズについて見ていきたいと思います。
今回は特に5つのマッサージやエクササイズをとりあげましたので、自分に合ったマッサージやエクササイズを実践してみてくださいね。
あいうえを変形体操
ほうれい線を消す簡単なエクササイズに「あいうえお体操」と呼ばれるものがあります。口を大きく「あ・い・う・え・お」の形に開くことで、表情筋の緊張を緩め、顔のむくみを解消することで、結果としてほうれい線を目立たなくさせるというものです。
今回紹介するのは、上記のあいうえお体操の発展系、「あいうえを変形体操」と呼ばれるエクササイズです。まずは動画をご覧になってみてください。
- 「あ」の口にするときに、まずは口角を下げて口を大きく開く
- 次に、口角を上に挙げるよう意識しながら、口を大きく「あ」の形に開く
- 「い」以降も同様に、口角を下げるエクササイズと、口角を上げるエクササイズをおこなう
あいうえお変形体操をおこなう際のポイントとしては、1文字ずつハッキリと発音するということです。同時に、口角を上げたり下げたりすることも忘れないようにしましょう。
あいうえお変形体操をおこなうことによって、表情筋をしっかりと刺激することが可能となります。「あ」から「お」までを10回程度繰り返すことによって、さらに効果を高めることが可能です。
1日1分でほうれい線を解消するエクササイズ
次に紹介するのは、「1日1分でほうれい線を解消するエクササイズ」です。ほうれい線ができる原因はいろいろですが、1つには表情筋をあまり使っていないことがあげられます。
筋肉は使うことによって疲労するのですが、使わないことによっても疲労します。そして、使うことによって疲労するのがアウターマッスルであるのに対し、使わないことによって疲労するのはインナーマッスルです。
アウターマッスルの疲れはすぐに治ってしまいますが(筋肉痛を思い出してもらうと分かりやすいと思います)、インナーマッスルの疲れはなかなかとれません(慢性的な肩こりや腰痛などがその例です)。
顔の筋肉はそれほど大きくないので、疲労をした実感はないと思うのですが、実際には深いところから凝り固まっているのです。そのため、以下のようなエクササイズで緊張を緩和してあげましょう。
- 舌先を使って、頬の内側をマッサージする
- 頬に空気を入れるようにして、右頬と左頬を交互に膨らませる
- 口を「あ」の形に開き、次に「い」の形に開く。
- 「い」の形に開くときには、口角を思い切って引き上げる
- 口をすぼめた状態で、唇を左右交互に大きく引き上げる
顔の筋肉もしっかりと動かすことによって、筋疲労が感じられると思います。その疲労はアウターマッスルに起こるものなので心配することはありません。
また、顔の筋肉をエクササイズすることによって血行が促進されるので、むくみが改善し、結果としてほうれい線の解消にもつながるのです。
20秒でほうれい線がなくなる!おうちで簡単フェイシャルエステ
お次に紹介するのは、自分でできるフェイシャルマッサージです。その名も、「20秒でほうれい線がなくなる!おうちで簡単フェイシャルエステ」です。まずは画像からご覧になってみてください。
- 左手の中指と薬指を、左頬のほうれい線に乗せます
- 右手の中指と薬指を、先ほど乗せた左手の下に差し込み、左手を支えます
- 左手で右手を押し上げながら、顔は軽く下を向くようにしましょう
- 20秒たったら、両手を同時に放します
- 反対側も同様におこないましょう
解剖学的にこのフェイシャルエステを分析すると、この動画でおこなっている動作は、「咬筋(こうきん)」を緩めるマッサージとなっています。
咬筋はその名の通り、食べ物などを咀嚼するときに使われる筋肉で、いわゆる頬骨から下あごにかけて伸びている筋肉です。
昔の人はともかく、現代人は硬いものを食べる習慣がなくなってきているので、咬筋が弱くなってきています。そのため、むくみが生じて、ほうれい線が目立ちやすくなっているのです。
また、デスクワークなどで首や肩だけでなく、咬筋にも緊張が生じています。このフェイシャルエステは咬筋の付着部を圧迫したあと、両手を同時に話すことによって、咬筋への血流を促すことを目的としています。
咬筋の緊張が取れて血行がよくなると、頬周りの緊張がゆるむので、ほうれい線の解消につながるという訳なのです。
ほうれい線を消す顔のマッサージ
ほうれい線を解消するマッサージ法はまだまだあります。次は、「ほうれい線を消す顔のトレーニング」です。まずは動画をご覧になってみてください(2:20頃から)。
https://www.youtube.com/watch?v=PaAvwIq2yOs&t=343s
- 両手の手根部を用いて、側頭部を両側から挟みこむようにする
- 深呼吸をしながら、手根部をくるくる回すようにして側頭筋を緩める
- 押した際の痛みがゆるみ、動きがよくなってきたら手を離す
- 両手の手根部を用いて、頬骨の下あたりを挟み込むようにする
- 深呼吸をしながら、手根部をくるくる回すようにして頬の筋緊張を緩める
- 押した際の痛みがゆるみ、動きがよくなってきたら手を離す
頬骨のあたりをマッサージする効果に関しては、先ほどのフェイシャルエステと同じなので、説明を省きます。側頭部のマッサージは、張りつめた神経を和らげる効果があります。
側頭部のことを「こめかみ」と言いますが、デスクワークやプレッシャーのかかる仕事などで歯を食いしばっていると、こめかみの部分に筋緊張が出てきます。
東洋医学的にみると、疲労やストレスがたまっている人は、こめかみのあたりが固くなってきます。うつ病の人などは、こめかみの皮膚が動かないくらいに固くなっています。
こめかみのあたりが固くなっているということは、表情筋がうまく使えていないということにもなります。そのため、マッサージによって側頭筋を緩め、表情筋がうまく働くようにしてあげることで、ほうれい線の解消にもつながるのです。
ほうれい線を消す 無くす 予防する!美顔トレーニング
ほうれい線の解消法として最後に紹介するのが、「ほうれい線を消す 無くす 予防する!美顔トレーニング」です。まずは動画をご覧になってみてください。
- 口を大きく縦に開きます
- 次に、口を大きく縦に開いた状態で、上唇を歯に押し当てるようにする
- 2の状態をキープしたまま、両手の人差し指でほうれい線をリズミカルにトントンと軽くたたく
- 30秒間おこなったら終了
この美顔トレーニングは、皮膚に対して刺激の少ないマッサージとなっています。冒頭で説明したように、皮膚に対する強い刺激は厳禁なので、おすすめのトレーニングと言えそうです。
以上5つのマッサージやエクササイズの他にも、著作権上紹介できませんが、ためしてガッテンなどの健康を扱ってテレビ番組でも、ほうれい線を消す方法について取り上げていることがあるのでチェックしてみてください。
ただし、リンパマッサージという説明をしているものは要注意です。血液と違って、リンパの流れはとてもゆっくりであるため、マッサージをしたところでどの程度の効果があるのか不明です。
ほうれい線に効果的なツボ
東洋医学では、さまざまなツボを押圧することによって、美容や健康効果が得られるとされています。中にはほうれい線の解消に効果的なツボもあるので、ピックアップして3つ紹介しておきたいと思います。
巨髎(こりょう)
巨髎のツボは、美容目的の鍼灸治療でよく用いられる経穴です。目の中央部と鼻の下のラインが交差する場所にあり、ちょうどほうれい線のあたりに位置しているツボです。
巨髎のツボには、ほうれい線を改善するだけでなく、目の下のクマを改善したり、顔のむくみやシワを改善したり、目を大きく見せたりする効果もあります。
また、巨髎のツボを押圧することによって、胃腸の機能を高めることも可能です。消化不良や栄養不足によって生じるお肌のくすみや荒れ、たるみなどを改善する効果も期待できるということです。
さらに、顔の肌の乾燥を防いだり、ニキビや吹き出物を改善したりといった効果も期待できます。両手の中指の先で、気持ちよく押圧してあげるとよいでしょう。
下関(げかん)
下関のツボは、耳の穴の前方にある、少しくぼんだ場所にあります。両手の中指で耳の穴の前あたりを押さえて、口を開いたり閉じたりしてみましょう。その際に盛り上がる部分が下関のツボです。
下関のツボには、口の歪みや目の歪みなど、顔の歪みを矯正してくれる効果があります。また、顔のたるみやシワを改善したり、ニキビや吹き出物を改善したりする効果もあるということです。
あと、下関のツボには、歯の痛みを抑えたり、歯のうずきを抑えたりする効果もあります。女性に多くみられる顎関節症の改善にも効果的なツボだということです。
角孫(かくそん)
角孫は耳のすぐ上、生え際のあたりにあるツボです。耳を折り曲げたときに、一番上の部分に当たる場所が少しへこんでいると思いますが、その場所が角孫にあたります。
角孫のツボには、頬を引き締める効果や顔のたるみを改善する効果、顔のむくみを解消する効果のほか、眼精疲労や頭痛を改善する効果もあるということです。
また、角孫のツボを押圧することによって、頭全体の血行を促進する効果も得られるので、抜け毛の予防にも効果的だということです。
ほうれい線を消すマッサージグッズでより効果アップ
ほうれい線を消すマッサージグッズを利用すれば、手が疲れることなく、効果的にほうれい線の解消ができます。ほうれい線を消すマッサージグッズについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。興味のある方はぜひ一度ご覧になってみてくださいね。
ほうれい線のマッサージのまとめ
ほうれい線を消す方法について見ていきましたが、いかがだったでしょうか。今回紹介した方法を実践すれば、ほうれい線を解消するだけでなく、お肌のコンディションも改善できるので、化粧品のノリもよくなると思いますよ。
ただし、ほうれい線を消したいからと言って、強い力でマッサージするのは絶対に避けましょう。ほうれい線のマッサージをおこなうときには、あくまでもソフトに刺激することが重要です。正しいマッサージ方法でおこなうようにしてくださいね。